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5話 メンズの茶会 後編

前回の続きです。本編での裏話。


こんなやり取りがあったとかなかったとか……w

 彼らの元にやってきたのは、ラーデルス王国の騎士団長のラスティグ。黒い騎士服に身を包み、颯爽とやってくる。若くしてすでに騎士団長としての威厳に溢れ、漆黒の黒髪と珍しい金色の瞳が、美麗な顔立ちを引き立てていた。


 先ほどまでアトレーユに夢中になっていた令嬢達も、ラスティグ騎士団長の登場に、黄色い声を上げている。


(おい、すごいぞアイツ。俺らみたいに空気じゃない!ちゃんと女子に男として認識されている!!)


(おおぉぉぉぉ!快挙だ!何者っ?!あ、確かにイケメン!!)


 アトス、セレス兄弟が驚きを隠せずに見守る中、ラスティグ騎士団長はキャルメ王女のご機嫌伺いをしているようだ。


 対するキャルメは、隣国へやってきてからというもの、国王への謁見も叶わず、婚約者候補のノルアード王太子にも放っておかれている状況なので、少々不満気味だ。蜂蜜のように蕩ける笑顔で嫌味を包んで、騎士団長へとぶつけている。


(あら~王女様だいぶご機嫌斜めだな)


(まぁ今まで放っておいたあっちが悪いだろ。こっちはわざわざ隣国まできているんだからさ)


 王女の機嫌がさらに悪くなる前に、アトレーユがキャルメ王女とラスティグ騎士団長の間に入ったようだ。騎士団長の視線をアトレーユが一手に引き受ける。見つめ合う二人の美麗な騎士、アトレーユとラスティグ。


 令嬢の一人が何やら身を捩り、悶え始めた。男同士が見つめ合う姿に、どうやらいけない妄想をしているようだ。


(……やばい。なんかいけない世界を見ている気がする……)


(うん……俺もだ。男同士に見えてもやはり隊長。男の姿でも美しい……)


(……隊長が美しいのは認める……俺も目覚めかけたし)


((えっ?!))


(……なっ、なんでもない!)


 護衛達のひそひそ話をよそに、見た目男の男装騎士と、正真正銘の男である騎士団長が、じっとお互いを見つめ合う。



挿絵(By みてみん)

※注:周囲の妄想であり実際のポーズとは異なります(笑)



 その耽美な光景に護衛隊3人衆の前に、いけない世界の扉が開きかけていた。


 その時、ついに堪え切れなくなったキャルメ王女がコロコロと笑いながら見つめ合う二人に告げる。


「そんなに熱く見つめあっては、いけない関係と思われてしまってよ?私も嫉妬してしまうわ」


「えっ!?」


 慌てたのは黒衣の騎士ラスティグである。顔を赤くして、あたふたと言い訳をしはじめた。


「いや、そんなつもりは…。あまりに美しいのでつい見惚れていたというか、いやいやそういうわけではなくて!」


 男同士で愛を交わしているという誤解を生じてしまったとわかり、ラスティグは必死に弁明した。そんなラスティグに対して、アトレーユは凍てつく視線を向けている。


「わたしは男から見惚れられても嬉しくはありませんが。そういうことは別の方へお願いします。そのような嗜好はございませんので」


 丁寧な言葉遣いではあるが、その言葉の温度は絶対零度の冷たさである。


(でた!隊長お得意のブリザード!絶対零度の貴公子!カッコいい~♪)


 セレスが嬉しそうにアトレーユの言動の解説をしている。


(あぁ~……あの紫の凍てつく瞳で蔑まれるの、堪らないんだよなぁ……いろいろゾクゾクしちゃう)


 アトスに至っては謎の嗜好を暴露し始めた。


(……いや、アトスそれはちょっと……)


 ガノンはアトスの性癖に若干引いているようである。


 そんな彼等の様子に気が付くことなく、王女達のテーブルではいまだラスティグ騎士団長があたふたと言い訳をしていた。


「いや!誤解だ!別に貴殿を好いているといわけでは…いや、違う、嫌っているという意味でもなくてって、あぁ!なんて言えばいいんだ…」


必死に誤解を解こうとしているラスティグに、隊長が女性であることを知っている護衛隊はついに笑いを堪え切れずに噴き出してしまった。


「ぶはっ……!」


「くっ……息がっ……」


「ひぃひぃふぅ~……呼吸困難なるわ!」


 アトレーユの冷たい視線が今度は彼等に突き刺さるが、笑いすぎてわかっていないようだ。

 可哀そうなラスティグに対してガノンが助け舟を出してやる。


「隊長は美しいお方ですからね。無理もありません。男でも女でも虜にしてしまわれる、恐ろしいお方です」


「おかげで我々は女性からは見向きもされないので、うちの隊は独身者ばかりですよ」


 セレスも援護射撃とばかりに、便乗してアトレーユへ対する不満をさり気に言っている。そんな彼等護衛隊の発言に、ようやく令嬢たちの視線が彼等の方へと向いた。


「そうはいっても、王女殿下の護衛の方々は皆、見目麗しい方々ばかりですね」


「王女殿下の護衛になるには、見た目がよくないといけないのですか?」


 興味津々な様子で護衛達へ視線をむける令嬢たち。


(うわ!マジか!俺ら女子に認識された!初めて!!)


(や、ヤバイ!ここから恋のメモリーが始まっちゃうのか?!)


「やぁ、見目の良さなどと、そういうわけでは…」


 赤髪のガノンも満更ではなく、つい心の声が口にでてしまった。しかしそれは命取りの行為に他ならない。ついに凍てつくブリザードの殺気が、護衛隊三人衆に向けて発せられてしまった。ようやくそれに気が付いたガノンも、必死で弁明を始める。 


「も、もちろん、腕の立つ者が選ばれております!我が国で最も優れた剣術、馬術の使い手のみが、王族の方々の護衛に任ぜられますので…決して見た目だけということではございません!決して!」


 しかし時すでに遅し。悪魔のように冷酷な笑みが彼等へと向けられる。


「我が隊が見た目だけの軟弱者ではないと証明するために、後程厳しい鍛練が必要のようですね」


 その凍てつくようなセリフと笑顔に、護衛達は震えあがり皆顔を引きつらせている。アトレーユ隊長の訓練は、鬼のしごきと称され凄まじく厳しいので有名である。これから行われるであろう恐ろしい訓練に、彼らは気絶しそうなくらい縮み上がっていた。


 そんなロヴァンスの面々をポカンとして見ていたラスティグは、やっと自分の来た目的を思い出したように、王女に告げた。


「ところで本日は城内を案内しようと思いますが、いかがなさいますか?」


 いままで忘れていたことを申し訳なさそうにしながら、提案してきた。護衛達は話がそれたので助かったと、安堵の表情を浮かべる。


「まぁ、面白そうですね。どこを案内してもらおうかしら?アトレーユはどう思う?」


「そうですね…私が興味あるのは、兵の鍛練場でしょうか?この国がどのように兵を鍛練しているか、ご教授願いたい。」


 そんな隊長の言葉に、護衛達はひぃっと顔を青くするのであった。

ご覧いただきありがとうございました(*^-^*)


見つめ合う騎士と男装騎士。ちょっとBLチックな雰囲気を醸し出しているのがポイントでした☆


イラストもアトレーユは美しい男性に見えるように描いてます。


イケナイ世界の扉……開いちゃいましたか?(。-`ω-)

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