第47話:ガリガリ!
最近やることが多すぎてなかなか書けませんです><
1週間に1回投稿できればいいな~><
食事を終えてから急いで制服に着替える。
1時間後って、食後にゆっくり出来る時間もないよね。
「まあまあ! お姉様!」
「やっぱりこの制服だとダメかな?」
お城に入るには正装しないとダメってことで、学校の制服を着てみたんだけど、イザベラちゃんが目を輝かせて私の周りを回ってるよ。
「いえいえ! 見たこともない素材で出来ていて、それでこんなにデザインのいい服は見たことありませんわ! これなら正装として十分すぎるくらいですわ!」
「そうなんだ? それじゃ~時間もないし、早く行こう」
このままこの場に居たら、イザベラちゃんが暴走状態になっちゃう雰囲気があったから、急いで部屋を出たよ。
市街地を抜けて街の中央までいくと、街の中にも城壁が見えてきた。
これが他の街との違いだね。街の真ん中にドド~ン! と、その存在感を示すようにお城が建ってた。
門の前には、重鎧を着た騎士さんが槍を持って警備してる。
門番さんと言えば、皮鎧を着た力の弱そうな兵士さんしかイメージにないけど(ギュオールの街を参考に、沢山の偏見が混じってます)王様の住んでいるところだから、こんなにも厳重な警備なんだね。
「お待ちしておりました。サクヤ様」
騎士さんが片膝を着いて頭を下げてきた。
「あの、そんなにしてもらわなくていいですよ? 私は一応、冒険者という立場で来てますから」
自分でもまだ勇者とか魔王という自覚もないのに、出会う人たちから畏まられちゃっても困っちゃうよね?
「そうですか? では……ウンヌゥ!」
槍を地面に突いて一生懸命に立ち上がろうとしてるけど、全身をプルプル震わせて力を込めてもなかなか立ち上がれないみたい。
全部が重い鉄で出来た鎧を着てるから、重すぎなんだよね。
1度転んじゃったら立ち上がることが出来ない鎧……実戦だと絶対役に立たないよね。
騎士さんはその後、兵士さん3人に助け起こされた。
私達はその様子を眺めながら、イザベラちゃんの案内で王様の居る謁見の間へ向かった。
門を潜ったらすぐお城があるわけじゃなくて、広い庭がずっと先まで続いてて、その庭の中心には花壇と噴水が綺麗に並んで、庭の左右端には石造りのアパートみたいな建物が建っていた。
「あの建物は何? あそこに人が住んでるの?」
「あれは城内兵士の宿舎ですわ。有事の際にすぐ出動できるように敷地内に住んでますのよ」
「へ~……」
「クックック。有事ということは、この国も昔は他国と戦争をしていたのですか?」
「今は魔王に対抗するために同盟を結んでますけど、それ以前は戦争があったみたいですわ」
イザベラちゃんが生まれたときには既に魔王が現れてて、それ以前のことはあまり分からないらしいよ。
でも、戦争があったことは確かで、国中に砦や拠点となる街があるんだって。
領土の拡大、資源の奪い合い。どこにでも戦争の理由はあるもんなんだね。
そんな国の歴史を聞きながらお城に入って、謁見の間に到着した。
お城の正面の扉を開けたら吹き抜けのホールになっていて、両端には長い螺旋階段があって、ホールをまっすぐ進んでいったらまた扉があって、その扉の先が謁見の間になってたよ。
お城に入るまでにかなり距離があったから、ちょっと歩き疲れてて、1階に謁見の間があってよかった~! って、喜んじゃった。
長い階段なんて上りたくないしね!
そんなこんなで、謁見の間に入ると、床に立派な赤い絨毯が轢かれてて、その真ん中くらいに椅子が2つ置かれてた。
それを眺めてると、1人の兵士さんが近づいてきた。
「サクヤ様とクック殿は椅子にお座りになってお待ちください」
立ってなくていいなんて、至れり尽くせり!
……年寄りクサイって思ったでしょ!?
「いえ……そんなことは。クックック」
「心読まないで!」
「椅子を見た瞬間に安堵の表情をうかべたので、予想して言ってみただけですが?」
信じられないけど、ああ言えばこう言うだからそういうことにしておいたほうがいいね……。
それよりも。
「イザベラちゃんはどうするの?」
「……は!? お姉様とクックさんのコントを見てたら放心してましたわ!」
「コントじゃないんだけどね~」
「あら、それはすみませんでした。これから一国の王にお会いになるというのに、凄く落ち着いていらしたからビックリいたしましたわ」
落ち着いてるっていうか、王とか実際に居るんだな~っていう、一種の感動……してないな~。
既にカスケールさんの印象が強すぎて、王様はカスケールさんのお兄さんていうから、同じような人だったら笑いを堪えるのに苦労しそうだな~とか考えちゃってたり。
で、イザベラちゃんは、玉座の横に居るカスケールさんの横に移動していった。
正面に位の高い貴族さんが並んでて、横にはズラっと騎士さん達が並んでた。
そのちょうど真ん中に座っている私とクックさんは注目の的だね!
「王のご入場~!」
そんな掛け声と共に、1段高くなっている玉座の横の扉が開いて、杖で体を支えながら足取りのおぼつかない王様が入ってきた。
「ガリガリだよ!」
「ですね~。クックック」
思わず叫んじゃったよ!
だってね、私が想像してたのは、カスケールさんのような大柄な体で筋肉ボコボコな王様だったのに、入ってきたのは杖で体を支えないといけないくらい痩せ細った王様だったんだよ?
カスケールさんみたいな人だったら笑いを堪える準備は出来てたのに、予想を裏切られたら叫ぶのを我慢できないよね。
「王に対し無礼であるぞ!」
近くに居た騎士さんがそう言って剣の柄を握ると、私のすぐ横から物凄い魔力の風が巻き起こった。
その魔力だけで、剣を抜こうとした騎士さんが腰を抜かしちゃった。
「サクヤ様に剣を向けた瞬間、敵対したとみなしますよ?」
「クックさんダメだよ! すぐそうやって力で解決しようとするの!」
「しかしですね」
「しかしじゃないの! さっきのは私が悪いんだよ! 笑いに備えてたらガリガリだったんだもん!」
「「「笑いって何の?」」」
クックさんの魔力に緊張して固まってた人達から疑問の声が聞こえてきたよ。
「お姉様。この騒ぎを収めるためにも、そこのところは詳しく説明してほしいですわね」
「え~……」
いいのかな? カスケールさんにも関わってきちゃうことだけど?
でも、クックさんと騎士さんとの一触即発状態をなんとかするために説明したほうがいいのかな?
ということで、私がどうして『ガリガリだよ!』って叫んじゃったのか説明したよ。
結果はね、みんな大爆笑だったよ。
そう、この場にいるみんな、王様も含めてね。




