表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/186

第70話:モンスターよりも怖いもの。その名は説教!

 最強のボディガード、プニプニさんに相手のコウモリ男は姿も気配も消すことを忘れて、何度も剣を振り下ろしてた。

 もちろん、剣の攻撃は全て無効化されて、魔法も超回復でダメージ無し。

 ただ、残念なことに、プニプニさんも私も、反撃能力が0……。

 でもね、相手が気配を消してないってことは?


「クックック! 丸見えですよ!」

「ぐお!?」


 クックさんが飛び込んできて、回し蹴りをコウモリ男の脇腹にめり込ませた。

 もろに蹴りを受けたコウモリ男は吹き飛んでいって、ホールの壁に激突した。

 それを確認したように、プニプニさんがまた1体に戻って、魔柱石のほうへ跳ねていった。


「あ、そうか」


 魔柱石までは3メートルの距離。

 プニプニさんの後を追うように私も駆け出して、魔柱石に触れることが出来た。

 触れてしまえば、あとは私の魔力を流すだけ。

 プニプニさんって、意外と冷静で賢い? リュックの中で寝ていたのを起こされて、怒ってるだけっていう可能性もあるけど。


 魔柱石を私の魔力で上書きしてすぐに、皆が周りに集まってきて、私を守るように円陣フォーメーションを取った。


「お姉様! どうして1人で陣形を離れたのですか!」

「ごめん……」


 泣きそうな声で言われて、謝ることしか出来なかったよ。


「サクヤ様への説教は後ですよ」

『だな。あいつはまだ生きてるぞ』

「ですわね」


 そう。コウモリ男はクックさんの蹴りだけでは死んでない。

 そして、私への説教は確定事項みたいだよ。


「キキキ! よくも領域を消してくれたな! だが、我自身の魔法で気配を消すことが出来るのだ」


 私には、気配がどうのとか分からないけど、クックさん達が私を守るように一層密集したから、危険な状況なのかな?

 でも、魔法が使えるようになったから、ちょっとはこっちも有利になったんじゃないのかな?


「ねぇねぇ、魔法を使わないの?」

「は? 相手の姿も見えないのに、どうやって使えと?」

『闇雲に撃って、外れて天井に当ったら、このトンネルが崩壊しかねませんからね』

「せめてこの暗さをどうにかできれば……ですわね」


 と、いうことらしいよ?

 ただ、攻撃を躊躇ってるのは相手も同じみたいだね。

 なぜかというと、プニプニさんが私達の周りを跳ねながら動いて、ときどき止まって身体を伸ばしてるんだよね。

 プニプニさんには相手の姿が見えてるみたいだよ。

 で、コウモリ男は攻撃を防がれて、反撃されるのを恐れてる……のかな?


 明るかったら状況が分かるんだけどな……って、明るくしちゃえばいいんじゃないかな!

 それに、これには一石二鳥の作戦があるよ。


「今から使う私の魔法から目を離さないと、凄いことになるからね!」

「なんだと?」

「フロアライト・フラッシュ!」


 右手から放たれた淡い光の玉が浮かんでいって、膨れ上がった後、急速に収縮していって光が弾けた。


「ぐおぉ!」


 うめき声を上げながら、コウモリ男が明るくなったホールの床に落ちてきた。

 そう、ここまでに居た魔物さん同様に、光に弱いってことだね。

 コウモリだし……。


「クックさん! 今だよ!」


 と、クックさんを見たら、目を押さえて片膝を付いてたよ!


「え? どして?」

「目を離せ、と言われたら逆に凝視してしまう心理をついた作戦……お見事です。クックック」

「再びお姉様の光に包まれましたわ!」

「って、イザベラちゃんもなのね!」


 イザベラちゃんはワザとの可能性が高いけど。


『この馬鹿共は! フェンリルクロースラッシュ!』


 駆け出したモフモフさんとコウモリ男が交差すると、コウモリ男が3つに裂かれて、光となって消えていった。

 モフモフさんが居てくれて助かったよぉ~!


「で。クックさんは私の魔法を体験してるよね?」

「いや……見るなと言われれば見てしまう天邪鬼な性格なので。クックック」

「うわ~納得」

「お姉様の一挙手一投足を見逃すなんて出来ませんわ!」

「すっごい納得だよ!」


 相変わらずグダグダな展開だったけど、なんとかこのトンネルを開放することができたかな。

 先に続く道まで明るく照らされてるし、帰りは皆で安全にこのトンネルを通れるね。


『よし。みんな乗り込め。時間をとられたから急ぐぞ』

「そうだね。このトンネルを抜けたらベラリュージュ。気を引き締めていこうね」

「ええ。そしてサクヤ様の単独行動の説教は荷車の中で……。クックック」


 うわ~。しっかりと覚えてたよ。




「プニプニさんが居たから良かったものの――」

「……そうだね」

「お姉様。そもそもマントはどうしたのですか? あれはミスリルが編み込まれていて、お姉様の装備出来る数少ない防具なのですわよ!」

「あれって、ごわごわしてて暑苦しかったから……」

「防具というものを理解してくださいまし! 身につけていないと意味がないでございましょう!」

「……うん」

「だいたいサクヤ様はですね――」

「お姉様は――」


 誰か終わらない説教から助けて~!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ