表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/186

第50話:加工は出来るらしいよ?

 折れた剣は布で包んで、クックさんに持っててもらうことにした。

 だって、私じゃ重くて持てないからね。

 で、そのまま街にある鍛冶屋さんに行くことにしたよ。

 場所はこの住宅地から正反対にある区画。

 王都は広くて把握しにくいけど、お城の周りには騎士さん達の階級の高い人達の屋敷があって、その周りに一般の住宅、そして、外周に向かって商業、産業って並んでる感じかな。

 もちろん、商業や産業区の中にも、そこで働く人達の家があるんだけどね。


 


 王都の大きさに改めて驚きながら、何軒かあるうちの1つの鍛冶屋さんに到着。

 カスケールさんの話だと、ここの主さんは昔ドワーフから修行を受けて腕は王都1なんだって。


「いらっしゃい! 今日はどんな御用で? そっちのあんちゃんの鎧の修理かい?」


 ドアを開けて入ると、見た目若い青年風な男の人が愛想よく言ってきた。

 どう見てもドワーフから修行受けた人に見えないけど。


「いえいえ。この鎧に見えるのは私の体の一部なので、傷を付けられても自然と直るのですよ。クックック」

「すげーな!」


 私もビックリだよ!


「え~っと……まぁ、客の素性は深く検索しないけど、どんな用で鍛冶屋に来たんだ? 武器防具を買うなら販売店に行ってもらわないとだが」

「えっと、折れた剣を修理してほしいんですけど」


 クックさんが持っていた剣をカウンターに置いて、布を解いて見せてみた。


「これは……ちょっと待っててくれ。親父を呼んでくる」


 難しい顔をして奥の部屋に入って行っちゃった。

 親父ってことは、店番をしてた人は息子さんなのかな?

 で、今から来る人が、本当の職人さんかな。


 しばらく待ってると、奥から息子さんと、タオルで汗を拭いながら親父さんが出てきた。

 親父さんの右腕を見て一言。


「腕ふっとい!」


 体は小柄だけど、腕が私の胴回りと同じくらいあるよ! カスケールさんよりも太いよ!


「ガハハ! 何年も鋼の大槌を振ってたらこうなったわい!」

「すご~い! 私は毎日腕立て3回やってるけど全然だよ」

「「「……3回」」」


 回数は少ないけど毎日の努力はいつかは実を結ぶはずだよ!


「ま~それはいいとして、どれ、息子が慌てて言いに来た剣を見せてもらうか……」


 布ごと持って、目の前で見たり、上に掲げてみたり、刃になってる部分を指でなぞったりしてる。

 そして、カウンターに戻して、ふ~と深い息を吐いた。

 ドキドキ。直るかな? かな?


「結論から言うとな。元に修復は無理だ」

「え~」

「いやいや。どんな剣でもそうなんだがな。折れた部分にまた焼きを入れて、叩いてくっつけるのは出来るんだがな、そうやって修復された剣は、くっつけた部分の強度が脆くなって、斬ったり受けたりしたときにそこに力が加わって、またそこから簡単に折れちまうんだ」

「「え~」」

「そんな期待してたのに~って顔されても無理だぞ? それにな、問題はこの素材だよ。今までこんな素材で出来た剣なんてみたことないぞ。鉄でも鋼でもなく、ミスリルでもない」

「クックック。まぁ、伝説の勇者の剣ですし」

「はっはっは! それなら納得だ! な、ステファン!」

「そうだね」


 ……。


「「えええぇぇぇ!!」」


 2人で納得! ってポンと手叩いた後に、剣をみてビックリしてるよ。


「ちょ! なんでそんな物がここに! え? 折れた? なんで?」

「落としたら折れちゃった! テヘ」

「いやいやいや! テヘって、可愛く舌出されてもな! どうしてこうなったか詳しく説明してくれ!」


 そうなるよね~。

 で、詳しく説明したよ。

 私が魔王であることの証拠として、軽く剣に触ると剣が凄く輝いたよ。

 折れてても凄いね。


「話は分かりました。サクヤ様がお使いになるのでしたら、修復ではなく、折れたところを柄に入れる部分に加工してみましょう。ロングソードからショートソードになりますが、サクヤ様の小柄な体にはちょうどいいでしょう」

「ありがとうございます!」

「いえいえ! 魔王様からお礼を言われるなんて、もったいなき名誉です!」

「あの、私はただの冒険者ってことで」

「……ガハハ! こっちもそのほうがいいや。敬語なんて使い慣れてねぇもんでな」


 うん。私も敬語を使われ慣れてないから、やっぱりこっちのほうがいいね。




 出来上がりは3日後ということで、宿に戻って普段の冒険者スタイルに着替えた。

 リリーはまだモフモフさんと遊んでるし、イザベラちゃんはカスケールさんの家にいるし、これからどうしようかな? って思ってると、ジスケルさんの使いという人が尋ねてきた。


「サクヤ様。ジスケル様がお会いしたいと申しております。ご同行願えますか?」

「イヤです」


 どうして私があのムカつく次男に会いに行かなくちゃいけないの?

 会いたいならそっちから来いって感じだよね!


「お願いします! 来てくれないと、私の首が撥ねられてしまいます!」


 そこまで深刻なことなの!?


「クックック。まあ、いいじゃないですか。やることもなく暇だったんですから」

「そうだね」


 何の用かは教えてもらえなかったけど、暇つぶしになるかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ