エルフの里
エルフは、基本人見知りである。
その為、エルフの里には、できるだけ人間などが近づけないように細工されている。
それは、公然の秘密だ。
秘書でもあるエルフのヴェロニカは、そんなエルフの里が嫌になって、里から出て来たと聞いている。
「エルフの里には、秘密が多すぎるのと、外部との接触を極端に嫌がるので、出てきちゃった」
そして、ヴェロニカを見たら分かるが、エルフという種族は、とても色白で美形なのだ。
エルフは、全体的に身長も高めで、スタイルはとてもスレンダーであり、足も長くスラッとしている。
耳が横に突き出して長くなっているのは共通の特徴だ。
ヴェロニカの身長も、女性としては高めの178㎝となっている。
だたし、大きな胸の女性が好みの人ならば、少しばかり寂しいかもしれない。
物凄く大きな果実ではないかもしれないが、見た目からすれば、ちゃんと整った膨らみはあるので、ここは好みの問題となる。
この辺りも、エルフに共通しているようだが、ただし個人差はあるらしい。
ヴェロニカから聞いている他の特徴は、力が極端に強いワケではないが、弓が得意なのと、魔法を扱う力が凄く高く、知能が総じて高いのだ。
年齢については、エルフの平均寿命は長くなっていて、300歳を超えても生きていることがあるようだ。
そのため、100歳を超えてもピンピンしているエルフは多い。
そして、100歳を超えても、見た目も老人のようではなく、若々しい中年の姿を維持している。
200歳を超えてくると、やっとヨボヨボの老人になってくるようである。
どうもエルフの里には、世界樹の雫と言われるモノが存在し、人間達に狙われているようでもある。
この世界樹の雫を飲むと長寿になると言われている。
時の権力者は、こぞって、この世界樹の雫を奪い、長寿になることを望んだと言われている。
そんな事もあり、エルフは他の種族や人間達が嫌いなのだ。
エルフの里には、世界樹と言われる立派な大木がある。
世界樹については、色々な伝説が、エルフの間でも語り継がれている。
その象徴的な場所で、祭りなどが行われているようだ。
精霊が祭られていると聞いている。
エルフの里は、森林に囲われており、ルドルフ王国からもガリア帝国からも行きにくい場所にある。
そして、ガリア帝国やルドルフ皇国からも、大きな山脈が邪魔をしていて、普通では足を踏み入れるのでさえ、憚れるような場所となっている。
一番の問題は、オーガやオーク、魚人や翼人などの亜人や獣人の部族の住む居住地を抜けていかなければならないことかもしれない。
このエリアでは、オーガが最強の種族となる。
一言でいえば、鬼である。
人の肉を食べる残忍な性格の怪物と言ってもいい。
身長が3mを超える者も確認されている。
ガリア帝国やルドルフ皇国の山脈を越えた北側のエリアに、このオーガの種族が多くおり、行く手を阻んでいる。
今までも、オーガの種族が、大陸からの人間を追い払っている役割をしていたのである。
東側のルートを行こうとしても、オークや亜人の集落が多数あり、普通の冒険者ではたどり着けないようになっている。
ヴィエラ山脈の拠点の村の方からも、回り道をして、行くことも可能かもしれないが、1,500㎞も離れているので、それだけで大冒険となってしまう。
通常の行き方としては、ガリア帝国の北側にあるコルテス自由都市に入って、コルテス山脈の高い箇所を避けて、抜け道を使ってエルフの里へ行くことになる。
海からエルフの里へ行こうとすると、セイレーンの歌声に流されて、船が行方不明になるケースも多いので、注意が必要なのだ。
人魚に連れ去られたり、半人半鳥が竪琴を鳴らしたり、歌ったりして、船乗りを惑わすようなのだ。
実際に、コルテス山脈を越えた辺りから、魚人や翼人も多くなり、危険な亜人の住むエリアへと変わる。
魚人には、色々な種類があり、人魚もいれば、半魚人もいる。
人間に近いかもしれないが、鱗に覆われていたり、水かきがあったりもする。
河童のような種族もいるようである。
海は、海で、強力な生物が生息している。
セイレーンや魚人だけ、注意をしていればいいと言ったモノではない。
大王イカや巨大オクトパスも生息していることが確認されているのだ。
巨大な船であっても一撃で粉砕されてることも、コルテス自由都市のギルドから聞いている。
その他にも、他の海域では見られない、怪物が多く厄介な海域であるとも言われている。
コルテス山脈を越えて、約600㎞行った所に、エルフの里がある。