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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
22/90

ゼルトブルクでの指輪の購入

 商業都市国家のゼルトブルクに【テレポート】でやって来た。


 お目当ては、メグミの気に入る指輪を購入することだ。


「さあ、着いたよ」


「そうね。お邪魔するワ♪ルンルンルン♪」


 宝石商に店に着くと、メグミが凄く嬉しそうにしている。


「良かった。機嫌が直りそうだ」


「嬉しいナ♪嬉しいナ♪」


 すでに、なじみの宝石商の店に入っている。

 宝石商の主は、残念ながら留守のようだ。

 なじみの宝石商の店に来たのは、ボッタくりをされない為だ。


 宝石はピンからキリまである。

 【鑑定スキル】を使って指輪を見れば、その価値や加護までわかってしまうのだ。

 ゼルトブルクの他の宝石店では、一見客には吹っかけて、宝石や指輪を販売するのだ。

 価値評価の3倍の値段や4倍の値段の店もザラにある。

 ボッタくりをしない優良店ほど、一見さんをお断りしているのだ。


「うーん。ちょっと違うかナ」


 色々なショーケースの指輪を見ているが、次々と違うショーケースを見ている。

 どうも、ショーケースには、なかなか気に入る指輪が無いようだ。


「すみませーン」

「魔法が付与されている指輪はありますか?」


 メグミが、店員に何かを相談している。

 すると、店舗の奥から、店員は見たことのない指輪を持ってきた。


「貴重な指輪ですので、ショーケスには入れておりません。ちょっと持ってまいりますので、お待ちください」


 宝石商の店員は、大事そうに、その指輪を扱っている。

 そして、その指輪の説明をしだしたのだ。


「こちらになります。名前は【聖印せいいんのゆびわ】です」


 それは、『聖印のゆびわ』と言われる指輪だった。


「宗教都市国家のテーベでつくられている、貴重な指輪となります。この指輪の特徴は、即死攻撃を無効化できる付与魔法が施されていることです。そのため、お値段も高くなります」


 こちらも【鑑定スキル】を発動させて、確認すると、言われた通り、即死攻撃を無効化できることもある指輪だったのだ。


「あら。ヤダー。いいワー。とてもいいワー」


「こちらの指輪ですと、金貨20枚となります」


 この世界の金貨20枚を日本円で換算すると約2,000万円だ。

 やっぱり相当な値段がする。


 【鑑定スキル】で見てみても、ゼルトブルクで販売をするには、妥当な値段であるように見える。

 商品の値段には、原材料費・サービス費・付加価値と必要経費と店舗の利益が乗っかるからだ。


「二つ購入したら、お安くならないかしラ」


 メグミが笑顔で応戦する。

 おいおいと思いながら、見ていると【交渉スキル】を発動させていることがわかった。


「困りましたね。値段の交渉は、私の権限では出来かねるのですが・・」


「えーと。えーと。うーんト」





「金貨36枚ならいいですよ」


 振り返ると、この店の主、宝石商のギルバルトがニコニコしている。

 ずんぐりむっくりとした体形だが、立派な商売人だ。

 この宝石商の商品や店などのファンも多い。



「偉大なる勇者様・賢者様のお役に立てるならば、その金額で販売させていただきます」



 この店の仕入れ値は、指輪一つ金貨17枚となっており、1割7分6厘位乗せているように思える。

 日本であっても、仕入れ値の2~3割上乗せして販売をするのが普通である。

 商売だから、人件費や店舗代などのコストもかかってくるからだ。

 ボッタくりの店ならば、これと同じ指輪が一つ当たり、金貨50~60枚を請求されるようなこともある。

 ギルバルトの店の上乗せ比率は、こちらの世界での場合は、非常に良心的とも言える金額なのだ。


 売値である金貨20枚から2枚引くと金貨18枚。

 最終販売価格である金貨18枚から、仕入れの金貨17枚を引くと1枚残る。


 『聖印のゆびわ』を二つ指輪の購入するのならば、金貨2枚分、すなわち約200万円の利益が出る。

 大きな取引となるで、必要経費を多めに考えても、マイナスにはならないだろう。

 それならば、適正価格ではないが、色々と考えて、良しと踏んだのだろう。


 相手はこちらが、大勇者と大賢者であることも知っている。

 大勇者と大賢者の贔屓の店であることは、効果的な宣伝活動になるのだ。


 商売上手なので、宣伝費込みのウイン―ウインでの対応をしてくれているのだ。

 こちらとしては、店の定価から約400万円の特別値引きをしてもらっている。



「では、この『聖印のゆびわ』を二つください」


 ここは、ギルバルトの好意に甘えることにする。


「いつも、ご贔屓にしていただき、ありがとうございます」



「ヤッター」


 メグミが喜んでいる。


「じゃぁ、これを結婚指輪にしましょウ」


 そうだった。結婚をしているのに、結婚指輪の交換もしていなかったのだ。

 今までカッコいいことを言っていたが、急に背中に冷や汗が出てきた。


 さらに、強引にまけさせ過ぎたかもしれないので、また何か宝石などを購入する時は、ココで購入しようと思った。

 今日は、ギルバルトが居てくれてラッキーだった。


「ありがとう。また来るよ」


 お礼を言った後、さっさと会計を済ませて、宝石商の店を出ることにした。

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