在庫管理が大切
『領地経営』でも、【在庫管理】は大切だ。
在庫は、持ちすぎても腐らせてしまう場合もあれば、不足すると士気に関わる。
食べ物などでは、賞味期限もあり、何もしなければ腐ってしまう。
だからと言って、食べ物が無ければ、不平不満が出てきてしまう。
在庫のあり過ぎは、場所を取ってしまい、整理・整頓ができにくくなる。
帳簿上からも、利益を生み出すことができないので、嫌われる部分でもあるのだ。
つまり、在庫はあっても大変で、在庫が無くても大変なモノなのである。
戦争でも、「重要なのはロジスティクスである」と言われている。
日本語で言えば、兵站となる。
補給ができなければ、戦争にならないのだ。
豊臣秀吉の家臣の石田三成が、この兵站であるロジスティクスの分野で有名となっている。
この石田三成は、米の準備から、兵の調達などの作戦を立てて管理するの上手いのだ。
作戦計画を立てただけで、兵を集めても、米などの食料が無ければ、人は動かすことができない。
米などの食料の在庫をしっかりと確保しておくことも重要となるのだ。
もちろん、現地調達で戦いをする軍隊もあるが、長期化して消耗戦となった場合、食料が無くなると、最終的には撤退をせざるを得なくなる。
無茶な侵略の場合、このロジスティクスの部分が軽視されていて、補給が出来ずに敗れてしまうのである。
関ケ原の戦いで、石田三成が敗れたのは、戦略や調略の為だと一般的には言われている。
しかし、実際は、カノン砲などの火力の強い武器を徳川家康が使っていたのだ。
カノン砲は、オランダ東インド会社の船であるリーフデ号に備え付けられていた西洋式大砲である。
石田三成は、一つ古いタイプのフランキ砲を使っていた。
強い武器をもっている軍が、正面から戦ったら勝ってしまうのも戦争でもある。
兵数が互角であっても、最新式の武器を使った方が、ボロ勝ちになってしまったのだ。
カノン砲は、フランキ砲の4倍近くの距離を飛び、射程範囲が違い過ぎたのだ。
石田三成は、オランダやイギリスなどの外国から、最新式の大砲を確保できていなかったことが、敗因とも言えるのである。
今回、ドワーフが増えたことで、ドワーフの歓迎会の時に、ビールの在庫が切れてしまった。
つまり、当初の想定が甘かったことになる。
たしかに、ドワーフは、酒飲みが多い。
しかし、『想定外の出来事でした』とスルーしていれば、問題の解決はできない。
トヨタ自動車のように、ジャスト・イン・タイム方式は優れているのだが、在庫を持っていなければ、この世界では、急な対応をすることができないのだ。
すぐに物質を調達できるようにしなければならないが、補給経路が確立していない。
「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」が、できるようになれば、この世界でも、ジャスト・イン・タイム方式を稼働させることができる。
これは、まだまだ先の話となるだろう。
そもそも、普通の道路ですら、建築中の村と近隣都市の間で開通していない。
ロジスティクスでは、兵站任務を円滑に遂行する作戦地域と兵站基地との交通上のつながりを維持するために、数理的、物性的、情報的な処理が求められる。
後方連絡線が必要となり、複数の基地や都市と、それらを相互に接続する道路、鉄道、水路、海路、空路などで構成されることになっている。
兵站には、物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれるのだ。
「戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る」という格言もある位なのだ。
これだと、一騎討ちなどの個人戦は、更に低く見られてしまうことになる。
ユニットにしても同じようなモノで、戦いが大きくなれば局地戦だけではなく、総力戦となってくるのだ。
今のチームには、戦略を練る事のできる人材については豊富である。
現場に落し込みをすることもでき、戦術を使用できる人材も豊富となっている。
つまり、戦うことは、得意なのだ。
ただし、ロジスティクスの観点からは、戦場を俯瞰的な目でみて、戦略展開だけでなく、物資の配給まで、できなければならないのだ。
今までは、オストマルク王国のトリスタンや数多くの臣下達が、このような裏方の仕事を黙々とこなしていたのだ。
そうなると、兵站のプロが必要となってくる。
このような、【在庫管理】であるロジスティクスを得意そうなのが、エルフという種族である。
今、勇者一行にも、女性のエルフであるヴェロニカがいる。
ひとまず、ヴェロニカにもロジスティクス的なことをしてもらうように仕事を振ってみよう。
様子を見て、ドクやショーティーなど他のドワーフにさせることもできる。
また、新しくエルフの勧誘ができれば、新しいエルフに引継ぐこともできるかもしれない。
一人で、仕事を抱え込んでも、キャパオーバーになるだけだ。
緊急の用件でも、重要ではないモノについては、他人に任せることもできる。
割り振れる仕事は、ドンドン下へ割り振ることをする。
秘書や執事も必要になってくるのかもしれない。