表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
85/90

ゴブコの想い

 私はゴブコ。

 最近、ホブゴブリンに進化したの。

 今、私のしたいことは、学校で勉強をすること。

 ジン様が学校を造ってくれることを約束してくれたわ。

 本当に楽しみ。


 17歳になった私は、麓の村を襲った時に捕まって、ジン様達の奴隷になったの。

 でも、それは、私達が悪かったわ。

 いくら、同じゴブリン内での権力闘争や派閥争い、恐鳥ディアトリマが南下してきても、人間には関係のないことですもの。

 人間のいる麓の村を襲って、略奪や暴行をしていたんだから。


 罪は、罰せられなければならなかったの。

 それは、本当に大変だったわ。

 ゴブリン67の奴隷と名付けられたり、自分達で食糧を探してきて、無ければ草でも食ってろとお腹をへらしていたわ。

 そして、翼人フォークマンのアルフォンスさんとスナイパーのフィガロさんの特訓だもの。

 軍隊顔負けではなく、軍隊そのものだったわ。

 ちょっと集中力を欠くと、すぐに鉄拳と平手が飛んできたわ。

 あんなことがあったから、お魚やお肉が喉を通らない時もあったの。

 あれは恐怖体験ね。


 恐怖体験と言えば、最初にジン様に会った時も恐ろしかったわ。

 まじめな話、私怖すぎて、オシッコを漏らしてしまったの。

 恥ずかしいわ。

 恐ろしい目が、いつまでたっても追いかけてきて、私に襲いかかるところで、お漏らしをして、そのまま気絶までしてしまったみたい。

 【威圧】と言うスキルのようだけど、勘弁して欲しいわ。

 だから、今は、あんな風に優しく見えるけど、怒らせたら何をするかわからないの。

 グリーンゴブリンを見る目が、恐ろしすぎるから・・。

 いつ、グリーンゴブリンを殺そうか、じっくり見ている狂犬のような目をしているの。

 ジン様には、本当に注意をしているの。


 メグミ様やヴェロニカさんは、本当に優しくしてくれるわ。

 文字を教えてもらったり、仕事を教えてもらったりしているの。

 こそっと、お菓子なんかをお裾分けで貰っているわ。

 メグミさんは、お菓子作りも上手なの。

 私だけではなく、女性陣には皆配っているみたい。

 そんな、ちょっとしたところまで、しっかりと対応してくれているので、感謝しかありませんわ。

 ヴェロニカさんは、ひとつひとつ丁寧に教えてくれるの。

 まるで、お姉さんができたみたいで、嬉しかったわ。


 ルークさんやフィガロさんにも、ギルドについて、さわりを教えてもらったわ。

 それによって、ゴブリンと人間の違いも、だいたい理解することができたわ。

 グリーンゴブリンの部族では、文字なんてなかったの。

 だから、私も、ゴブリンだった頃、字も全然読めなかったわ。

 今は、字が読むことができるようになって、本当に嬉しいの。


 ホブゴブリンに進化したことによって、奴隷からは解放されたの。

 メグミさんとヴェロニカさんが協力してくれて、人間と同等の待遇にしてくれたわ。

 すごく豪華な寄宿舎にも、寝泊まりさせてくれるようになったの。

 それまでは、雨が防げるような簡易的な宿舎だったわ。

 まぁ、以前のゴブリン時代と比べると、簡易的な宿舎でも、天国のような場所かもしれなかったわ。

 当時は、屋根なんてなかったから、木陰に隠れて生活をしていたんだから。 

 今から考えると雲泥の差ね。


 身体も大きくなったの。

 120㎝位しかなかったのに、145㎝まで伸びていたわ。

 どうも、全体的に人間に近づいたみたい。

 ゴブリンの時のシルエットと全く違うの。

 胸もちょっとだけ、膨らんだみたい。

 服は、ドワーフのニフティさんにも新しいのをつくってもらたわ。

 色々と採寸してくれて、大変立派な洋服ができていたのに、他にも色々なパターンの服をくれたの。

 ニフティさんの目が、キラキラ輝いていたわ。


 他のグリーンゴブリンを捕獲する時は、びっくりしたわ。

 いきなりグリーンゴブリンの族長と話をさせるなんて・・。

 やっぱり、ジン様は怖いところがありますわ。

 相手が、少し話をすることができたからよかったけど、あんまりわかってない単語もあったみたい。

 そのせいで、後でトラブルになるんだけどね・・。

 伍長ゴチョウさんも付いてきてくれたけど、ジェスチャーで色々してくれていたわ。

 なんとなく、衣食住の問題が解決できそうと判断してくれて、拠点まで来てくれることになったけど、ただのゴブリンだから、集団行動なんてできないわ。


 いくら、族長が集団行動をしろといっても、末端の子供達まで、行動なんてできるワケないもの。

 でも、そのせいで、ジン様が激怒したようだから、ちゃんと謝ったわ。

 でも、それは、私の能力を超える仕事だったの。

 ちょっと、難しすぎるから、アリエルさんやヴェロニカさんにやってもらっていた部分も多いもの。


 ヴェロニカさんが、激怒されると思ったら、ジン様はヴェロニカさんに対しては優しく接したわ。

 私達にも、それ程怒らなかったし・・。

 メグミさんが、フォローをしていてくれたのもあるのかしら?

 とにかく、私はジン様の相手をするのが苦手なので、ヴェロニカさんにジン様の対応をお願いしているの。

 ヴェロニカさんは、ジン様に対して私のように苦手意識は無いみたい。

 すんなりと、ジン様の対応についての提案を受けてくれたわ。


 ヴェロニカさんは、【ディアトリマ】討伐で、いっぱい魔法を使って、スッキリしたとも言っていたわ。

 いったい、どんな魔法を使っておられるのか聞いてみたけど、詳しくは教えてくれなかったわ。

 それは、私が攻撃魔法の適正が低かったから、仕方ないの。

 私は魔法が使いたいワケではないから、別にいいの。


 そんなことよりも、私は学校で勉強をしてみたいの。

 色々な人から、ウワサで聞くのだけれど、やっぱり体験するのが一番。

 早く学校が完成しないかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ