マーケットの建設
市場を形成するために、マーケットである交易所を建設しているところである。
現在の村は、メグミとヴェロニカが計算して、各自への配給制となっている。
足りない材料は、すべて輸入に頼っているのである。
まだまだ、何もない村ではあるが、丸太や木板などの木材と倉庫は潤沢である。
ドワーフのハッピーが、丸太をその場でドンドン加工して、事務所や家などにしている。
周辺エリアの多くの製材所などについては、建築中である。
王都での木材の売買によって、拠点の村は、多額の資金を得ることができている。
『領地経営』では、お金がなくなれば、ジ・エンドとなるのだ。
また、国債などの債権を発行すれば、借金をして『領地経営』をすることも可能ではあるが、それなりの実績や信用が必要となる。
信用があれば、お金も借りることもできるのであるが、信用がなくなると、すぐに借金返済をせがまれてしまう。
さらに、借金が返済できなければ、そちらの方でも、ジ・エンドとなる。
つまり、借金を上手に使えば、”てこの原理”で、より大きく儲けることもできる。
投資では、借りたお金をドンドン回すことによって、さらに大きくすることができるのである。
しかし、上手くいかなければ、逆により大きく失敗してしまうことにもなるので、借金は『諸刃の剣』となるのだ。
恐鳥の【ディアトリマ】の討伐や飼育をしていることもあり、鳥肉は大量にある。
区画整備の途中ではあるが、村の内部については、道路は工事済であり、寄宿舎も数多くある。
ただし、村の中の道路は、舗装することまで出来ておらず、ただの砂利道である。
村を大きくすれば、町になり、さらに大きくなれば街になり、最終的には都市となる。
人口が増えることが、ひとつの目安となる。
問題となるのは、大きな道路が都市や街と開通しておらず、移住者がまだまだ増えていないことである。
現在、農家と労働者と職人と技師も完全に不足している。
家を建てれば、すぐに村人が増えるようなことは、現実的ではない。
見ず知らずの土地に、情報もなく移住するようなことは、この世界でも非現実的であるのだ。
日本の中でも、田舎の方にある過疎の村に、住居を大量に供給したところで、都市部の人間が移住するであろうか?
結果は、見るまでもなく、わかるであろう。
今のところ、人頭税など税金を全然取っておらず、住居費も無料で、3食無料のまかない付きでも、この状態である。
普通は、収入の2割~4割位の割合で、住民には税金の支払義務がある。
住んでいれば住民税がかかり、橋や道路を通るにも通行税がかかり、ビールを飲むのに酒税がかかるのである。
税金には、直接税と間接税がある。
所得税や住民税のように、住人が直接支払うのが、直接税である。
消費税のように、住人が商店などに間接的に支払った分が、間接税となる。
普通に考えれば、タックス・フリーは、ありえない位の破格条件となっている。
オストマルク王国では、南側は海産物とパスタが主食となるが、北側ではソーセージとジャガイモが主食となり、同じ国とは思えない位に、文化的な差があるのである。
そして、第三次クルス遠征から、すでに30年も経過していることもあり、他国へ行こうとするチャレンジャーな民は、少なくなっているのが現実なのだ。
大航海時代のように、ドンドン新大陸や他国を侵略をしようとしたり、飢饉で食べ物が無いような状態にならなければ、自分達の村や町から出て行かないのが、こちらの世界では普通なのである。
そもそも、紙が高級品となっており、新聞すら発行されていないのだ。
正しい情報も、怪しい情報もごちゃ混ぜのようになっており、右往左往しているようである。
広告の方法も、口コミなどのウワサなど限定的となっているので、SNSの発展している現代のインターネット社会とは、まったくの別物なのである。
その為、情報の伝達スピードが、あくびが出るほど、極端に遅いのだ。
人間の居住者については極端に少ないが、ホブゴブリンとゴブリンの多さが、この村の特徴となっている。
ただし、ホブゴブリンについては、人としてカウントできるが、ゴブリンについては、魔獣などのモンスターや動物と同じ扱いとなっている。
ゴブリンは、知能が低く、労働者クラスと同等には、働くことができないからである。
『領地経営』では、色々な条件での区別は、必ずあるモノなのだ。
市場には、ほとんど商品が置かれていない。
商売については、エルフのグローリエルが詳しく、現在マーケットの責任者を任せている。
今は、購入者がいないので、開店休業状態となるが、移住者も増えてくれば、品揃えを多くしているところでもある。
村の倉庫には、武器庫、防具庫、アイテム庫、材木庫、石材庫、鉄材庫、肉庫、魚庫、食料庫、酒庫などがある。
農業は、時間がすごくかかるが、牧畜はすぐにできる。
【ディアトリマ】牧場以外にも、牧場を広げることを開始した。
エルフも多くいるので、なんとかなるだろう。
エルフのララリアあたりについては、「無茶ブリだ」と怒り出すかもしれない。
走りながら考えているので、どうしても朝三暮四のようなことにもなる。
しかし、そのようなことは、仕方ないことである。
羊や牛や豚や鶏などは、動物を持ってくれば、すぐに飼育することができるからだ。
リーダーは、細かい事まで決められない。
細かいことについては、現場が決めることだからである。
パブとギルドを併設することにもなっている。
ただし、店舗責任者や従業員は募集中となっている。
ギルド長はルークか、フィガロでいいかもしれない。
ただし、ギルドマスター一人では、ギルドを回すことはできない。
当然、ギルドの従業員も必要となる。
そして、パブを併設する計画なので、パブの従業員も必要なのだ。
物資や人員などについて、足りないことだらけの村ではあるが、準備は大切である。
足りないことを嘆いていても仕方がない。
今やれることを、ひとつひとつやるダケなのである。