緑ゴブリンの捕獲
ヴィエラ山脈の拠点付近のゴブリンを捕獲することにした。
拠点の村についても、人材不足である。
ゴブリンがホブゴブリンに進化するのがわかったので、十分に戦力になると判断をした。
ホブゴブリンが2名になったので、実質的な人材としては、2名プラスのカウントになるのかもしれない。
私を先頭にして、ホブゴブリンのゴブコと伍長とエルフのアリエルとエクセリオン、ランドルフとゴブリン達5名が護衛のために付いてきている。
これだけの戦力を出せば、ゴブリン部族については、一瞬で壊滅させることも可能である。
普通であれば、エルフが2名付いて来ていれば、こちらに対して、迂闊に手を出してくることもない。
ランドルフとゴブリン5名は、完全に護衛でありオマケだ。
交渉役にゴブコを任命することにしたのだが、相手がゴブリンだからである。
ホブゴブリンのゴブコは、ゴブリンと会話ができる。
『この会話ができること』が大きいのだ。
念のために、ホブゴブリンの伍長も同行させている。
会話ができなければ、力ずくで従わせることもできるが、また【威圧】をしなければならいし、なかなか言うこと聞かない場合もある。
絶対的な力を見せながら、反抗できないようにする。
そして、ゴブリンがホブゴブリンに進化することをわからさなければならない。
つまり、相手にとってメリットがなければならないのだ。
そして、エルフのアリエルとエクセリオンについては、これからどんな業務をしないといけないか、現場で学んでもらう必要がある。
デスクワークだけが、仕事ではないのだ。
【索敵スキル】を発動させると、すぐに緑ゴブリンの部族を見つけることができた。
緑ゴブリンは、ゴブコと伍長の部族でもあり、少し緑色のゴブリンだ。
この緑ゴブリン部族は、伍長に麓の村を襲わせたのだが、ルークやゲンゾウなどの働きにより討伐され、逃げてきた残りでもある。
「これは、話が早いな」
「ゴブコと伍長頼んだぞ」
ゴブコと伍長の2名に、話し合いをさせることにした。
話し合いは、あっさりついた。
戦うつもりでやって来たのではないが、全面降伏の白旗を出している。
自分達が、人間の住んでいる麓の村を攻撃させたことについて、悔いているのもある。
また、絶対的な力が、私達にあることを、ゴブコと伍長が説得したこともある。
一番大きかったのは、緑ゴブリンの部族では、出てきていなかったホブゴブリンになったことも大きい。
自分達も、ホブゴブリンになれるかもしれないといった、希望と食糧問題や居住問題も解決できると判断されたようである。
緑ゴブリンの部族は、1,332名ほどいたのである。
女・子供も多くなっている。
まずは、残りの緑ゴブリンを吸収してしまおう。
ただし、緑ゴブリンの部族で、この人数である。
村のキャパをすぐに超えそうとの判断で、今日は緑ゴブリンだけで十分だと引き返すことにした。
ランドルフとの協議で、緑ゴブリン1~1,332と言う名前にすることになった。
オリジナルのゴブリン68までは、アルフォンスやフィガロやランドルフから、しっかりとした教育がされている。
そこで、オリジナルのゴブリンに、各20名位の面倒を見させるようにする。
ゴブコについては、ヴェロニカの手伝いとなっているが、緑ゴブリン全体の世話も兼務させるようにする。
本来は、ヴェロニカに回ってくるはずの仕事だから、一緒である。
ランドルフがゴブリン部隊の隊長ではあるが、他に優秀なホブゴブリンが出てくるまでは、伍長がサブにつく形となる。
緑ゴブリンの部族長もホブゴブリンとなっていなかったので、まずは末端から頑張ってもらうことになる。
ホブゴブリンに進化してからは、適材適所で登用をして行くことになるのだ。
この組織は実力主義であり、先に入った者が偉いワケではない。
実力が伴わない場合は、降格人事も有りえるし、優秀な人財が入れば、大抜擢をする場合もあるのだ。
「やっぱ、報告しとかないと、ヤバイかな?」
ドワーフのギャビーと秘書であるエルフのヴェロニカと大賢者であるメグミに報告をする為、あわてて【テレポート】をしている。
食糧が足りないとまずいのと、簡易用のゴブリン宿舎をつくらないといけない。
そして、新しく入る緑ゴブリンの管理もしていかなければならないからだ。
そして、早くホブゴブリンに成長させて、人材として役立たたせるようにしなければならない。
「ガヤ・ガヤ、ガヤ・ガヤ」
「ギャー、ギャー、ギャー」
各自に報告をしていると、緑ゴブリン達が、拠点の村に到着したようである。
強い者から順番に並ばせて、【奴隷紋】のアイテムを使って、1,332名の『奴隷』を得た。
奴隷としているのは、ホブゴブリンへ進化させる為でもあり、言うことをきかせる為でもある。
ホブゴブリンへ進化してからは、【奴隷紋】は解除している。
ホブゴブリンとなってからは、一般的な人材であると判断しているからでもある。
村に住む者が多くなると管理が大変であるから、ステータスプレートをつくるようにも依頼している。
いわゆる住民票や身分証明のようなモノなのだが、簡単なステータスが記入されているようにもなっている。
エルフのアリエルとエクセリオンについても、これからドンドンと忙しくなるのである。