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第73話:王都到着!

 最初の魔物の集団を蹴散らしたあと、王都に向かって爆走してる。

 文字通り、モフモフさんの疾風で爆走してたんだけど、途中からスピードが遅くなった。

 遅くなった理由は、モフモフさんが疲れたんじゃなくて、進むにつれて複雑になっていく地形の問題かな?

 自然が豊かというよりは、大小の山々が連なっているんだよね。

 その山々の合間の盆地に小さな村や町が点在してるみたい。


 その中の村の1つに立ち寄ってみた。

 辺りは日が沈みかけて暗くなってきたし、さすがに野営続きだと疲れが貯まっちゃうからだけど。


「お姉様。他の村もそうですけど、やはり人の気配がしないですわ」

「そうだね……」


 周りを見てみると、夕日に照らされて赤く光る農耕具が道に散乱してた。


「クックック。王都まではそう遠くない村ですからね。魔王軍が王都まで攻めてきたと聞いて、慌てて村を捨てて避難したのでしょう」

「私達が出会ったあの人達と違うよね?」

「ですわね。この村の位置からですと、国境の近い北のロシキア王国に逃げたと思いますわ」

「ふむ……」


 クックさんが確かめるように、家を見て回ってる。


「争った形跡もないですし、魔物共が踏み込んだ様子もないですね。ここの人達は無事に避難できたようです」


 襲われる前に避難できたみたいでよかったよ。

 立ち寄った村が襲われた後で悲惨なことになってたら、さすがにゆっくり休めないよね。


『周りに魔物の気配はないな。リリーに結界を張ってもらって、今日は休むとしよう』

「りょ~かい~」


 リリーの結界が村全体を包み込んで、私達は村にある1番大きな家を借りて、この日は明日に備えてゆっくり休んだ。




 村を出発して数時間、王都までは山を1つ越えたら到達っていうところまで来た。

 王都周辺の山は木が多くて、身を隠しながら進むにはちょうどいい感じ。


「クックック。ここからは偵察なしで進むのは危険ですね」

『そうだな。城を攻めてる軍団に見つかって包囲されかねん』

「じゃ~、クックさん、モフモフさん、先行偵察お願い」


 この2人だったら、途中で魔物に遭遇しても難なく処理できるよね。

 ていうか、それを出来るのがこの2人しか居ないってことだけど。


「御意。モフモフさん、隠密行動で行きますよ!」

『おう!』


 2人が木々が生い茂る山の中に駆け出していった。


「サクヤっち。私は気配軽減の結界を張っておくね~」

「そうだね。あの2人が居ないときに襲われたら危険だし」


 ということで、残った私達は結界の中でお茶タイム。

 さすがに周囲の警戒はしてるけどね。


 そして5分後。

 山の中腹から凄い音が聞こえてきた。


 ガァァァン! バキバキバキ! ド~~~ン! バキバキバキ!


 ここからでも分かるくらいに、山の木々が吹き飛んで倒されていってる。

 魔物を発見して倒して行ってるんだろうけど、隠密って、どういう意味だったかな……。




 クックさんとモフモフさんが戻ってきた。

 その身体に傷は1つもなくて、息も乱れてない。

 

「サクヤ様、この山の山頂から少し下ったところに王都を見下ろせる崖があります。そこまで移動しましょう。そこまでの道中に敵は居ませんよ。クックック」

「居ませんじゃなくて、全部消し飛ばしちゃったんでしょ……」

「おや? バレてましたか?」

「「「普通にバレちゃうよね! 私達にも敵にも!」」」


 野生の魔物だったらしいからよかったけど、魔王軍の魔物だったらどうなってたのかな?

 援軍を呼ばれて集団に包囲される景色が浮かんできたよ……。

 クックさんとモフモフさんだったら、それも消し飛ばしちゃいそうだけどね。


「いえ、さすがに私でも間違いなく逃げますよ?」

「だったら静かに行動出来ないのかな!?」


 あ、そうだった……。クックさんって、こういう人だったよ。


 まあ、済んじゃったことをいろいろ話してても仕方ないってことで、私達は木々が生い茂る山に入っていった。

 クックさんが倒れてる巨木を軽々と持ち上げて、通りやすくしてくれた。


「この辺は倒木が多いので気をつけてください。クックック」

「うん。でも、これってクックさん達がもっと静かに魔物を倒してくれてたら、もっと歩くの楽だったね」

「最初はそうしていたんですけどね。木々を避けながら攻撃するのが面倒くさくなりまして。クックック」

『クロースラッシュが偶然にも木々に当ってしまいまして』

「あ~うん。もう何も言わないでおくよ」


 もう何を言っても無駄! 知ってたけどね!

 でも、やり方はめちゃくちゃだけど、険しい道で手を引いてくれたり、高い段差があったら抱きかかえてくれたり、優しさは満点なんだよ。




 そんなこんなで、クックさんが言ってた崖に着いた。

 ここまでの山道で、さすがに荷車は通れなかったけど、クックさんが軽々と持ち上げて運んできた。

 魔族の力って、やっぱり人の何倍もあるんだね。


「クックック。さて……」


 クックさんが荷車を下ろして、崖下に見える王都を眺めた。

 その先には、盆地の中央、平原の真ん中にある王都が、数え切れないくらいの魔物に包囲されてる景色が広がっていた。

 王都の外周を守っていた防壁は完全に破壊されて、城下町はそのほとんどが瓦礫となっていた。

 中央に位置する王城はバリアで守られてまだその姿は留めてるけど、バリアにはいくつものヒビが入り、長く持ちそうにないことが私でも分かった。

 私達のベラルージュ王都防衛戦、本格的に始動だよ!


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