2話 転生出来たが、まさかの....だった。その2
私はまた別のものに転生していた。
1回目とは違い周りは暗くて、土の洞窟のようなところにいる。
しかも前回もあったが、何故か前世の記憶がある。
転生あるあるすぎて、前世の記憶があることにツッコミをすることを忘れていた。
自分のボディーチェックをすると、2回目の転生はネズミ。
ネズミか.....。
最初はネズミなのかと落胆したが、花よりは動けるし、まだマシなのでは?というポジティブに考えることにする。
とりあえず、土の洞窟から出るために光の見えるところまで歩いてみる。出口を見つけ、出てみるとそこは綺麗な青空と賑わっている街の様子を見ることが出来る街の高い時計塔のようだ。
素敵な景色に見惚れていたら、親ネズミらしきものが話しかけてきた。
「これから食べ物を取りに行くよ。
お前もついてきな」
私は言われた通りに親ネズミに付いていく。
親ネズミは時計塔の隙間の穴から螺旋状になった道を通ってこの高さから降り、街の通りに出て、人や馬車を上手く縫って動いていた。
私も真似はしてみたものの、馬車に轢かれそうになったり、人に踏まれそうになったり、猫に追いかけ回されたりと散々な目に遭いつつ、何とかついて行った。
正直ものすごく疲れた。
人間だったらこんな体験せずに済むのになとか、温かいご飯をゆっくり食べられるのにと思ってしまう。
早く人間に戻りたいなとかぼやいてしまう。
ふらつきながらも親ネズミについて行き、ついに止まった。
やっと休めると思ったのもつかの間、辿り着いた場所は、路地裏でゴミが溜まっていたり、貧民、孤児などがいる場所だった。
こんなファンタジー世界にも、海外のような貧困問題はあるのだなと思った。
その時、親ネズミがアリのような無視を捕まえていた。
「ほら、お食べ」
そう言って私に渡してくれた。
これを食べるのか。
正直きつい。いや、普通に無理!!!
だって、元人間だもの。
人間もイナゴとか食べていたりするがこれは加工せずそのまんま生で食べないといけないものだ。
ものすごくお腹は空いていたものの、結局食べられなかった。
「帰るよ」
親ネズミはそう言い、帰りも行きと同じような道を通り、大変だった。
私は疲れ果てて、この日はすぐに眠りについた。
そして、この生活を何回か繰り返して、馬車に轢かれてしまった。
この時の私は常に飢えている状態で、体も弱りきっていた。
轢かれた時の衝撃しか私の記憶にはない。
幸いにも痛みは感じなかった。
ーーだが、また死んでしまったのである。