第52話:奇跡のスナイプショット?
52と54話を間違えてたから修正しました><
絶体絶命……こんな状況はドキドキワクワクするね!
……ごめんなさい。強がってみただけです。
なんて現実逃避してると、剣士タイプが突っ込んできた!
素早く剣の間合いまで駆け込んできて、剣を振り下ろしてくる。
咄嗟に腰に差してた短剣を抜いて、その剣を下から弾く!
不思議……今までスローを発動して、やっと見えてた相手の剣の軌道がハッキリ見えるんだよ。
これもリンクでクックさんと繋がって、ステータスアップしてる効果なのかな。
私の短剣は相手の剣を簡単に弾いて、驚いたことに、相手はその反動で大きく後ろに仰け反って、驚いたように後ろに飛び退いた。
ジスケルさんもこの一連の攻防に驚いてた。
「こいつの力は98もあるんだぞ! どんな仕掛けを使ったんだ!」
仕掛け? うん、ごめんなさい。リンクで繋がった今の私の力は、軽く200いっちゃってます。
あれ? これってあれかな? 絶体絶命と思ってたけど、結構余裕なんじゃない?
余裕? ごめん、ウソだったよ。
剣士が斬りかかってきて横に飛んで避けるでしょ? そこに魔導師から火の玉が飛んできて防壁で防ぐでしょ? その隙を突いて背後の弓士から矢が飛んで来るんだよ?
連携に見事にハメられてるよ。
せめてもの救いは、魔法と弓が連射出来ないことかな。
それに、俊敏がこれだけ高いと避けることは簡単なんだよね。
問題はリンクの効果がいつまで続くかだけど……。
ここは一気に勝負をつけにいくしかないよね!
剣士と距離を取るために、剣を振り下ろしてきたところを少しだけ横に避けて、隙が出来たお腹にキックを入れて……って、足が届かなかったよ!
身長差がこんなに影響あるなんて!
……身長だよ? 足が短いとかじゃないからね?
仕方ないからスーパースローを発動させて、相手の動きが遅くなっているうちに距離を取った。
相手はジスケルさんの居る壁際に固まって、私は中央くらいに立っている。
これだけ距離を開ければ大丈夫かな?
「クックさん! 剣を貸して!」
今のステータスアップした私なら、長い剣でも使えるはず!
武器的な不利を埋めるにはこれしかないよね!
「御意! さぁ、名前を呼んであげてください! さすればサクヤ様の元に喜んで飛んでいくでしょう!」
「……え? 名前を呼ぶの?」
「そうしなければ応えてくれませんよ? クックック」
凄く恥ずかしいんですけど! まあ、身長差を埋めるためにも恥ずかしがってもいられないかな。
「来て! サクヤ……ソード……」
みんなに聞かれないように小声で……。
でね、飛んできたよ。わざわざ鞘から飛び出て、ヒュンヒュンヒュン! て音を響かせて、勢い良く回転しながら。
私は回転しているサクヤソードの柄を掴んで……。
「うわ! こわ!」
無理無理無理! 手元まで来てたサクヤソードを咄嗟に屈んで避けちゃったよ!
だって……ねぇ? 受け止めるなんてできるわけないじゃん! 凄い勢いで回転して飛んで来る剣の柄を掴んで受け止めるって、どこの達人さんですか? 私がそんな達人な訳ないよね!
あ、サクヤソードはどこいった……。
「ぐああぁぁぁ!」
後方から断末魔が響き渡って、そっちを見てみたら、私を通り過ぎたサクヤソードがその勢いのままに剣士の頭に突き刺さってた。
剣士はそのまま後ろに倒れて、光の粒子になって消えていったよ……。
うん。結果オーライ!
で、私に受け止めてもらえなかったサクヤソードは、ショボンとしてクックさんの元に自分から飛んで戻っていったよ。
拗ねちゃったみたいだから、たぶん……また呼んでも来てくれないね。
でも、これで召喚されたのは人じゃないって証明できたね。もう手加減しないよ!
「おい! 外野から武器を投げ入れるのは卑怯じゃないのか!」
ジスケルさんが騒ぎ立ててきてるけどね。
「先に1対1の決闘に卑怯な召喚術使ってきたのはそっちですぅ~!」
「召喚術も俺の力だろ! そっちは投げ入れた剣で俺の剣士を狙っただろ!」
「剣を借りようとして掴み損ねただけですぅ~!」
「魔王が子供みたいな屁理屈を!」
「どうせ私は15歳の子供ですぅ~!」
「……は? その身長で15歳? 12歳くらいだと思ってたぜ」
「……」
あなたは私を完全に怒らせたよ……。
残りは魔導師と弓士の後衛タイプ……と、何故か騎士の装備をしてるのに、ずっと後方から動かないジスケルさん。
前衛2人で同時に攻撃されたら危なかったけど、動く気配がないんだよね。
ま、それならそれでいいけどね。
飛んできた矢を避けて、相手の魔法は障壁を展開して弾く。
スローを発動してなくても、これだけステータスが高くなっていたら普通にそんなことが出来た。
あとはどうやって倒していくかだけど……。
魔法は少なからず、数秒の詠唱が必要みたいだね。
その隙を突くことにしたよ。
魔導師が炎の玉を撃ってきたタイミングで素早く右に避けて、すぐさま地を蹴って魔導師との距離を詰める。
後方で炎が弾けたと同時に、魔導師の懐に飛び込むことが出来た。
右手で握り締めた短剣を後ろに引き絞って、一気にお腹目掛けて突き出す!
――ヒラリ。スポ! ヒュ~ン……グサ!
「ギャァァァ!」
響き渡る弓士の断末魔。
魔導師じゃないの? 何が起きたのかって?
あのね、短剣を突き出すでしょ。魔導師に避けられたでしょ。お約束で短剣が私の手からスッポ抜けたでしょ。最初は魔導師が居たから見えなかったけど、魔導師が横に避けたから魔導師の後ろで片膝を突いて弓を引き絞ってた弓士が見えたでしょ。
でね、スッポ抜けた短剣が一直線に弓士に飛んでいって、屈んでいたからちょうど額に短剣が突き刺さって……。
弓士は光となって消えていきました!
「くそ! 短剣でスナイプショットだと! 狙いは魔導師と見せかけ狙いは弓士だったのか!」
「ふふふ……。狙い通りだよ!」
奇跡に近いマグレですけど。
「――く! だが、これでお前は武器を失ったな」
と言いながら、私の短剣を拾い上げた。
「あ! 私のだよ! 返して!」
「返すわけないだろ!」
だよね~!
これからどうしよう……。
2人倒したけど、私は武器を失って、ますますピンチになっちゃった!




