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領地経営クエスト  作者: 小説クエスト
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緊急で重要なこと

 『領地経営』で重要な事は、優先順位をつけることだ。


 この優先順位をつけるには、色々な方法がある。


 ひとつ簡単な方法がある。

 縦軸に、緊急性が高いかどうか。

 横軸に、重要性かあるかどうか。

 この二つの軸を使って、ひとつひとつを分類するとわかりやすい。


 自分自身のやるべきことが、簡単に見えてくる。


 もちろん、重要で緊急のことが、最優先となる。

 次に大切なのは、重要であるが、緊急ではないことなのである。

 この部分については、考え方が様々あり、難しくなる。

 重要ではないが、緊急のことを、本当に自分自身がやらなければならないか、見直すことが大切となるからだ。




 オストマルク王国でも、日本でも、緊急で重要なことの優先度が高いことは一緒だ。

 逆に、重要でもなくて、緊急でもないことをしていると、時間の無駄と呼ばれる場合もある。


 どうしても、色々な案件が入ってくる。

 些細なことや、重要ではない緊急なことなどもある。

 暇つぶしやクレームなど、本当に色々だ。


 クエストは、依頼だとか、支援だとか、案件とか、追求や探索など色々な意味もある。

 ギルドから条件を張り出されるのが、クエストと呼ばれる場合もあるのだ。


 冒険者だった時、依頼のクエストを請けた際なんかは、本当に酷い時も多かった。

 自分達でもこんなこと位できるよネってことまで依頼するからだ。

 ペット探しや掃除・洗濯、お使いなど。

 討伐や警護や護衛などだけでは無いのだ。


 優秀なギルドの場合は、ピンからキリまで、よくクエストをこなしていたモノだと感心する。



 一日が24時間であることも、オストマルク王国でも同じだ。

 ちなみに、1年も365日である。



 ヴィエラ山脈の辺境地も重要な案件ではあるが、すべて解決するには、相当な時間がかかってしまう。

 もちろん、このことに対する優先順位は高い。

「領地経営は、一日にしてならず」

 パッと解決できるような、簡単な問題ではないのである。

 どうしても一つ一つの問題を解決して、一段・一段、階段を上がって行くしかない。

 領地経営は、長期決戦なのだ。



 オストマルク王国の王都にいる間に、片付けておかなければならない問題を見返してみる。

 あれも残っていたり、これも残っていたりとする。

 そういったことを一つ一つ紙に書いて列挙する。



「やっぱり、アイーシャとランスロットの件かー」

 大きな声でつぶやいてしまった。



 一番重要で緊急の案件は、これだった。

 この問題を片付けておかないと、後で大変なことが起こる気がしていた。


 トリスタン王の妹であるアイーシャは、キレイで可愛らしい17歳の女の子である。

 トリスタン王とは20歳も年齢が離れているが、それは母親が違うからだ。


 こちらの世界では、一夫多妻制が普通なので、貴族連中の数も当然多くなる。

 子供が多くなればなるほど、財産が目減りして、貧乏貴族に落ちぶれてしまうことも多いのだが、これはまた別の話。


 貴族連中にも、色々な派閥があり、はっきり言って邪魔くさいのだ。



 ランスロットがアイーシャに気に入られたのは、襲ってきた魔物を目の前でやっつけたからだ。

 シチュエーション的に冒険世界あるあるで、仕方のないことなのかもしれない。

 王都が奪われていたこともあり、力強い男に憧れがあるのも頷ける。

 宮廷では、ナヨナヨっとしたモヤシのような貴族達が多いのも事実だからだ。


 ランスロットも、見た目こそチャラチャラした派手さはないかもしれないが、その辺のナヨナヨした男ではなく、もの静かではあるが、ドッシリした感じの男なのである。

 それも、勇者一行のパーティーであり、優秀な前衛のシールダーであり、鉄壁の盾なのである。



 困っているところを見て、妻のメグミが切り出した。


「お困りのようネ」


 実際に困っていたから、即答をした。


「そうなんだ」

「ランスロットとアイーシャの件を、どうすればいいか難しくて・・」


「そうかもしれないわネ」


 そこから、しばらくメグミと話し合いをした。


「ランスロットは、アイーシャをどう思っているのかしラ?聞いてみる必要があるんじゃないかしラ」

「そして、トリスタンとラウニーに手助けしてもらいましょうヨ」



 妻のメグミの意見はこうだ。

 ランスロットの気持ちはどうなのか、確かめるべき。

 トリスタン王とトリスタンの妻である、ラウニー王妃に手助けしてもらえないかということだった。




 ラウニー王妃は、第一回の魔王討伐の同行メンバーだ。

 盛大な結婚式にも招待されたので、お互いによく知っている。


 結婚してから、夫のトリスタンが王になったので、大変なことになっていることまで知っている。

 子供を2人授かって嬉しいのだが、宮廷は堅苦しくて嫌なようだ。

 王妃なので、国の行事に出席することが多くなり、プライベートの時間や育児の時間が取れなくなったとボヤいていたことを妻のメグミから聞いている。

 そして、家臣から、トリスタン王が拒否している、側室許可の嘆願が来ていることも聞いている。



「女の気持ちは、女でしか分からないモノだからな・・」


 自分で言っておいて、妙に納得してしまった。


 男女関係は、その時はわかったつもりになるが、ドンドン別々の方向に進んでしまう。

 結局は、脳みその違いもあり、男女は分かり合えないモノなのかもしれない。


「こればかりは、どうしようもないかもしれないな・・」



 まずは、ランスロットに確認をしてみよう。

 そして、ラウニー王妃にも、協力してもらうことになるだろう。

 最悪は、トリスタン王からピシャリと言ってもらい解決する方法もある。



 すでに、トリスタン王には、伝書鳩で報告もしているのだ。


 私としては、ランスロットがアイーシャの求婚を承諾していないので、嫌な予感は漂っているが・・。

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