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第78話:救出部隊出撃!

 皆がそれぞれの配置に着いてから、冒険者さん達の部隊が門から飛び出して行った。

 あとはリリーがタイミングよくバリアを部分解除して、敵を釣るだけ。


 どうしてこんな作戦が咄嗟に浮かんできたのかな?

 ラグルさんのヒントもあったけど、1番大きな要因は、ファンタジー小説を読んでたことかも。

 その小説の中で、同じような展開があったんだよね。

 そうだよ! 私は経験がないだけで、知識だけはあるんだよ!


「サクヤ様。創作と現実は間違えないように。クックック」

「あ……うん」




 作戦開始から15分後、冒険者さん達が門から中に駆け込んできた。

 その後ろから、ゴブリン、リザードマン、オークといった魔物が30匹くらい後を追ってバリアの中に入り込んで来た。

 

「思ってたより少ないね?」

「ふむ……。外は街の廃墟で瓦礫が多いですし、魔物達も瓦礫に邪魔されてこちらを確認できないのでしょう。なによりも、相手には魔族もいますからね。魔物たちが集まるまで粘って魔族まで来てしまうよりは、適度に切り上げて回数をこなしたほうがいいでしょうね」

「あ、そっか。魔族がいたんだったね」


 ラグルさんを瀕死にまで追い込んだ魔族。

 それ以降、姿を見せないみたいだけど、この戦場に居たら危険だね。

 絶対にバリアの中に入れないようにしないと。

 今は目の前のことに集中しよう!


「イザベラちゃん! 魔導師隊の皆! 頑張って!」


 壁役の重騎士さん達の脇を冒険者さん達がすり抜けて、重騎士さん達が大きな盾で魔物達の進行を抑えたところでエールを発動させた。


「ファイアウォール!」

「バーニングバースト!」

「イグニッション!」


 皆が今唱えられる最高の範囲攻撃魔法を放った。

 イザベラちゃんだけは少し劣る魔法だけど、イザベラちゃんの最高位魔法はインフェルノ。

 そんなの唱えたら、魔物たちだけじゃなくて、重騎士さん達まで昇天しちゃうよね。仕方ないね。


 ド~~~ン! と地響きが鳴り響いて。

 これで入ってきた魔物達を殲滅できたかな?


「お~い! 重騎士達も吹き飛んだぞ!」

「威力が高すぎる!」


 あれ~? 打ち合わせ通り、そんな威力高い魔法は使ってないはずだけど……。


「お姉様! エールで威力と範囲が爆発的に高くなっていますわ!」

「「「禁止! エール禁止!」」」

「あ……ごめん」


 エールで威力と範囲が一段階アップしちゃってた!

 重騎士さん達の耐久力は高くて負傷だけで済んだけど、大ホールに戻って回復薬で治療ということで、作戦は一旦小休止することになった。

 その後、態勢を整えて作戦再開。

 私のエールは、魔導師さん達よりも壁役の重騎士さん達に掛けるようにしたよ。




 数回作戦を繰り返したところで、敵が釣れなくなった。

 1回で20~30くらいの魔物が入ってきてたんだけど、正門も裏門も共に0……。

 外に出た冒険者さん達は、魔物と交戦したって言ってたから、居なくなったわけじゃなさそうだけど。


「クックック。相手の魔族がさすがに警戒したようですね。被害が甚大になって深追いするなと指示を出したか、または違う理由か……ですね」

「違う理由? 警戒したほかに何かあるの?」

「それは分かりませんが、戦場では2手3手と相手の動きを読んで戦うものですよ。相手もそうしたのでしょうね。クックック」

「そうなんだ?」


 魔物はただ突っ込んで来るだけだったんだけど、その魔物を統率できる能力を持った魔族が居るって、かなりやばい状況だよね。

 でも、魔物の数はかなり減らせたし、今までのように一方的に攻められるってことにはならないかな?


 と、考えてると、隠密スキルを使って偵察に出てた1人の冒険者さんが裏口から駆け込んできた。


「報告! 裏口から300メートル地点でフェルド国の騎士団が魔物の部隊と交戦中!」

「え?」


 フェルドの騎士団? 私達の他にフェルドから来たって……誰だろ?

 

「クックック。サクヤ様、もしかして騎士団ではなく、ジスケルさんの輸送部隊では?」

「あ! そうだよ! 今まで忘れてたよ!」


 あのトンネルを使ったとしたら、ちょうど到着してもおかしくないよね?

 それにしても、トンネルを抜けてから真っ直ぐ向かってきたのかな?

 で、城下町に入ってから敵に見つかって交戦状態になったってこと?

 もうちょっと、迂回したりして見つからないようにしようよ。


 どうしようか迷ってると、ラグルさんが大剣を担いで走ってきた。


「フェルドの冒険者中心の部隊で救出に向かうぞ! クックさんも加わってくれ!」

「行きましょう。クックック」

「私も行くよ! リンクしたら戦力になるし!」

「サクヤ様……。分かりました。しかし、リンクするのは俊敏が高いモフモフさんにしてください。いつでも退避できるようにね」

「うん! モフモフさんはここの護衛をお願いね!」

『了解!』


 ラグルさんを隊長として救出隊が結成された。

 裏口から出て街に入ると、かつては街の色並みを作ってた家が無残な瓦礫になってた。

 街の人達はすでに避難してて、隣国に行ける体力のある人は国境を越えて、困難な人はお城の中に避難して人的被害はなかったようだけど、王都の防衛が成功しても、復興出来るかは難しそうだよ。


 瓦礫の間を縫うように進むと、ゴブリンとオーガの部隊に遭遇した。

 輸送部隊が確認された地点までは後100メートルくらいなんだけど……。


「ここは俺達が何とかする! 退路はしっかりと確保しておくからサクヤちゃんとクックさんは救出に!」

「クックック! 任せましたよ!」

「うん!」


 ラグルさんの合図で冒険者さん達が集団に斬りかかったのを見て、私とクックさんは脇をすり抜けて先を急いだ。

 そしてそこから更に50メートル進んだところで、逃げてくる輸送部隊の人達と遭遇した。


「サクヤ様! ジスケル様が我々を逃がすために1人残り戦っています!」

「クックック。物資と部下を守るためとはいえ、あまりいい作戦じゃありませんね」

「とにかく、みんなはこの先の冒険者さん達と合流して! 物資をお城に届けることを優先してね!」

「了解しました!」


 駆け出していくのを見届けてから、更にスピードを上げてジスケルさんの元へ向かった。

 

 そのポイントに辿り着いたとき、目の前に居たのは、何故か1人で仁王立ちでこちらを向いてるジスケルさんだった。


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