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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
89/90

ジンの目標

 私は、ジン。

 皆から偉大なる勇者と呼ばれている。

 もともとは、日本で暮らしていたのだが、ある時、オストマルク王国に召喚されてしまった。

 

 この異世界には、人間や亜人や魔人が住んでいる。

 今、2人の魔王を倒したことにより、伯爵に任命されて、辺境地の領主となっている。

 日本に戻りたい気持ちもあるが、その戻り方がわかっていない。

 異世界召喚は、かなり特殊な召喚方法のようだ。

 今は、日本へ帰ることは考えないようにしている。


 この異世界で、やるべきことが多い。

 自由都市からの情報では、恐ろしい魔王が、まだまだ存在し、その上、大魔王までいるようなのだ。

 魔王一人を倒すのにも、大変な労力と時間が必要であった。

 大魔王が出て来て、まともにやり合えば、人間の国は壊滅させられてしまうだろう。

 特に、人間の国では、まったく協力関係ができておらず、足の引っ張り合いをしている。

 いつ暗殺や毒殺をさせられるかわからないような状態なのだ。


 召喚されたオストマルク王国ですら、政情が不安である。

 トリスタン王とは、魔王退治で一緒に戦った仲だ。

 そのトリスタン王も、貴族や宗教団体などに足を引っ張られ、王都を復興させるにも時間がかかることになる。

 トリスタン王は、優秀であり、なんとか王都を復興させることができるだろう。

 しかし、オストマルク王国は、他の国からの圧力がかかり過ぎている。

 いくらトリスタン王であっても、それらの圧力を全て跳ね返すことはできないだろう。

 つまり、雁字搦がんじがらめの状態であり、上手く動けないのだ。


 トリスタン王が動けないようであれば、我々パーティーが行動をすればいい。

 だが、あまり大きく動きすぎると、他の国にも目立ち過ぎる。

 強い領地をもらうと、それが火種となり、他国との戦争に陥る危険性があるのだ。

 戦争に勝つ必要もあるが、今は戦争をするべき時ではない。

 ワザワザ魔王を倒して平和な時期に、軍事力を見せつけるのは、バカのすることだろう。

 大帝国が、自らの意思を示す為に、軍事訓練をすることは必要であるが、オストマルク王国は中位の勢力である。

 中央帝国のハートランドと西のガリア帝国にケンカを売っても、仕方がない。

 そして、魔人の国と戦争をしても、オストマルク王国が疲弊するだけである。

 

 今は、進行して来た魔王の二人を粉砕したところであるが、ワザワザ他の魔王の国に戦争をしても、オストマルク王国の財政や軍事力が持たない。

 他の魔王が、8名以上いることもわかっている。

 実際、魔王に近い位、強い魔人も多いようである。

 人間の国を制圧することができれば、魔王の称号が得られるので、攻めてくる魔人も多いのだ。

 魔王の称号については、よくわかっていないが、力は強いことはもちろんだが、領地を持っていることも重要になるようだ。

 だから、海を渡って魔人の軍隊が攻めてきたりする。

 撃退だけならば、海に面した南側の領地が良いのだが、船の航路もあり、貴族は南側の海沿いに集中している。

 ワザワザ、貴族を異動させてまで、領地をもらうワケにはいかなかったのだ。

 そして、北側については、亜人の国に面しており、未開の土地となっている。

 貴族がそのような危険な土地を欲しがるワケがなく、放置されていたのだ。


 オストマルク王国が発展するには、この未開の地を大きくするのが、一番手っ取り早い。

 私と妻のメグミは、そのように考えた。

 亜人の国に接しているが、亜人を相手しても負ける恐れはない。

 そして、亜人については、国単位でまとまっていることが少なく、種族単位や部族単位となっていることが多いのである。


 実際、グリーンゴブリンとホワイトゴブリンを配下に治めることになった。

 ほとんど、ゴブリンの国と言ってもいいようになってしまって、ビックリしている。

 別に、ゴブリンの国をつくる予定ではなかった。

 だが、そこにゴブリンがいたので、しょうがないだろう。


 少数派が、多数派を従えることは良くあることである。

 アフリカの部族でも、よく見られる。

 支配者層と支配される側は、まったく違うのだ。

 支配される側は、支配者層をよく知ることができない。

 上級国民は、ワザと隠されている場合も多いからだ。

 少数派が、支配をしていることに気付かれると、多数派に数で負けてしまう。

 そのため、情報を操作して、そのような正しい情報が制限されている場合も多い。

 日本であっても同じだ。

 少数派によって、完全に支配している。

 正しい情報は、ブロックされ、プロパガンダの情報が氾濫しているのである。


 「まぁ、今回は、こちらが上級国民の側にはなるが・・」


 「どこまで、本当のことを伝えればいいのかな?」


 ホワイトゴブリンについては、自ら奴隷になりたいと言って来ている。

 他のゴブリンの種族もいるが、4,300名もゴブリンがいれば、手足としては充分である。

 こちらから、仕掛ける必要はないが、領地経営としては、隣でゴチョゴチョされても気になる。


 「ただのゴブリン種族の対応も考えないといけないな・・」



 税金についても、意見がわかれている。 

 税金について、できるだけ安い形にしようと、メンバーに提案をすると、反対意見が多かった。

 常識が違うとか、領地経営を上手にすることができないとか、強力な軍事設備ができないとか、いっぱい人を雇えないとか、そんな内容だった。


 「ただ、【タックスヘイブン】や【楽市楽座】をしてみようと言っただけなのに・・」

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