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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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道路について

 道路は、昔の国境砦まで、まだ開通していない。


 「うーん。いつまでかかるのだろうか?」


 この道路というモノは、あって当たり前なのだが、無ければ物凄く困るモノなのだ。

 山道を歩いたことがあるだろうか?

 誰も通らないところには、草木が生え茂っている。

 そうなると、上手に通ることもできないのである。


 獣が通ると、獣道ができてくる。

 人が通ると、草が折れて、なんとなく、道のように見えるかもしれない。

 そして、一杯人が通ると、そこには草が生えないようになり、他との差異によって道とわかるようになる。

 山道であっても、無理矢理歩くと遭難する。

 たとえ、ハイキングコースであっても同じような事があるので、注意が必要なのだ。



 現代人は、車に乗っての移動が当たり前となっており、アスファルト舗装をした道しか知らない都会人もいるかもしれない。

 しかし、道路には、色々な種類があるのだ。

 例えば、古いヨーロッパの街並みでは、石畳の道もある。

 見た目はとても美しい。

 だが、車で通ってみると、どのようになるであろうか。

 石がボコボコしているので、とてもではないが、快適なドライブにはならない。

 これは、馬車であっても同じとなる。

 

 では、土が丸出しの道路はどうだろうか。

 雨が降ると、道路はぐっちゃぐちゃになってしまうので、通ると泥だらけになってしまう。

 そして、晴れていれば、ボコボコのガタガタの酷い道路になっている箇所が出てくるのである。

 風が吹くと、砂ぼこりが舞って、目が空けられない場合もある。


 道路は、人や馬車などが通れば、すぐに傷んでしまう。

 その為、現代社会であっても、道路の至る所で、修復工事をしているのである。

 道路が渋滞していると道路工事をしている場合が多いのである。

 道路網も作ったら終わりではないのだ。


 

 道路の歴史は、人類の歴史と重なっている。

 国家が誕生すると道は計画的に作られていくようになり、道路網の整備は、時の権力の象徴にもなっていたのだ。


 中でも、ローマ帝国の建設したローマ街道は、最も大規模で組織的なものとしてよく知られている。

 その道路網の総延長は約29万㎞、うち主要幹線は8万6,000㎞にもおよんでいる。

 「すべての道はローマに通ず!」と当時隆盛を極めた古代ローマ人は、豪語したと言われているのだ。

 ローマ帝国の道路は、軍事色、政治色が強いものであるのが特徴である。

 ローマ市を中心とする広大な領域に、幅が数メートルほどある平坦な道路を放射状に敷き、都市間を最短距離で結ぶため直線的にひかれていたようだ。

 中でも有名なのは、紀元前312年から建設が始まったアッピア街道で、道路幅は15メートル、敷石舗装を施した本格的なものである。



 道路は、利用者が往来するための機能を有しているだけではない。

 道路には、都市や地区の骨格を形成し、良好な街並みを形成するための機能も有しているのだ。

 つまり、都市計画や街づくりを勧めていくための多様な機能を有する重要な構成部でもある。


 家は、道路に面して建てられる。

 逆に言えば、道路に接していないと、家などの建築物を建てることができない。

 また、道路によって、街区が形成されているのである。 

 そして、道路に沿って、公共施設や店舗が建ち並びぶことになるのだ。


 街路樹が整えられて、駅前や商業地区には街区のシンボルとなるシンボルロードが形成される。

 更に、シンボルロードの景観を充実させるため、沿道の建物の高さを制限したり、美観に配慮した幅広くゆとりのある歩道が整備されたりもしているのだ。

 また、歩道や中央分離帯に、植栽帯を設けることにより、街路樹により緑の日陰を提供している。

 街路樹には、緑化や騒音の減衰、大気の浄化などの面で、人々に快適な環境空間を提供する役割も担っているのである。

 さらに、道路は、防災空間としての機能も持っているのである。

 火災の際は、そこに道路があることにより、ほのおに対しての延焼えんしょう防止の機能が働く。

 そして、震災時の避難経路や物資輸送路の確保のような、緊急時の通行空間としての機能が期待されているのである。



 自由などの権利は、大変重要である。

 しかし、『市場原理』だけでは、馬鹿でかい建物が建ったり、調和の取れていない建物が建ってしまう。

 この場合、自由も大切かもしれないが、まわりに迷惑をかけるのは違う行為となるので、はき違えてはならない。

 道路についても、規則性がなければ、統一された空間を演出することはできないのである。

 このような部分について、規制などのルールは大切となっているのだ。


 道本来の機能は、離れた2点を結ぶことである。

 ところが、街区の形成において、道は同時に、領域を区画する機能を果たしている。

 つまり、「結ぶ道」と「区画する道」である。

 これは、一本の直線は2点を結ぶものであると同時に、ある領域を2つに分割するモノだと認識しなければならない。

 街区を構成する道は、その上を人が歩き、車などが走るから、その計画は交通計画と呼ばれる。

 それに対し、道で囲まれた街区の用途を指定することを土地利用計画と言う。

 交通計画は、ネットワークの計画であり、土地利用計画は、ゾーニングの計画なのだ。


 左右対称のシンメトリー、縦横の碁盤目状(グリッド状)、同心円状。

 『領地経営』は、アートの部分も含まれてくるのである。


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