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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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先発隊の投入

 朝の集合時間になっても、一人だけ来ないメンバーがいる。

 集合場所に召集をかけたのは、私を含めて10名だ。

 オストマルク王国の王都では、慣れていることもあり、迷子になるような所ではない。

 そんな中で、一名メンバーが欠けているのだ。


「どうでしょうか。今まで遅刻なんてする御仁ではありませんでしたが・・」


「そうね。彼は約束も時間もピッチリ守るわネ」


 メグミとウォーレンに相談するが、普段はそんな遅刻をするようないい加減なヤツではないと言われた。


「確かに、アイツは重要な戦力であり、友であり仲間だ。うーん、何かトラブルに巻き込まれているのに違いない・・」


 遅刻をしそうなメンバーがいないワケではないが、予想外の人物が遅刻をしているのだ。


「よしっ。まずは、作戦会議を始めよう!」


 流石に、一人が遅刻したからと言って、作戦会議を中止するワケにもいかない。

 せっかく集まってくれたメンバーにも悪い。

 粛々と作戦会議を進めるしかなかった。



「【テレポート】で運べる人数は、私も含めて6人だ。私が推薦したいのは、ニンジャマスターのゲンゾウとトレジャーハンターのルークだ」

「他の候補がいるのなら皆の意見が聞きたい」



 するとウォーレンが手を挙げて言った。


「その2名に、バルタンのアルフォンスとエルフのヴェロニカ、そしてスナイパーのフィガロが良いのではないですかな」


「そうか、それが良いかもしれないな・・。メグミはどう思う?」


「私は、それでイイワ」


「他に依存があるモノはいるか?」


「・・・」


「・・・」


「無いならこの5名が、先発隊で出発する。現状は、さっき説明した通りだ」


「私は【テレポート】で送って、コテージを建てたら戻ってくる」


「では、先発隊の隊長は、アルフォンス。サブでヴェロニカがついてくれ。探索部隊として、ゲンゾウ、ルーク、フィガロが行動してくれ」


「了解」


「残りのメンバーは、領地経営の方向性と具体案を考えてくれ」


「それでは、先発隊は出発だ!」



 今回、先発隊の隊長のアルフォンス・ウォルフは、翼人フォークマンのバルタンの職位のある亜人男性だ。

 統率力もあり、空も飛べてスピードもある。

 背中から、大きな翼が生えており、バリバリの武人でもある。

 身長は大柄で191㎝ある。

 大きな翼を広げると2m近くある。

 第二回の魔王討伐の際に、完全に仲間となった。



 確かに、悪くはない人選だが、本当は違うメンバーを団長に推薦しようと考えていた。


「まだ来てないなら、仕方ないな・・」



 ヴェロニカ・ウィンザルフは、女性のエルフだ。

 何かと知的な部分があり、男性受けする美貌だ。

 魔法・知識・愛嬌と非の打ちどころのない人材と言える。

 身長も178㎝とモデルのような体形でもある。

 こちらは、第二回の魔王討伐の前の冒険者の時代に仲間となっていた。

 まだ25歳と若く、今後の鍵を握っているかもしれない人物だ。



 フィガロ・ゼノビアは、弓を使い、アーチャーの上位職のスナイパーの男性だ。

 命中スキルがあり、力は強いので、長距離攻撃が専門になる。

 身長はそれほど大きくなく173㎝である。

 ただし、ちょっと正義感が強すぎる場面も見られるのが玉に傷だ。

 冒険者時代からの仲間だが、悪いヤツではない。



◇◆◇◆◇



 先発隊を【テレポート】で、ヴィエラ山脈の辺境地に連れてきた。

 皆、自然に魅了されている。


 特に、エルフのヴェロニカが喜んでいた。


「やっぱり、王都ではなく、自然がいいわ」

「エルフの里みたいに、自然が一杯ね」

「私は、こんな所も好きよ」


 ヴェロニカはストレスを溜めていたいたのかもしれない。

 人間世界では、エルフが珍しく、貴族連中からも嫁に来いと催促されていたのだった。

 オストマルク王国の貴族は、自己中心的な男が多く、断るのも一苦労だったようなのだ。

 そんな所から解放され、自然と笑みがこぼれていた。



「なんも無い所だな。ケッケッケ」


 ルークが、これ見よがしに、皮肉を言っている。


「本当に、森林ばかりでござるな」


 ゲンゾウも答えている。


「狩りをするのには最適だが、誰一人いねーな」


 フィガロも、素直に答えている。


「ここが、辺境地か。新しく村をつくるのならば、こんなモノだろう」


 アルフォンスは、冷静だった。




「では、コテージをつくるから、皆手伝ってくれ」

「よっこいしょっと」


 そう言って、【マジックアイテム収納】からコテージの材料を出した。

 【マジックアイテム収納】は、大きなモノでも、楽々に収納できる便利アイテムでもある。


「これが終われば、一旦戻る」


 そうこうする間に、魔王討伐の際も使っていたコテージが完成した。

 野宿をすると体力や神経がすり減ってしまうので、普通の住まいとしても使えるコテージを常備しているのだ。


「ありがとう。コテージも完成したので、後はよろしく頼む」


「わかりました」

「承知した」

「かしこまったでござる」

「じゃあねー。ケッケッケ」

「しゃーねえなぁ」


 各自がそう言った後、【テレポート】で王都に戻った。

 先発メンバーが、これだけいれば、大丈夫だろう。


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