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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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紙工場とホブゴブリンの学校建設

 ホブゴブリンの学校を建設する予定が入ってきた。

 ゴブコや伍長ゴチョウなど1,300名近くのホブゴブリンを教育する必要性を感じたからである。

 まだ、ホブゴブリンに進化していないゴブリンもいるが、レベルが22まで上がれば、進化することもわかっている。


「実際は、拠点の村への入植者が少なかったから」

 とは、大きな声で言えない。


 大工や土木作業員などで、ボチボチ人間の入植者も増えてきているのであるが、街の建設をするためには、絶対的な人数が足りていない。

 今の所、麓の村からの移住者や、その親戚ばかりだからである。



「この入植者の人数で、大丈夫?」


 賢者であるメグミに、直球で聞いてみた。


「ちょっと、ペースが思わしく無いワ。もっと、キャンペーンをしないと、ここに来てくれないかもしれない」


 メグミの表情が曇った。

 募集をしていても、想像以上に入植者が増えない。

 そもそもの応募者が少なければ、面接をするまでもなく、即採用するしかないからだ。

 たとえ、それが、内容の良くない労働者であっても・・。


「人がいないなら、つくればいい。ホブゴブリンの学校もつくるから、メグミ達も手伝ってよ」


「そうね、教員の採用から、事務職員の採用、校長など色々な事も決めないとネ」


「そうだな。まずは、エルフのエフィルロスに、全振りしようと思っている」


「あら、そんなことして、大丈夫なノ」


「本人が、だいぶん前向きで考えてくれている。だから信じてみようと思っている。だが、ひとつ気になることがある。学校をするにあたって、教科書を作成したとも言っているんだ」


「それは、いいことネ」


「いいことなんだが、この世界では、紙がとても貴重なんだ。まだ、紙工場の建設ができていないし、紙もつくっていかなければ、追いつかないんだ」


「そうなると、紙工場の方を、先につくって欲しいノ?」


「そうなんだ、紙をつくる技術は、もうあるのだが、工場ができていないので、ドワーフとエルフ達全員で協力してもらえないか?」

 

「そうね。わかったワ。まだ、第三回の【ディアトリマ】討伐に出ているゴブリンちゃん達も多いからネ」



 紙の工場を建設することは、重要である。

 今の拠点の村には、木材と【ディアトリマ】しか特産品が無い。

 紙を売却することで、お金を稼ぐことも必要となってくる。

 そして、教育では、どうしても紙を使うことになる。

 教科書となれば、もちろん紙でつくる方が早い。



 紙工場の現場は、エルフで錬金術師であるアイグノールを中心に、視察された場所への建築工事が開始されていた。

 さらに、メグミから根回しをしてもらい、紙工場の建設は、残っているドワーフやエルフ達の協力のもと、ドンドン建築されていっている。

 ホブゴブリンの学校も建てるので、ポーション工場などは、すこし後回しになりそうだ。



 ホブゴブリンの学校は、指揮所からも、それ程遠くない西側の場所に建設される予定となった。

 西側については、【ディアトリマ】牧場のある方向である。

 拠点の村の正門については、南西方向の計画になっており、そこからは少し離れた場所に建てられることとなったのだ。


 木材は、あり余る位あり、鉄についてはすぐに輸入できる、原材料については、まったく問題ない。

 ただし、ドワーフのハッピーが建築家でもあるのだが、村の色々な建築で、現場作業者が足りていない。

 実際に、病院や薬屋や鍛冶屋や道具屋の建設もできていない。

 他のドワーフやエルフと協力してもらっているが、効率面から言えば、大工の現場作業員が欲しいようである。



 そして、木製で建物を建築するので、怖いのが火災である。

 木は一度燃えると、なかなか鎮火させることが難しい。

 江戸の町では、しょっちゅう火事が起きていた。

 当時も、火消し組もあったようなのだが、火事を広げない為の建物の破壊が仕事のようであった。

 建物の消化活動をするよりも、周りの建物を壊して、それ以上火災を広げない方法の方が早かっただけである。


 警察については、ゴブリン部隊のランドルフに任命しているが、消防もそのままランドルフを兼務させれば済むのかもしれない。

 現場の消防士は、ホブゴブリンやゴブリンになるので、いたしかたない。

 実際は、火事がおこれば、村が小さい内は、勇者パーティーが率先して消火活動をすることになりそうだ。


 

 ホブゴブリンについては、能力値がランダムとなっている。

 ゴブコを中心に、女性で知力が高いホブゴブリンならば、お店などの仕事も可能となっているようだ。

 だが、男性のレベル22以上となっているホブゴブリンについては、伍長ゴチョウのように、勉強が得意ではない者もいる。

 ホブゴブリンとなれば、戦闘員や土木作業員や警備員は簡単にできるのであるが、人間の仕事と同じで、デスクワークが苦手のような者もいるようである。

 学校によって、その適正を見極めることも、本人達にとって重要な要素となる。


 ホブゴブリンの学校については、エフィルロスやメグミやサエルミアの意向を聞いて、ドワーフのハッピーに建築依頼を出している。

 流石に、1,000名入るような学校をつくることは難しいので、大学やコンサートホールのような階段のある教室方式で、一クラス150名が入ることのできる大きさのホブゴブリンの学校をつくることになっている。

 

 学校については、小学校、中学校、高校、大学と必要になるが、今からつくるホブゴブリンの学校については、現場対応で何とかする意向である。


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