紙工場とエルフの件でメグミと相談
エルフの錬金術師でもあるアイグノールから提案があった、紙の工場建設の件をメグミの事務所で相談をしている。
同じ指揮所の中であっても、事務所は分けた所になっている。
ドワーフのハッピーが、気を使ってくれたのかもしれない。
メグミの方の事務所に、私と秘書のヴェロニカとエルフのアリエルとエクセリオンとホブゴブリンのゴブコが来ている。
残りのエルフは、ランスロットやドワーフのショーティーやランドルフ達と出かけている。
他のメンバーが、どのような仕事をしているのかの確認と、木の皮拾いと紙工場の建設現場の予定地の視察もかねている。
「木の皮から紙ができるので、紙の工場をつくりたいんだけど」
「うん。いいんじゃなイ」
即答だった。
実際に、メグミの方も【紙】の製造を考えていたようである。
しかし、問題は、そこではなかった。
「それよりも、せっかく勧誘できたエルフさん達をどうするノ?」
メグミは、一番重要な問題を問いかけてきた。
実は、まだはっきりとエルフ達が、どの方向で進むのか決まっていないのだ。
農業・商業・工業、医療に教育、それに行政も立法も司法もある。
ある程度の適正については、把握してきているが、本人たちの意向もある。
アリエルとアリエルの婚約者のエクセリオンは、私側の秘書になりたいようなのだ。
たぶん、エクセリオンは、私に対してハーレム疑惑を持っているのだろう。
「アリエルとエクセリオンは、私の事務所の方で秘書になりたいようだ」
「他のエルフは、ランスロットやショーティーやランドルフ達と木の皮拾い、そして、紙工場の建設現場の予定地を探している」
「他のエルフ達は、さまざまにやりたいことがあるようだが、方向性をメグミと一緒に探してもらいたい」
「時間はまだまだあるから、私達全員でエルフ達に、どのように働いてもらうか決めて行こう」
「いいわヨ」
「そうだワ。サエルミアちゃんだけは、私の秘書をしてもらっていいかしラ」
「それは、メグミと彼女で決めてくれたらいいよ」
大賢者とエルフの中でも賢い知恵者が組むと、どのようになるのか楽しみでもある。
「まだまだ、ポーション工場や農業・牧場の建築など様々な課題が残っている」
やはり、普通の人間が、メグミの下で働いたら、3日と持たないだろう。
頭の回転が遅いと、その処理スピードについて行けなくなる。
「天才は、天才同志で仲良くやってくれればいい」
「いい相談相手となるはずだ」
エルフの活躍については、まだまだ準備段階である。
ソフトの部分にもなってくるので、焦らずじっくり攻めるようにする。
ドワーフのメンバーもいるのだが、人材を増やすための建築工事を拡大するには、さらに人手が必要となっている。
「人を増やすためなどに、人がいるなんて、皮肉なモノでだ」
募集をしても、ヴィエラ山脈の拠点の村までは、人がなかなか来れないので、ギルドからの難しい案件だと、中間報告を聞いていたのだ。
現在、オストマルク王国の王都でも、復興作業が進展中である。
そのため、大工が何処も足りない状態であることが判明している。
「そら、そうだ」
メグミの求人では、月に銀貨30枚と、相場よりもかなり高めに設定されているが、この条件でも王都の銀貨18枚の方が選ばれてしまうようである。
「このままでは、かなり厳しいな」
大工以外についても、拠点の村の人材の求人について心配な部分がある。
ヴィエラ山脈の拠点の村は、他の都市から離れており、人が歩いて到着できるようにはなっていない。
この道路が通っていない部分は、重要だ。
そんな所に、求人募集をしていても、普通では、向こうから拠点の村には来てくれるはずがないのだ。
ドワーフの勧誘とエルフの勧誘で痛いほど、その事実が判明した。
そもそも、都会に住んでいる者が、田舎に住みたがるのかといった問題がある。
東京からすれば、どこに行っても田舎となる。
関東など近隣の県ならば、問題ないかもしれないが、関西ならばどうなるのか?
イヤな人は、絶対に西の方へは行かないだろう。
これと一緒のことが起こっているはずだ。
それも、まだ何も建築されていない村なら尚更だ。
「やっぱり人の勧誘って難しいな」
「周辺のゴブリンでも勧誘してこようか?」
「いいわネ。それ!とってもいいワ!」
メグミが、明るい顔をして返事をしてくれている。
メグミはメグミで、いろいろな都市のギルドなどに職員募集の求人を出しているようである。
ただし、ドワーフとエルフ以外では、なかなか結果が出ていないので、イラついている部分もある。
人材採用については、時間がかかるモノなので仕方がないのだが、メグミはイラッチなのだ。
ゴブコとメグミは、ゴブリンについて色々な話をしている。
どうも今、拠点にいるゴブリンは、緑ゴブリンと言われる部族のようだ。
近隣のゴブリンは、赤ゴブリン、黄ゴブリン、白ゴブリン、青ゴブリンの部族もいるようだ。
やはり、ゴブリンを配下にするのもいいかもしれない。
そこで、何かいい方法が無いか考えてみる。
ゴブコは、ゴブリンの中から、ホブゴブリンに進化したのだ。
ゴブリンを奴隷にして、成長させれば、ホブゴブリンになる可能性がある。
このことは、ゴブリンにとっても良いことになるだろう。
あれだけ、ゴブリンについてボロクソに言っていたのに、ホブゴブリンに進化することが、わかれば手の平返しとなる。
人間の人材も欲しいが、すぐに優秀な人材は集められていないのだ。
ここは、代用品ではないが、ゴブリンを労働力として活用するのもアリなのかもしれない。
ホブゴブリンに進化すれば、儲けものなのだ。
どうすれば進化するのか、ゴブリンのさらなる研究が必要となる。




