ヴィエラ山脈の麓の村での臨時会議
ヴィエラ山脈の麓の村で、臨時の会議をすることになった。
滝の麓にいるアルフォンスとヴェロニカを麓の村まで連れて来ている。
先発メンバー5人も、やっと全員揃った。
(先発隊の隊長のアルフォンス、エルフのヴェロニカ、ニンジャマスターのゲンゾウ、トレジャーハンターのルーク)
視察メンバーは、伯爵の称号もある私、大賢者のメグミ、参謀のウォーレンだ。
もちろんユニコーンやグリフォンなどの野獣は、獣舎に停めている。
伯爵の称号は、王都奪還の恩賞が足らないと、トリスタン王が与えてくれていたのだ。
本来ならば、男爵の称号位が妥当なのかもしれないが、辺境地への移転なので、左遷と見られないように気を使ってくれたようだ。
オストマルク王国の貴族用の対策をしておかなければならない理由もあったからだ。
オストマルク王国では、流石に伯爵の地位にあると、貴族連中から正面から無理難題を言われることは少なくなる。
大臣などの圧力を使っての、政略結婚などについて、無理難題は無くなった。
逆に、伯爵の地位にあるような身分の高い貴族も少ないので、向こうからドンドン挨拶に来られて邪魔になる場合もある位だった。
細々としたバカらしい嫌がらせについては、王都では多かったのである。
「知っているかもしれないが、ランスロットとランドルフは、王都で留守番をしている」
「トリスタンの妹のアイーシャが、ランスロットに求婚して、トラブルになり集合時間に来れなかった」
「すでに対策をしているので、今すぐ連れてきても問題はないはずだが、念のための処置だ」
「もし、王都でやり残していることで、彼らが代わりにやれるようなことがあれば、後でもいいから教えて欲しい」
「それでは、ヴィエラ山脈の麓の村での会議を開始する」
「ヴィエラ山脈の近くでは、お宝の反応は出てないよー」
「あっても、使い古したボロボロの錆びた武器だったしね。ケッケッケ」
開口一番、ルークが伝えてきた。
ヴィエラ山脈の近郊では、ダンジョンやお宝などは無さそうだ。
お宝として出てきても、ボロボロの武器や、錆びて使用することのできないクズばかりなのだ。
トレジャーハンターのルークが言うことなので、間違いはない。
このあたりについては、非常に残念である。
「飲み水は、豊富にあるが、食糧が心もとないんじゃないかな」
フィガロが、正直な感想を伝えている。
飲み水は豊富にあるが、村人やゴブリンなどを合わせると、食糧などについては、少々心もとないようだ。
「ゴブリンは草でも食っとけ」と心の中で思ったが、口には出していない。
虐待することが趣味のドSではないからだ。
「やはり、ゴブリンは問題となってきそうだな。他はどうだ?」
「麓の外には、空家ばかりで、あまり人が住んでござらん」
「10人も住んでいないかもしれませぬ」
ゲンゾウが、断言している。
近隣には、人もパラパラと住んでいるが、元々100人いたのかも怪しい様子。
実際に、空家も多くなっているようだ。
「ゴブリンを捕まえたけど、近くにも、まだまだいそうだね。ケッケッケ」
ルークは、ゴブリンの気配を感じているようだった。
他のグループのゴブリンもいるが、暴れていたゴブリンがとっ捕まったこともあり、遠くへ逃げ出しているようでもある。
「近くでは、ゴブリン以外にも、キツネのような人間、タヌキのような人間、イヌのような人間、ウサギのような人間を見かけたでござる」
「だが、攻撃の姿勢を見せてこなかったので、様子見をしているでござる」
ゲンゾウが言っている。
また、亜人であるキツネ人、タヌキ人、ネコ人、イヌ人、ウサギ人もポツポツ目撃されているようだ。
ただし、暴れていたゴブリンとは違い、攻撃をしてこなかったので捕獲はされていない。
モフモフ好きなら、真っ先に亜人を捕獲していただろうか。
私は、別にモフモフの亜人ハーレムが好きなワケではない。
◇◆◇◆◇
鹿や猪が生息し、牛や馬や羊や豚の牧畜も可能。
魚は、ヤマメや鮎やニジマスやウナギやナマズもいるようだ。
鉱石については、情報も少なく発見することはできていないようだ。
ただし、岩塩が出る場所もあるようだ。
木材、薬草、キノコ、花、ハーブ、岩塩、石、岩
毛皮、肉、牙、爪、魚
村では、小麦やジャガイモやトウモロコシや果物を栽培しているようだ。
牛や馬や羊や豚や鶏もいる。
昔の国境の砦まで、食糧や材料などを何日もかけて取りに行ったりしているようなのだ。
<問題を列挙する>
・麓の村が壊れそうな程、ボロボロであること
・本拠地の村を何処にするか決めること
・今後の経営方針をどうするか決めること
・村人をどのようにするか決めること
・地図が間違っていないかの現地確認
・奴隷のゴブリンの対応方法
まずは、これらのことについての方針を決めなければならないだろう。
これらの問題は、手つかずの状態で、山積みとなっている。
問題解決については、優先順位をつけて、ひとつひとつ対応をしなければならないのだ。




