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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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ゼルトブルクのギルバルトの宝石店で

 商業都市国家ゼルトブルクのギルバルトの宝石店で、指輪を購入中に、色々と考えてしまった。


 商売については、奥が深い。


 『損して得取れ』のようなコトワザもある。


 この『損して得取れ』は、「一時的には損をしても、将来的に大きな利益になって返ってくるように考えよ」ということである。


 この言葉は、真理ではある。

 目先ばかりを見ていると、かえって大きな損をするといった戒めなのである。


 ただし、この『損して得取れ』は、顧客と売主が、対等の場合にのみ成り立つのだ。


 損してもいいからと、この通りに何でも、無料や格安などで対応をしていると、大変なことになる。

 安すぎでの対応は、お互いの対等についての関係を壊してしまう。

 命令的な関係になったり、依存的な関係になったりするからだ。

 つまり、隷属的な関係となれば、立場の上の方が、言いたい放題となる。

 顎で使ったり、奴隷のように使ったりするようになると最悪だ。


 ギルバルトも対等の関係として、宣伝や費用対効果として値段をまけてくれているのである。

 ウイン―ウインの関係になるのも、勝ち負けのバランスが大切なのだ。

 一方だけが儲かるのは商売としては、失敗なのである。


 ギルバルトの店は、一回の取引で、大量に買い付けをしており、基本の仕入れ値よりも大幅にディスカウントされて仕入れをしている可能性もある。

 これは、【鑑定スキル】ではわからないことだ。



 なんでもかんでも、安売りをしてしまうと、商売として成り立たない。

 単なるボランティアとなる場合もあるのだ。

 困るのが、「ボランティアをして当然だ」と自分の意見を言ってくる人もいることである。

 相手のことを無視して、自分の利益のことばかりを言う。


 デフレに慣れてしまうと、このような当たり前のこともわからなくなる。

 さらに、モラルも崩壊してしまってしまう人もいる。




 『領地経営』では、商売は切っても切外せない。

 領民の営みでは、必ず商売が入ってくるからだ。

 無茶を言えば、道理が引っ込むでは、商売も『領地経営』もできない。

 力で捻じ曲げると、最終的には力でねじ返される。



 商売では、近江商人おうみしょうにんの『三方さんぽうよし』が良いと言われている。


・買い手よし

・売り手よし

・世間よし


 この三方が良いことが、一番良い状態とされているのである。


 ここから考えると、買い手だけが得をしてもダメだし、売り手だけが得をしてもだめ。

 さらに、世間まで含めて、良くなければならないので、相当ハードルが高くなる。


 昨今のグローバル経済では、利益優先主義が跋扈しているが、その考え方自体が間違っていると言っていいのかもしれない。

 何が一番正しいかは、わからないが・・。




◇◆◇◆◇




 対等の関係と言えば、別の問題もある。

 人間関係は、常に対等の関係でなれれば、その関係はいずれ破綻をしてしまう。


 メグミとの指輪購入の約束で、色々なことを考えている。


 約束を守らなければ、恨みを持たれて、倍返しされる・・。

 何でもハイハイと言っていて、実際に行動をしない人は、確実に嫌われてしまう。

 一回や二回は誤魔化せるかもしれないが、何回も続けば気付かれてしまうのだ。

 それは、どこの世の中でも一緒である。

 

 気を付けなければならないことは、男と女は、異なる人種位の差があることだ。

 それは、過去のことを含めて、倍返しされてしまうからだ。


 女は、怒りだしたら、過去のことまでひっぱり出して文句を言う。

 このことは、どうも男と女の脳みその違いからでてきていると聞いている。

 それならば、怒り出す前に、先回りをして対応することが、大人の対応なのだ。



 この世界では、ハーレムを考えている人もいるが、実際に何人もの女の対応をしていると、余程女好きでなければ、気が狂いそうになるだろう。

 一人の女のワガママを対応するのも苦労するのに・・。

 ハーレムでは、ハーレムで囲っている女全員を等しく愛さなければならないからだ。



 一夫多妻制のアラブの石油王など話では、何曜日と何曜日が第一夫人、何曜日と何曜日が第二夫人、何曜日と何曜日が第三夫人とスケジュールまでビッチリと決められている話を聞いた。

 余程、マメな男でなければ、色々と大変なことになりそうだ。


「よくやれるよな・・」



 

 そんなことを考えていると、何か他にもやらなければならないこともあるような気がしてきた。


「あれっ・・。何か忘れていないか・・」


 でも、その何かは出てこなかった。


「えーと。何だったかな?」


 その何かを確かめるような推理【スキル】が無いかステータスを確認していた。

 しかし、そんな推理【スキル】なんて持っていない。

 もちろん、メグミの心の中を読むことのできるような【スキル】も持っていなかったのだ。


 手のひらの上で泳がせているつもりが、微妙に「こちらが泳がされているのではないか?」と感じてきている。


「もしかして、メグミには、こちらの心の中を読める【スキル】があるのか?」


 謎が謎を呼ぶ・・。

 冷や汗をかいているのは、そんなことを考えていたからだ。

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