第44話:リンク使っちゃうよ!
風邪から復活です><
みなさんもインフルエンザが流行ってるみたいだから気をつけてください><
キバキバさん達を仲間にしたあと、森を抜けて村に行ったら村の皆が怖がって逃げ出しちゃった。
当たり前だよね~。ついさっきまで村を襲ってたんだし。
で、また村を守るために、ディックさんがキバキバさんに剣を抜いて突っ込んできたんだけど……。
「うおおお!」
「クックック。話を聞いてくださいな」
キバキバさんの後ろから出てきたクックさんのラリアットが、カウンターで炸裂!
「ブベラァ!」
変な断末魔をあげて、ディックさんがその場で3回転くらいして地面に倒れちゃった。
「なにしやがるんだ!」
「いえ……少し落ち着いてほしかったので。クックック」
すぐさま立ち上がってクックさんに抗議をしだした。
ディックさんて意外と頑丈なんだね。
戦士タイプの冒険者さんだから当たり前かな?
「ディックさん。クックさんのやることに文句を言っても、軽く流されるだけだよ」
「まぁ、そうだな……」
すぐに納得してくれて剣を収めてくれたよ。
ギュオールの街で散々見てるからね。私へのクックさんの行動を……。
そのあと、逃げ出しちゃった村人さんを呼び戻して、キバキバさん達のことを説明した。
最初はみんな納得してないみたいだったけど、キバキバさん達が全員、頭が埋まっちゃうんじゃないかってくらい土下座したら、苦笑いを浮かべて納得してくれたよ。
「で、問題はキバキバさん達を王都まで連れて行けないってことなんだけど」
村のみんなが引きつった顔でキバキバさん達を見た。
キバキバさんを先頭に、30人のオークさん達。
その30人の中の2人は、オークナイトっていうのに進化してた。
他のオークさん達は皮鎧に斧なんだけど、ナイトさん2人は鉄の鎧にソードを装備してる。
「う~ん。そうだな~。キバキバさん達がこの村を襲ったのは、家畜を育ててるから、村を襲って食料の供給を混乱させるのが目的だったのか?」
「ソノトオリダ」
また食料攻めか~。なんか魔王ってセコイ攻め方が好きなのかな?
「あ! ね~ね~。だったら、逆転の発想で、キバキバさん達に守ってもらったらどうかな~?」
「それはいい考えです! 魔柱石も守ってもらわなくてはいけませんし、壊された村の建物や破壊された森もオーク達の手を借りれば、すぐに元に戻るでしょう。クックック」
「森はクックさん先輩とモフモフさんが、空腹で暴れたんだけどね~」
「リリー、お黙りなさい」
「ふぁふぉ~」
クックさんがリリーの頬を両手で挟んで口を封じたんだけど、なぜかリリーはそんなことされて嬉しそうだったよ。
「ま~、森で何があったかは置いといて、村と周辺の防衛部隊を配置してくれるんだったら俺達はそれでいいがな」
ディックさんが村のみんなに同意を求めると、みんなが頷いた。
決まりだね。
そのあと、隊長はキバキバさんで、指揮官はディックさんで決まっちゃった。
公国の……ていうか、私個人のになるのかな? 初めての部隊が出来ちゃったよ。
村で1泊したあと、食料を少しだけ分けてもらって補充してあと王都に向けて再び出発した。
予定ではあと2日で着くことができるのかな?
と、思ってたんだけどね~。
「た、助けてください!」
体のあちこちに傷を負った商人が駆け寄ってきた。
商人さんが私達を見て駆け寄ってきたってことは、私達からも見えてるってことで、状況は説明してくれなくても分かってるんだけどね。
前方で馬車が魔物に襲われてた。
かなり大きな馬車で、それが3台くらいあった。
なにか高価な商品を積んでるんだろな~って思ったけど、魔物の目的はその商品じゃなくて、人間なんだよね~。
魔王が呼び出した魔物はもちろんだけど、浮遊魔力から自然に生まれた魔物も、基本は人間を敵とみなして襲ってくる。
浮遊魔力は大昔に倒された悪の魔王の残留思念だから当たり前だよね~。
「お願いします! 助けてください!」
「えっと……」
馬車を襲っているのは、4匹のダチョウみたいな魔物だった。でも、ダチョウよりもやっぱり大きくて、足も凄く太いね。
その足で護衛の冒険者? 個人で雇った用心棒かな~? が、蹴り飛ばされて吹き飛んでいた。
よく地面を見ると、5人の用心棒がすでに倒されてた。
まだ生きてるみたいだけど、すぐ回復魔法をかけないと危ないね!
「みんな! 行くよ!」
私の号令でみんなが荷台から飛び出した!
私は荷台を守るよ!
あとついでに、商人さんの回復をプニプニさんを頼んだよ。
クックさん達は順調にダチョウの魔物を倒していって、残り1匹になった。
そこで私の好奇心が発動しちゃった。
使えるようになったリンクって、どういうものなのかな~?
繋がるってことだと思うんだけど。
「サクヤ様。相手は動きが早いから気をつけてください」
「うん。イザベラちゃんの魔法が避けられるくらいだからね」
「悔しいですわ!」
ダチョウだし足が速いって見た目で分かってたけど、それだけじゃなくて、右左前後と軽やかにステップ踏んでるんだよね~。
クックさんの斬撃も何回か避けてたし。
リンクを発動させるために意識を集中させると、頭の中に対象を選んでって出てきた。
仲間の中から1人を選べるみたい。
もちろん、速さには速さで対抗だよね!
「モフモフさん!」
『おう!』
モフモフさんも理解できてるのか、同時に魔法を唱える。
「『リンク!』」
モフモフさんが輝いて、私とモフモフさんが繋がってる光る糸が見えた。
モフモフさんの光がその糸を伝って、私の体にスッと入ってきた。
(リンク効果。ステータスが1部繋がりました。スキルを1つ使用可能になりました。俊敏が500アップ。スキル疾風が使用できます)
頭の中で直接声が聞こえてきた。
ステータスの何が繋がったのか、スキルも何が使えるのか説明してくれるから便利だな~。
で、もちろん早速スキルを使っちゃうよ~!
「疾風!」
唱えて右足を踏み出したら、それだけで周りの景色が凄い早さで流れていったよ!
あっという間に、何も反応できてないダチョウの左側を駆け抜けていって。
て、ちょっと待って~~~! 駆け抜けていってどうするの!
慌ててスローを発動させる!
周りがゆっくりと流れ始める。と言っても、普通に走ってるくらいの速度だけど。
でも、さすがに俊敏500だね。今までは腕を動かすだけでも大変だったのに、スローの中でも普通に足が動いてるよ。
で、どうなったかというと……。
そのまま一直線に丘を駆け上がって、丘の先に見えたのは……川!
丘は川の土手になってるらしくて、丘を越えてすぐ下に川があるんだよ!
疾風のスキルの効果かな? 足が動き続けてる。止まる努力はしてるんだよ?
でもね、力が1のままってことは、方向転換する力もないし、踏ん張って止まる力もないわけで……。
モフモフさんの、あの横滑りしながらザザザーってかっこよく止まるのは、力があるから出来るんだね。うん。納得。
「川~~~~!!」
叫んだと同時にリンクの効果とスローも解けて。
ドッボ~~~ン!
ちょっとだけ空を飛んで川に落ちたよ!
アクシデントで空を飛んでその先に川があるっていうのはお約束なの!?
そのあと、慌てて飛んできたクックさんに助けてもらったよ……。
全身びしょ濡れだけどね。
まぁ、私がダチョウを倒さなくても、モフモフさんが余裕で倒して、倒れてた用心棒さん達も、リリーのヒールとプニプニさんの回復で助かったみたいだからよかったけど……。
リンクは好奇心で使っちゃいけないね。危ないから……。




