表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
87/90

税金について その2

  「はーい。今回も、税金についての話になる。課題がわかっていないメンバーは、会議に参加しなくてもいいぞー」



 オストマルク王国では、秋の収穫時期が終わってから、収入に対して3割3分3厘の税金がかけられている。

 つまり、収入の1/3の割合である。

 それは、物納のような形でもOKとなっている。

 食物が採れるのが、秋であることが多いので、このようになっているのだろう。

 これについては、他の国でも、似たような形であることが多い。


 税金は、高すぎると暴動が起きる。

 それによって、いくつもの領主などが討伐されてきている。

 だから、特に注意が必要なのだ。


 それは、歴史によっても証明されている。

 色々な国でも、市民革命が起こっているのだ。

 日本でも、過酷な取り立てで、一揆などの反乱が起こっている。

 『大塩平八郎の乱』についても有名である。


 でも、私がいた頃の日本では、税金の話がされていなかった。

 税金が、身近ではないからだろう。

 そして、色々と誤魔化されているところが、多かったからかもしれない。

 ただ、気付いていないダケの人もいる。


 日本では、年収1,000万円あれば、所得税と住民税を合わせれば、税率だと4割位となる。

 1億円の年収ならば、所得税や住民税で、税率だと5割近く税金で取られてしまう。

 控除額があるから、実際にはだいぶん軽減され、税金の計算が難しいと聞いている。


 もっと困ったことに、全体的に見ると、社会保険料や年金も一緒に差し引かれる。

 つまり、1億円の年収ならば、所得税や住民税に社会保険料や年金をあわせると、実際に半分以上を徴収されるのである。


 自分が働いて稼いでも、自動的に給与から差引されてしまう。

 年金や健康保険もある。

 年金や健康保険は、税金とは別とされているが、これは目くらましである。

 実質的に、社会保険税であり、年金税である。

 ただ、名前を誤魔化しているだけと思ってもいいのかもしれない。

 色々なトリックが使われているのである。



 そこから、更に消費税などの税金も取られてしまうのだ。

 サラリーマンならば、会社によって給与天引きになるので、あまり気付かないのかもしれない。

 でも、事業をしている人ならば、給与から半分が税金で徴収されてしまうと、どう思うだろうか?


 源泉徴収でなければ、色々な方法で、節税をすることも可能となる。

 黙って、税金を支払うほど、経営者や金持ちは従順ではない。

 徴税権を持っている側は、『マルサ〇女』のような映画などを作らせて、金持ちや経営者が悪者のように扱う。

 納税は国民の義務ではあるが、過剰な演出は、プロパガンダと呼ばれる。 


 金持ちの多くは、悪いことをして、金を稼いでいるのような誤った考え方を押しつける。

 ひがみ根性の極みである。

 『お客様は神様』と言った間違えた価値観も、大手を振って歩いているからでもある。

 そもそも、相手が神様だったら、お金が取れず、何でも無料になってしまう。

 それならば、サービスなど何でもかんでもタダで提供することになり、商売になんてならない。

 しっかりと、お互いが儲かるように、パートナーとして接しなければならないのだ。

 かねを払っているから偉いと言った間違えた考えをしてはならない。

 おかねは、サービスの対価だからである。

 支払って当然のモノに、上下関係をつけるから、おかしくなるのである。



 税金も同じなのである。

 上下関係で、上から押し付けるからおかしくなる。

 そして、問題となるのが、ワザと難しく見えるようにして、誤魔化しをすることである。

 税金は、何であっても取ることが可能となる権力者の道具である。

 上手な使い方をしなければ、ただの恐喝である。


 悪い見本を考えてみる。

 消費税は、取り扱っているモノから一律で税率がかかるモノであり、平等のように見える。

 しかし、酒やガソリンなどには、元々別の名前の税金がかかっている。

 その税金がかかっているモノに、消費税がかかるとどのような状態だろうか?

 これは、二重課税となる。


 所得税や住民税の税率が低ければ、消費税は問題ないかもしれないが、もともと税金を支払っているのに、法律ひとつで数パーセントが値上がりしてしまうと、庶民は大変なことになる。

 商売や事業をしていればわかるかもしれないが、立場が弱ければ、それだけ高い利益率を出すことはできない。

 だいたい、不動産の売買でも、手数料は3%プラス6万円である。

 何もしていないのに、ゴッソリ税金を取ることは、民衆の不安を煽るのだ。


 では、相続税はどうだろうか?

 所得税や住民税を支払ってから、不動産取得税を払って不動産を買い、毎年固定資産税と都市計画税を支払う。

 その上で、相続があった場合に、相続の税金を支払うことになるのである。

 これも、二重課税である。

 一見、金持ちから税金を取るので、良いことに思えるかもしれない。

 しかし、金持ちが減ると、最終的に国力を減らすことになる。


 それは、海外に移住をしたり、資産フライトが起こるからである。

 それほどの高い税率をかけられるのであれば、金持ちほど、その国を離れるようになる。

 当然のことなのかもしれない。



 サラリーマンである官僚主体国家では、大変なことが起こる。

 杓子定規で、税金を取ろうとすればするほど、納税者が逃げてしまうからである。

 簡単に取れる所から取ろうとするから、制度が杜撰ずさんになる。

 文句を言えない無知な者から搾り取ろうとするからだ。

 だらか、小難しい税制になってしまうのである。

 官僚は、ルールを作るのは上手だが、自分勝手なルールをつくろうとする。

 自分達に手間がかからず、文句が入らないようにするからだ。


 租税の理念は、「公平・中立・簡素」の3点が重要になってくる。


 

 「うーん。問題ばかりだな。もう少し議論が必要だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ