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第68話:私に任せて!(上手く出来るとは言ってないよ?)

 翌朝、偽者だったフローレスさんと偽クックさんの取調べがあった。

 て言っても、私達は取調べなんて専門じゃないから、ほとんど兵士さんにお任せだったけどね。

 その聞いてた話によると、偽者の活動してたのは、国からの援助金を騙し取ることだったみたい。

 実際に、その企みは成功してたみたい。

 条件として、王都から遠く離れた辺境? で、活動すること。

 私の容姿や、パーティーメンバー構成がまだ伝わってないところを狙ってたのかな。

 騙された王国軍の資金からお金を騙し取って、そのお金で勇者に見えるように立派な装備に変えつつ、また次の街か砦で騙す。


 う~ん……。賢いのか、馬鹿なのか、よく分かんないな~。

 だって、そんな大々的に私は勇者ですなんて言ってたら、今回みたいに襲撃されちゃうよ?

 私は基本的に冒険者として活動してるし、誰もこんな短剣しか装備してない子供を勇者なんて思わないでしょ? 襲撃してきた魔族にも信じてもらえなかったし!

 1つだけ、モフモフさんが目立ってるってことはあるけど、大きい犬さんだしね、仕方ないね。




 兵士さんが、白い鳩みたいな鳥の足に手紙を結んで、飛び立たせた。

 伝書鳩だ……。


「これで王都には1日で報告が届くでしょう。他の要所にも飛ばしましたので、偽者が現れてもすぐに対処が可能になります」

「へ~……。空を飛んだら王都からここまで1日なのか~」

「サクヤ様、言っておきますが、私には無理ですよ? 高いところは苦手ですし、荷台を抱えて飛ぶなんてイヤですからね。クックック」

「そうだね……」


 クックさんは高所恐怖症。やっぱり陸路しかないみたいだね。


「失礼します! 食材の積み込み完了しました!」


 兵士さんがドアを開けて報告してきた。

 これで、ベラジュールの王都までは食材が十分だって。


「クックック。偽者騒ぎで出発が昼を過ぎてしまいましたね」

「そうだね」


 窓から空を見ると、太陽が真上を過ぎてた。

 到着が遅れれば遅れるほど、ラグルさん達が危険になっちゃうよ……。


「あ、それでしたら、先の山道から逸れたところに、山脈を越えるより早いトンネルがありますが……」

「が、とは?」

「ベラジュール側まで繋がってるのですが、今は魔物の巣窟になっていて使われてなく、光もないので闇に包まれているのですよ」

「そんなトンネルがあったんだ?」

「ええ。ベラジュールとは、魔王軍侵攻以前から同盟を結んでいて交易が盛んでしたから、物資の輸送にと両国が協力して作ったのですが、魔王軍の侵略と同時に魔物が湧いて、今は使われてないのです」

「ねえねえ、クックさん。そこの魔物を退治して行ったら、帰りも楽じゃないかな?」

「ですね~。魔物退治も兼ねて、そのトンネルを使わせてもらいましょうか」


 クックさんも同意してくれて、兵士さんが地図を書いてくれた。

 私とクックさんは、その地図を受け取って、みんなが待ってる荷車に向かった。




 急斜面な山道をモフモフさんが駆け抜ける。


「クックック。この斜面は、普通の馬なら皆で馬車を後ろから押さないといけないくらいですね」

『これくらい何でもないな! 平地と一緒だ!』

「凄いねモフモフさん! 後でご褒美にモフモフしてあげる」

『……それはボスがモフモフしたいだけでは?』

「そうだよ?」


 あ、それだと、ご褒美になってないかな。

 まあ、普段からモフモフし放題だけど。特に寝るときにお腹の柔らかい毛を枕にすると、気持ちいいんだよね。

 そんなことを言ってる間に、山道からちょっと脇に入った山の中腹にあるトンネルの入り口に到着した。

 魔法で掘られたらしく、自然と出来た洞窟よりも形がしっかりしてる感じかな?

 大きさは、荷物を運ぶ目的で作られたから、大きいモフモフさんと荷車でも余裕で通れる広さがあるね。

 

 トンネルに入ってちょっとだけ進むと、入り口から入ってきてた光がすぐに届かなくなって、真っ暗になっちゃった。

 このトンネルが使われてた頃は、魔石の力で壁が光ってて明るかったらしいけど、今はその魔石も無くなっちゃってる。


「クックック。確かに魔物の気配と、魔柱石の魔力を感じますねぇ。暗闇の中では我々が不利になります。リリー、魔法で明るく出来ますか?」

「出来るよ」


 と、リリーが杖を出したところで、私がリリーの前に割り込んでやったよ。


「ここは私に任せて!」

「まあ! お姉様! フロアライトの魔法を習得しましたのね! ここはお姉様にお任せいたしますわ」

「そうですね。クックック。リリー、ここはサクヤ様に」

「わかったよ。サクヤっちのお手並み拝見!」


 ふっふっふ。みんなの注目を集めちゃってるね! 密かに練習して、今ではファイアの魔法もマッチの火からライターの火にアップした私の力を見せてあげるよ!


「えっと……」


 フロアライトっていう魔法は、暗い洞窟なんかでその階層そのものを明るくしちゃう魔法だけど、それでも薄暗い感じがするんだよね。

 あれ何だったかな? 懐中電灯よりも明るいライト……。あ、そうだ、フラッシュライトだ!

 それを組み合わせたら明るくなるはず!


「いくよ~! フロアライト・フラッシュ!」


 差し出された右手の平から、淡い光の玉がゆらゆらと上昇していって、少しずつ大きくなっていった。


「サクヤ様を象徴するように優しい光ですねぇ。クックック」

「これから辺りを照らす光に変わるのですわね!」

「サクヤっち凄い~」

『さすがボスです!』


 皆が光を凝視する中、大きくなっていってた光が、今度は突然に急速に凝縮を始めて……。


「あれ?」


 と、不思議に思った瞬間、白い閃光となって弾けたよ!


「「「わきゃ!」」」

「ぐお!」

『キャイィィィン!』

「「「『目がぁぁぁ!!!』」」」


 凝視してた私達は、弾けた光をまともに目に受けちゃって地面を転げ回ったよ!

 そうだね……フラッシュ=閃光……。

 最後にフラッシュをつけるんじゃなくて、フロアフラッシュライトって言えばよかったのかな?


 入り口から数メートルで、いきなり大惨事発生です。


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