緑ゴブリンの教育問題
食堂で、【ディアトリマ】料理をメグミ達と食べている時、ヴェロニカとゴブコの機嫌が悪そうである。
「ヴェロニカとゴブコどうしたの?この恐鳥【ディアトリマ】の生肉、メチャメチャ美味いよ♪」
「ハッ・・ハイ。ええっと・・。ええっと・・」
「すみません。ヴェロニカさんの仕事が増えて、パンクしそうで、こんな風になっています」
ゴブコがわかりに答えた。
「そっ・・。そうなのか。アリエルとエクセリオンに、もっと仕事を振ってくれていいんだよ」
「それは、そうなのですが・・。【ディアトリマ】の件で、エルフさん達も、そちらにかかりっきりとなってるようです」
「うん。そうかもしれないな」
確かに、【ディアトリマ】牧場が増えたので、仕事の流れが変わっている。
そして、緑ゴブリンが、一気に増えた影響も出ているのだろう。
建築工事と道路開通が進んでいる最中である。
その上、紙工場をつくろうと動いてしまっていた。
緑ゴブリン1,332名を収納するのにあたり、色々と村のキャパをオーバーしそうになっていたのかもしれない。
「メグミ。どうしようか?ヴェロニカ達も大変そうだよ?」
「あら、他人事のようネ。今、この村では、色々とキャパをオーバーしているモノを扱っているようだワ」
「じゃあ、ヴェロニカちゃんとゴブコちゃん。正直に話してネ」
そこで、緊急のゴブリン問題を解決すべく、スペシャルチームを選定することになった。
食糧については、【ディアトリマ】の肉で、十分対応が可能となっている。
しかし、緑ゴブリンの教育問題が全然進んでいなかったのだ。
緑ゴブリンが、村中でイタズラなどの悪さをしているようで、ヴェロニカとゴブコの対応量が増えているのである。
「たしかにオリジナルのゴブリン68名は、まだ、ただのゴブリンだしな」
「そうね。自分達のことは、できるようになったかもしれないけど、周りの面倒まで見るのは難しいんじゃないィ」
「そうだな。ホブゴブリンへ進化させれば、問題は解決しそうかな」
「そう・・!それヨ!じゃあ、【ディアトリマ】討伐をゴブリンに同行させたら、レベルも上がってホブゴブリンに進化するんじゃないィ」
「そうか・・。その方法が良さそうだ。我々が倒しても、【ディアトリマ】位じゃあレベルも上がらない。でも、ゴブリンならば、【ディアトリマ】を倒せばレベルが上がりそうだな」
「そうね。それに、軍隊として行くのであれば、従軍する緑ゴブリンについては、しっかり現地での教育できることになるわヨ」
「そこで、ホブゴブリンに進化すれば、一石二鳥だな。よし、誰を従軍させるか。検討しよう」
戦いは、緑ゴブリンが、メインとなる。
しかし、緑ゴブリンが直接戦うと、一撃で死んでしまう可能性が高い。
レベルを上げる為の経験値を与えるには、6人で1パーティとなる。
【ディアトリマ】を倒せるのは指導者クラスのメンバーとなる。
そこで、リーダーの指導者クラス1名に対して、最大5名の緑ゴブリンを配置すればいいのだ。
オリジナルのゴブリン68名のホブゴブリンへのクラスアップは早急にしたい。
リーダーの指導者クラスが何名出せるかで、緑ゴブリンの出兵できる人数が決まる。
私、メグミ、ウォーレン、ランスロット、アルフォンス、ヴェロニカ、ゲンゾウ、ルーク、フィガロ、ランドルフの10名は鉄板だ。
攻撃魔法が強すぎても、【ディアトリマ】を黒焦げにしてしまい、食べ物とすることができないないので注意が必要となる。
ドワーフで、攻撃力と防御力が高そうなのは、ノッカーとスタッフィーの2名となる。
エルフで、攻撃力と防御力が高そうなのは、戦士として有能と言われているガラドミアとイングロールとエクセリオンの3名となる。
すると合計で15名が指導者クラスとなる。
つまり、この15名がしっかりと、緑ゴブリンを守りながら戦うことになる。
【ディアトリマ】の体力を奪いながら、トドメについては、緑ゴブリンにさせるのだ。
さらにガストルニス種とドロモルニス種については、傷をつけずに生け捕りにしなければならない。
結構、難しいクエストとなるのだ。
ドワーフについては、建築の仕事が大量に残っている。
エルフについても、【ディアトリマ】の牧畜と紙工場の建設、食糧やポーションなどの製造をしてもらうことになる。
ドワーフとエルフの両方とも、これからいっぱい仕事をしてもらわなければならない身となる。
他のメンバーについては、大怪我されたり、死なれても困るので、留守番をしてもらうのだ。
ゴブコと伍長については、残りの緑ゴブリンを監督していてもらわなければならない。
そして、ホブゴブリンから、緑ゴブリンへの基礎教育もしておいてもらうことになる。
上位クラスのゴブリンから言われれば、歯向かうことはできないだろう。
補佐として、ヴェロニカの妹のアリエルについても、緑ゴブリンの監視させるようにする。
ヴェロニカが苦労をしていた分を、しっかりと肌で感じてもらわなければならない。
オリジナルのゴブリン68名の内、2名がホブゴブリンに進化しているので、残りは66名となる。
すると、1人のリーダーに4人、もしくは5人が付き添うことになる。
今回入って来た緑ゴブリンは、能力値の上から緑ゴブリン1~1332の番号がついている。
そのため、緑ゴブリンの1~9番もメンバーを出撃させることになる。
「死なれたら困るので、緑ゴブリンの75名については、最低限度の装備をさせよう」
「青銅の剣と皮の鎧、皮の兜、鉄の盾でいいかな?それ位なら、全然安い」
「各リーダーにもポーションを6個は持って行かせるようにしよう」
「干し草を買う予定をしていたので、朝一番に、一緒に購入しておこう」