巨大地下ダンジョンのドワーフの長
最下層にいるドワーフのダンジョンの長に会いに、巨大地下ダンジョンに入っている。
サクサクと、次の階へと下って行き、最下層に到着した。
「久しぶりだけど、ずいぶん復興したなぁ。
グランピー(おこりんぼ)は、元気かなー? 」
私は、ワクワクしながら、ダンジョンをクリアーして行っていた。
「前回は、トラップが解除していたから良かったけど、ルークを連れて来ていないからトラップの解除で精一杯」
「お宝は、ルークがいないから、諦めておくワ」
「了解。わかった―」
メグミは、トラップのみをパタパタと解除して、最短で最下層に行けるように行動をしていた。
時間があれば、問題なく対応できるが、今重要なのは、ドワーフを勧誘することである。
「ジンと申す。一般的には、勇者で名が通っている。長のグランピーに会わせて欲しい」
すんなりと、最下層の居住エリアに到着し、警備隊員に、長のグランピーを呼んで欲しいと伝えたのだ。
「おおー。勇者様では、ございませんか。少々お待ちください」
応接間に通してもらい、長と話をする機会を得ることができた。
ダンジョン内のドワーフの長は、グランピー(おこりんぼ)と言う名前である。
その名前のまんま、グランピーは”おこりんぼ”なのだ。
本来は、おこりんぼで、ワガママなグランピーが、揉み手をしながら、長の間にやってきている。
「偉大なる勇者様。この巨大地下ダンジョンの危機を救っていただいたことについて、何とお礼を申して良いのかわかりません」
「すでに、大賢者であるメグミ様からの書状をいただき、我々ドワーフの雇用を考えておられるようですね」
「そこで、偉大なる勇者様の為に、優秀なドワーフを揃えております」
すでに、ドワーフの雇用の話を聞いており、巨大地下ダンジョンの中から、適任者を集めて準備をしてくれていたのだ。
そう言うと、男性4名のドワーフと女性3名のドワーフを連れて来た。
「ドク(先生)は、とても優秀なドワーフです。きっとお役に立てるはずです」
「ハッピー(ごきげん)は、建物を建てることもできます」
「パフィー(ふくれた)は、武器と防具の作成が得意です」
「ヒッキー(にきび)は、製品開発が得意です」
「ニフティ(おしゃれ)は、服の作成が得意です」
「ギャビー(おしゃべり)は、素材の現地調達もできるドワーフの料理人です」
「スイフト(すばやい)は、アイテムの作成や皮のナメシ、布の作成が得意です」
巨大地下ダンジョンのドワーフの長は、一名・一名説明をしてくれている。
この7人については、すぐに加入してもらえることが約束された。
ドワーフの予定人員の7割が揃ったことになる。
巨大地下ダンジョンのドワーフの長の対応によって、大部分の問題が解決している。
書状が届いてから、すぐに対応できる優秀なドワーフ達を準備してくれていたのだ。
さらに、鉱山の方のドワーフにも声をかけてくれているようだ。
自己紹介をした後、7名のドワーフはパーティーとして一行に加わってもらった。
怒りっぽい人は、仕事の段取りがいい人なのか、仕事が全然できないか、どちらかにわかれる。
グランピーは、仕事ができる方の怒りっぽいだったのだ。
スピード重視になるため、ノロノロしている人がダメなドワーフなのである。
目の前でノロノロなどのタイミングが悪い渋滞などが起こると、カッと怒ってしまっていたようだ。
今まで、ドワーフなどについて、しっかりと相手にしていなければ、グランピーも仲間のドワーフ達を送り出すことに反対をしたであろう。
でも、相手の窮地を救ってあげることなどをすれば、巡り巡って【運】を運んで来ることもある。
【運】についても、大切な場合もある。
世の中は、実力社会と思っていれば、痛い目に遭う。
結構、実力ではなく、【運】次第で、何とでもなることが多い。
そのため、運気を占うことも流行っているのが現状なのだ。
ちなみに、神社や初詣も、感謝を捧げ、願掛けすることが目的であり、災いを避ける意味もある。
そして、巨大地下ダンジョンのドワーフの長をしっかりとグリップして、何かあれば動いてもらえる人間関係を作っていたことが、今回の勝因となったのである。
このような、虫の良い話は、そうそうないことを知っておかなければ、大概は失敗をすることになってしまうのだろう。
ドワーフの国の村の長のような対応をされてしまうこともある。
【運】も大切だが、それだけではなく、日頃の人間関係も大切となるのだ。
「人間関係は、一朝一夕では、築くことはできないのだから・・」
『領地経営』では、【運】も必要だが、人間関係も大切となる。
人と人との繋がりは、【運】だけで、解決するワケではない。
どうしても、色々な所での【運】や、一期一会もあって、上手くいくモノとなる。
最後は、人で決まってしまうことも多い。
それまで、その人の行って来たことが、その場で最終的に評価されるのである。
ご都合主義では、そのような肝心の部分は端折られる。
ホノボノもいいかもしれないが、しっかりと現実を見ることも大切となる。