拠点の村づくり開始
ヴィエラ山脈の麓の拠点の村づくりをしている。
先程の、相談などを経て、各自に割り当てをしている。
「それでは、次はこれをしてくれ」
「わかりました」
まだまだ、各自に出した宿題が終わっていない部分も多いが、そんなことは走りながら考えることになる。
計画通りに、全てが上手く行くとは限らないからだ。
どうしても、どれだけ考えたとしても、問題が発生する。
その問題を一つ一つ解決することが大切なのだ。
「拠点の村付近の測量をして欲しい。その報告も忘れないように」
「かしこまりました」
まずは、ドワーフのノッカーとスタッフィーと翼人のアルフォンスで、拠点の村近隣の測量をしていてもらっている。
上水道を引くための、勾配などの計算をするためだ。
逐次、その測量結果の報告をするように依頼をしている。
「測量結果を基に、図面の作成をして欲しい」
「わかりました」
ドクとショーティーとウォーレンは、道路などの計画を図面に落し込んでいる。
報告を受けた勾配を確認して、変更などの協議もしている。
ハッピーが、落し込んでいる図面に従って、建築の設計をし、材料の準備を他のドワーフやゲンゾウやルークやフィガロやランドルフにも依頼をしている。
一方で、ヒッキ―とパフィーの方でも、木棺の準備も並行してしているのだ。
「それが終われば、建物をバンバン建築して欲しい」
「期待をしてください」
測量と図面作成が完成すれば、拠点の村の建物の建築にバンバン取り掛かって行く。
「まずは、会議をするので、会議室が必要かな?」
会議室をするにも、全員が入れるような会議室がないので、まずは会議室をつくるようにも依頼している。
「会議室をつくる準備もします」
ランドルフに従ったゴブリン部隊は、雑用係だ。
開墾や土木作業と道路の地ならしなど、様々なことに使われている。
少しでも役に立てば、儲けもの位で考えている。
スイフトとギャビーの両名は、様子を見ながら食料の加工もしている。
食料品の確保は、町として重要な仕事となるからだ。
ドワーフ流の保存食を大量にストックする予定でもある。
ビールを切らしてしまった失敗を次に活かすようにしなければならない。
私とメグミとランスロットは、各自【テレポート】で、各都市から必要な備品を確保しておく。
拠点の村では、生産活動の見通しは立っていないこともあるからだ。
備品管理と備品発注の計画は、エルフのヴェロニカに任せる予定をしている。
できるだけヴェロニカの予算通りに備品確保をするのと、お値打ち品などがあれば購入できるような予算組をして、お金を配布している。
各自1,000枚の金貨が、予算となっている。
日本円にして、1人10億円位となる。
ランスロットについては、物資の購入と相場調査とギルドの依頼確認の報告をヴェロニカにさせている。
ヴェロニカは、それらの情報をストックして、需要と供給のバランスをチェックしてもらっている。
その情報を元に、私とメグミで、オストマルク王国の歪の部分に介入をする。
安い所で仕入れた物資を高く売れる所で売却するのだ。
いずれ、価格はバランスして、普通の金額に落ち着くのだが、短期間の売買の場合は、それほど上下することはない。
この辺りも、需要と供給のバランスとなっている。
需要が多くて、供給が少なければ、値段は上がる。
需要が少なくて、供給が多ければ、値段は下がる。
同じ物資が異なる価格で取引されていることを利用して、利益を得る手法である。
サヤ取りとも言われれるアービトラージと言った投資手法なのだ。
売買する量も、それ程多くはないので、小さな市場でなければ、極端なことにはならない。
ただし、あまりやり過ぎると、商業都市国家のゼルトブルクに目をつけられる。
ゼルトブルク関係で、取引停止を喰らうと、商売があがったりとなってしまうのだ。
これについては、軍資金稼ぎと割り切って、オストマルク王国の国内でやることにしている。
いずれ、オストマルク王国でやっていても、ゼルトブルクにバレることになるだろう。
まずは、オストマルク王国の復興の為にやっていると答えるようにするためだ。
ゼルトブルクから接触してくれば、正式な商売として、ゼルトブルクなどの他国に入っいって、貿易をするようになる。
もちろん、この村にだって、ギルドをつくることもできる。
ただし、最終的には、ゼルトブルクとやり合うことになる場合もあるかもしれない。
まずは、オストマルク王国のギルドでも、不足のアイテムや商品があれば、ドンドン売却するようにする。
不足しているモノは、高く売れるからだ。
その代わり、平時は色々なモノをストックしておくようにする方針だ。
特産品も無く、自給自足もできず、道路もない拠点の村では、何をどうしたところで、採算の合う事業をすぐさまできるワケではない。
オストマルク王国も王都などの復興で、大変な事になっており、支援金を出してくれるワケでもない。
開発事業に必要な資金については、まずは拠点の村の外で、自分達で稼いでくるようにしているのだ。