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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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ご機嫌斜めの土曜日

 メグミが、何故かプリプリと怒っている。


「新婚なのにィー!」

「帰って来るのも遅いしィー!」

「何処かで浮気してるのォー?」


 土曜日の朝から、面倒なことになった。


「イヤイヤそんなことはない」

「遅く帰って来てすまなかった」

「気を使って隣の部屋で寝ていたことも悪かった。スマナイ」


 遅く帰ってきたので、シャワーを浴びて、主寝室ではなく、隣りの部屋で寝ていたからだ。

 どうも、ベッドで私の帰りを待っていたようなのだ。


「えー。えー。そんだけェー」


 まだまだ、メグミの不満が溜まっている様子だ。


「わかった。今日は一緒に行動をする」


「やったー♪嬉しいワ♪」


 メグミは急にルンルンとなり、乙女の姿を見せている。

 確かに、それはそれで可愛いのだが、戦闘中や仕事中とのギャップが凄い。

 これはこれで、ギャップ萌えには、たまらないのかもしれない。


 このような乙女の姿に惑わされる男性は多い。

 強烈なアタックがあれば、男女共に断れないような人も出てくるのが一般的だ。


 不細工な男性に、綺麗な女性がくっついている場合もある。

 この場合、不細工な男性が金持ちであるか、惚れられているかのどちらかである場合が多い。


 プレーボーイの男性は、女性を見れば情熱的に口説いてしまう。

 これも一種の病気なのかもしれない。

 ラテン系の男性を見れば、それはわかるであろう。


 ウルウルした目で見られたり、ちょとさわられると、経験が少ない男性はいちころで罠にハマってしまう。

 また、疲れた時に優しくされるのも、グラつく場面でもある。


「どうも、手のヒラで上手く動かされている気がする・・」

 そんな事を考えたが、それはそれで仕方のないことだ。



 顔を洗い、ヒゲを剃って、着替えて、コテージを出て、一緒に食堂へ行く。

 会議室に続いて、大きな食堂が完成しているのだ。



「はーい。おはようございまーす。ドンドン食べて行ってくださいね。取り放題のビュッフェスタイルです。無くなっても、おかわりできるスットクも用意してますよ」


 そこでは、ドワーフの女性であるギャビーが、朝ゴハンを用意している。

 ビュッフェスタイルでの朝食となるのだ。

 まだまだ、パンとかありふれたモノしか無いが、今あるモノで一生懸命対応をしてくれている。


 ちなみに、ゴブリンは、食堂の外のオープンカフェでの食事となっている。


「ガツガツ。ガッシャン。ゴンゴロゴン」


 ガツガツ食べており、見た目が良くない。


「ちょっと、テーブルマナーが必要だな・・」


テーブルマナーの講習会を開かせる必要もある。


「ランドルフとヴェロニカ、ちょっとおいで。うん。ゴブリンのことだけど、食べ方などが汚い。マナー研修をしてくれないか?」


「はい。わかりました」


 エルフのヴェロニカとゴブリンの部隊長であるランドルフも食堂にいたので、マナー研修をさせるように伝えてある。


「ゴメン。ゴメン。ちょとゴブリンが気になってしまった・・」


 席に戻って、コーヒーを飲みながら、メグミと話をする。


「それはいいけど、ヴェロニカちゃんが困っていることがあるみたいヨ」


 どうも、ヴェロニカが困っていると言っているようなので、ヴェロニカも呼んで一緒に朝食を取ることにする。


「ヴェロニカ、もう一回話し、いいかな?」


 ヴェロニカは、美しいエルフだ。

 このパーティーには、女性が少なく、色々な男性からのアプローチが凄いそうなのである。


「確かに、このパーティーは男女比で男性が多いな」


 現在、20名のパーティー中、女性は5名である。

 その中で、メグミは私と結婚しているので、独身者は4名となる。


「わかった。次にエルフを勧誘する時は女性を多くする。すまないがそれまで様子を見てくれ」


 ヴェロニカが、納得しているかはわからないが、男女関係はどうしようもない。

 カゼと同じの一種の病気なのかもしれない。


「男女関係については、私では上手く対応できない。メグミが協力してやってくれ」


「えー。明日デートをしてくれるならいいわヨ」


「仕方が無い。明日の日曜日は、領地などの散策デートをしよう」


「デート♪デート♪嬉しいワ♪ルンルン♪♪」


 メグミは、現金である。

 また、このような裏側の仕事も対応してくれるのが、メグミのいい所でもある。



 恋愛は自由だ。

 束縛するのは難しい。

 下手に私が手を出して、主要なメンバーがいなくなる方が、損失がデカイ。

 この世界の冒険者のメンバーでは、男女関係での亀裂が、即パーティーの崩壊を招く。

 そんな事を多数見てしまっているので、この問題が一番難しいと考えるのだ。



「ヴェロニカちゃん。こうした方が、いいんじゃないかなァ?」


 メグミは、ヴェロニカと話をしている。

 給与計算などの帳簿や、備品管理などの会社で言えば、人事や総務的な事を任せているからだ。

 さらに、これからもっと仕事が多くなってくるのを知っている。

 ヴェロニカには悪いが、組織を一からつくっている所なのだ。

 大賢者であるメグミが側についている。

 何とかしてくれるだろう。


 これらについては、温かい目で見守るつもりだ。

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