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4話 メンズの茶会 前編

『薔薇騎士物語』本編の1章3話 【王女と令嬢達】 の回の、護衛隊3人衆目線です☆


……オチは特にないですw


挿絵だけサービスショット★


 ロヴァンス王国の一行がラーデルス王国へと来てから数日後。特にすることもないので、許可を取ってラーデルス城の庭園でお茶をすることになった。


 丁度花の季節なので、庭園には色とりどりの花が咲き乱れており、見る者を楽しませていた。丸いテーブルに真っ白なクロスをかけ、侍女達が香りの良いお茶と、美味しそうなお菓子を用意する。


 特に客人もいないのでキャルメ王女の話し相手は、もっぱら護衛騎士隊長で王女の従妹のティアンナことアトレーユである。彼女達は優雅にお茶をのみ、庭園の花々を眺めては楽しそうにおしゃべりをして時を過ごしていた。


 そんな午後のひと時、どこから聞きつけてきたのか、ラーデルス王国の貴族のご令嬢達がやってきた。


「ロヴァンスの姫君という方にお会いしたいのだけど」


 彼女達は自国の王太子の婚約者候補として来ている隣国のキャルメ王女を、敵対視しており、王女の人となりを見るためにやってきたようだ。


「あら、こちらが件の王女様ですか?田舎騎士たちと一緒にいるどこの庶民かと思いましたわ」


 令嬢達は登場してすぐにあからさまな嫌味をキャルメ王女に言い始める。しかし見目麗しいアトレーユが色気たっぷりに彼女達に応対した。


 「私は王女の護衛隊長を務めております、アトレーユ・ポワーグシャーと申します。以後お見知りおきを」


 優雅に礼をとる美貌の騎士に、令嬢たちは一瞬ひるんだ。田舎者と揶揄した騎士があまりに美しいので、目をこぼさんばかりに、アトレーユを凝視している。そのすきを見逃さず、アトレーユは続けざまに言った。


「王女が一緒にお茶をどうかと仰せられております。このように美しいお嬢様方と、素晴らしい時間を過ごせるかと思うと、私共も嬉しく存じます」


 澄んだ紫色の瞳で見つめられ、絶世の美男子に極上の笑顔で、美しいと言われて、令嬢たちの敵意は、すぐさま霧散してしまったようだ。


 結局令嬢達はアトレーユ目当てに王女とお茶をすることとなり、今はテーブルについておしゃべりに勤しんでいる。


 アトレーユの虜となった令嬢達は、騎士が女性であるとも気づかずに、気を引こうと必死である。


 そんな令嬢達の思惑を知ってか知らずか、アトレーユは、彼女達を楽しませようと会話を弾ませている。どうやらキャルメ王女の指示で、令嬢達から隣国の情報を得る作戦のようだ。



 その様子を見ていた護衛3人衆、赤髪のガノン、くすんだ金髪のアトス、セレス兄弟は、ひそひそとこの茶会について話していた。


「見たか?いまの隊長のテクニック……よっぽど俺たちよりもモテ技極めているよな?剣の腕前よりもあっちの腕前を磨いているのか?あの人……」


「じっと相手の目をみつめて、完璧な紳士としてのふるまい。いや~さすが公爵家のおぼっちゃまは違っていらっしゃる」


「あれでも隊長は女だけどな。公爵家の御令嬢だからな一応」


 セレスの冗談にガノンが真顔でツッコむ。


「そうだけどさ~、あそこまで完璧な女子の理想の男をやられちゃったら、俺ら太刀打ちできないよな?見ろよ、デレデレの彼女達。俺らなんて見えていないみたいだぜ?空気!隊長と一緒にいたら、女子にとって俺らの存在は空気なの(泣)!」


アトスが半分涙目になってブツブツと呟いている。


「俺たちに隊長の優雅さのほんの少しでもあればいいだけどねぇ……まぁ無理だわな。所詮ムサイだけよ、とほほ……。ガノン!お前なんか国境警備時代からアトレーユ隊長と一緒なんだろ?ずっと一緒にいて辛くない?女の子に見向きもされなかっただろ?」


 セレスが思い出したかのようにガノンへと聞いた。


 キャルメ王女の護衛隊に入るまでは、アトレーユとガノンは、国境警備の任についていた。二人はその頃からの付き合いだ。


「いや……別に、特に気にしたことはないけど……」


「っかぁ~!やっぱお前隊長のこと好きなんだろ?顔に書いてあるぞ!純朴なガノン少年は、同僚のアトレーユ少年に青い恋をしていたわけだ!うっへっへぇ」


 セレスが思いっきりゲスい顔をしてガノンを揶揄う。


「んなっ!何を根拠に……」


「どうせお前のことだから、隊長が女だって気が付かずにへまやらかしたんだろ?なんだ?裸でも見たか?それとも触ったのか?この変態っ!不潔っ!」


「ぐ……」


 アトスとセレスに責められて、ガノンは顔を真っ赤にして顔を背けた。耳まで真っ赤である。


(やべーまじだわこいつ……隊長と何があったんだ……)


(信じらんねー隊長の裸見たとかマジ許せん。死ね)


挿絵(By みてみん)



 兄弟はガノンをじとーっと白い目で見た。しかしガノンはそれ以上は何も言わず、だらだらと汗を流すのみだ。その様子をみてアトスとセレスはさらにひそひそと内緒話に興じていた。


 そんな風におしゃべりに夢中になっていると、王城の方から誰かがやってきたようだ。3人はすぐに護衛モードに切り替えてキリリと表情を引き締めた。


お読みいただきありがとうございました( *´艸`)


特にオチがなく続くっていうw


この挿絵のアトレーユさん、最初はキャミを着てなくて、薔薇の花を散らして隠す感じだったのですが、シースルーのランジュリーを着させたほうがセクシーかと思ってこちらにしましたw


……スッケスケですねw


本人がこんな下着を着ているかは甚だ謎ですが、これはあくまでも三人衆のイメージ画像ってことでw(助平な男どもですねぇwやれやれ)

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