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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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商業都市国家ゼルトブルク

 商業都市国家ゼルトブルクは、この異世界の中で、一番栄えている都市と言っても過言ではない。


 イタリアのヴェニスのように人工的に埋め立てて造られた居住エリア、丘の上のコロシアムなどが栄えているギャンブルエリア、奴隷や交易商品で溢れている港湾の商業エリア、各国に輸出する船や製品やアイテムを造っている工業エリア、各国の富豪や貴族の別荘がある別荘エリア、各国の公式な会談をするため宮殿などの外交エリア、大自然の残っている豊かな観光エリア、商業都市国家の自給率を上げるための農業・漁業・牧畜エリア、各国のギルドを統括する機能を持つギルドエリア、国防のために兵士や傭兵などが常駐する軍事エリアなどがある。



 しっかりと区割りがされ、人口が100万人を超える一大商業都市国家なのだ。

 実は、植民地化されている自由都市もあり、実際の権力は計り知れない。


 オストマルク王国の貴族の1/4は、このゼルトブルクに買収されていると考えていいだろう。

 実際にカネの力が凄く、オストマルク王国の貧乏貴族は、だいたいこのゼルトブルクに借金をしているからだ。


 オストマルク王国自体も、魔王討伐の際の遠征費をゼルトブルクから国債を発行して賄っていることもある。

 そして、王都復興の為にも、多くの資金を捻出してもらっているのだ。


 西の帝国と言われているガリア帝国は、軍事力や政治力、経済力についても、ルドルフ皇国やオストマルク王国よりも強大になってしまっている。

 その為、商業都市国家ゼルトブルクは、ルドルフ皇国やオストマルク王国に対して、莫大な貸付けや、武器の輸出、人員や傭兵の派遣をしているのだ。

 さらに、ガリア帝国から優秀な人材の引き抜き、ガリア帝国の植民地の解放の手伝いをして、実質支配をしたりもしている。


 各国のバランスを均衡させることにより、より利益を出しているのである。



 武器をドンドン造って、弱い国に売却する。

 強い国にも、最新鋭の武器を売却する。

 その上で、双方を戦わせるように仕向けるのだ。


 つまり、【死の商人】としての裏側の顔もあるのだ。


 これは、マッチポンプと言われる手法であり、お互いをけしかけて、双方ともに武器を売り、倍儲けるのである。



 それだけでは、止まらない。

 もっと【闇】は、深い・・。


 香辛料貿易と見せかけて、麻薬の売買と人身売買と侵略の手伝いが盛んなのだ。


 昔、私の世界でも、麻薬であるアヘンを輸出して、戦争をした国もあった。

 国民全体をアヘン中毒にし、さらに借金漬けにして、そのまま国を乗っ取ったのだ。

 それらの国も奴隷を売買して、金儲けをしていたのだ。


 この辺りについては、ゼルトブルクも現在進行形で同様なことをしている。

 いろいろなギルドなどからも、恐ろしい情報が入ってくる。

 そもそも、ニンジャマスターのゲンゾウが子供の頃、このような奴隷貿易の結果として、東の国から、ゼルトブルクに連れてこられた過去があるからだ。


 最終的に侵略する帝国が、商業都市国家のゼルトブルクではなく、中央帝国のハートランドなのか、西の帝国のガリア帝国なのかの違いなのだ。


 つまり、裏ではゼルトブルクの組織が、虎視眈々と動いているのである。



 さらに、オストマルク王国の通貨の発行権も、ゼルトブルクが管理している。

 国が金貨を発行するのではなく、ゼルトブルクの管理している銀行が、金貨や銀貨や銅貨を発行しているのである。

 オストマルクの国債や市債などであっても、ゼルトブルクが全て関与している。

 オストマルク王国の金融関係については、全てゼルトブルクが抑えていると言っても過言ではない。

 すなわち、オストマルク王国は、半分は既に乗っ取られているとも言えるのだ。



 奴隷貿易は、ゼルトブルクの裏組織が暗躍している。

 安く仕入れた奴隷を、高額な金額で売りさばいているのだ。

 それは、どこかの国のことを思い出す。


 どこかの国は、アフリカなどで黒人を捕獲して、船に敷き詰めて、新大陸に奴隷として運んで行った。

 そして、たいがいの黒人は劣悪な船の環境で死んでしまい、優秀な黒人だけが何とか生き延びたと聞いている。

 さらに、黒人は、人間なんかではなく、サルであると規定していた時もあるようなのだ。

 また、黄色いサルなど、そのような差別が露骨に残っていると聞いている。

 そこに、もともと住んでいたインディアンを虐殺しておいて、自分達が新大陸を見つけたんだと言っていた狂った人達もいた。



 ジンの住んでいた日本でも、鉄砲を撃つために必要な火薬の原料である硝石を手に入れる為、何万もの女がキリスト教の国に売られたと聞いている。


 戦国大名が、我先にキリスト教へ改宗して、この硝石を手に入れるために、奴隷売買をしていたのだ。

 日本には、硝石が産出しないので、普通には手に入らず、海外から輸入するしかなかったのである。


 戦国時代については、他人のモノを盗み、奴隷貿易が盛んであり、戦国大名は暴力団のような組織だったのだ。

 そして、倭寇なんかについては、日本の海で、略奪行為や海賊行為をしていたのである。

 


 表の歴史と現実なんて、所詮は、こんなモノなのだ。

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