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第40話:村を救っちゃうよ!

 北の街道を通って、北の森を抜けて、まだ来たことない地域に出た。

 私の魔柱石の効果は森までだったらしくて、ここからは魔物がチラチラ出てくるようになっていた。

 しかも、ここで出てくる魔物はゴブリンのような弱い……て言っても、私にとっては十分強いけど、そんな魔物じゃなくて、牛みたいな魔獣だった。

 普通の牛と違うのは、なぜか鉄の防具を身に纏ってるということ。

 足と背中、それに頭にまでヘルメットみたいなのを装備してる。

 それが頭を低くして突進してくるんだよ!

 迫力満点だよね~。

 ま~、そんなのも、クックさんが魔法剣を1振りしたら終わっちゃうんだけど……。


「クックック。グレイブルがここでは多いようですね。魔法剣ウィンド」


 魔法剣に風が宿って、振ると真空の刃が飛んでいってグレイブルを真っ二つに切り裂いた。


「ふふふ。私が差し上げた魔法剣、凄く気に入ってもらえてますわね」

「クックック。ええ、見事な剣ですよ」


 剣身に写った自分の顔を見てうっとりとした表情を浮かべているよ。

 武器に愛着持って名前付けちゃう人もいるみたいだけど、そんな人は一種の病気だよね。


「このサクヤソードは私の宝ですよ。クックック」

「クックさんが病気だったよ! 何なのサクヤソードって!?」

「サクサクきれるやソード。略してサクヤソードですよ!」

「略してっていうか、私の名前を付けたかっただけだよね!?」

「いやいや。これにはサクサク斬れる、という立派な意味があるのですよ? クックック」


 それだったらサクサクソードでいいよね~……。きれるやの『や』付けなくていいよね~……。


「お姉様! 私もこの魔法の杖に名前を付けましたわ!」

「えっと……。一応、名前を聞こうかな?」

「サクサク倒せるや。略してサクヤロッドですわ!」


 またまた、クックさんとイザベラちゃんは『いえ~い』と言いながらハイタッチしてるし。

 ていうか、イザベラちゃんの杖って、普通に魔道具店で売ってる杖で、名前を付けちゃうようなものじゃないと思うけどな~。

 もう好きにして。って、私は諦めたよ。




 ギュオールを出発して3日目の夜、私達は野営の準備をしていた。

 クックさんが簡易テントを組み立てて、私とイザベラちゃんは箱から食材を取り出す。

 この箱はマジックボックスになっていて、腐りやすい食材でも1週間は保存可能な優れものだった。

 もちろん、提供者はイザベラちゃんだけどね。


 箱から肉を取り出して一口サイズに切っていく。

 イザベラちゃんは野菜を切ってる。

 旅では定番の野菜とお肉のスープを作ろうと思ってる。ていうか、これしか作れないんだよ。

 いろんな料理を作りたいけど、食材がもったいないことになっちゃうしね。


「サクヤっち。結界は張っておいたよ」

「ありがと~。モフモフさんが帰ってきたらご飯にしよ~」


 モフモフさんには周りの偵察に行ってもらっているんだよ。

 結界を張っているといっても、魔物だけじゃなくて、人間の盗賊なんかも出るかもだし。


「あ、モフモフさん帰ってきたね」

「クックック。なにやら様子が変ですね」


 どうしたんだろ? なんか焦って急いで走ってきてるみたい。


『ボス! 小道を行った先の村が魔物に襲われています!』

「え!? 今すぐ行かないと!」


 村は小道に入って500メートルくらい先にあるらしい。

 急いで行ったら間に合うよ! 村の人達を助けないとね!


 時間がなかったから、準備していた料理やテントはそのままにして、私達は村に向かった。

 モフモフさんの背中に私とイザベラちゃんが乗って、クックさんとリリーは空を飛ぶ。

 

 小道は丘の上に続いていて、丘を登ったらちょっと木が多い林みたいになっていた。

 その林の開けた場所に村があった。

 村からは火と煙が上がっていて、何軒かが燃えているようだった。

 そして聞こえてくる魔物の唸る声と悲鳴。


「モフモフさん! ここからは先行して敵を倒して!」


 私とイザベラちゃんはモフモフさんから飛び降り……るのは無理だから、止まってもらって降りた!


「クックさんは村人さんを守って! リリーは傷ついた人の回復を!」

「御意!」

「おっけ~~~!」


 モフモフさんが光の疾風で駆けていって、クックさんとリリーはそのまま飛んで村に一直線で向かっていく。

 イザベラちゃんと私は村に近づいたら、モフモフさんとクックさんの援護だね!


 村に近づくと、村を囲んでいる集団が炎が照らす明かりでハッキリ見えた。

 二本足で立っているけど、人間じゃなくて、頭は猪で全身が硬そうな毛で覆われている。

 オークだ……。30匹は居そうだね。

 背の高さは2メートルで、手には剣や斧が握られていた。

 まだ村には侵入されてないようだけど、どうして村が燃えてるのかな?


 周りを見ると、モフモフさんがオークの集団の真ん中で戦っていた。

 モフモフさんが右手を振ると、3つの光の刃が前方に走っていって、その軌道上にいたオーク5匹をまとめて真っ二つにしていた。

 フェンリルクロースラッシュだね。凄い威力だよ。


 クックさんは村の入り口で魔法剣を使って応戦している。

 炎が宿っている剣で斬りつけると、そこから炎が燃え盛ってオークを焼いていった。

 焼かれたオークは次々に光の粒子になって消えていった。

 こっちも強いね。


「お姉様! あそこをご覧になって!」


 おっと! 2人の戦いに見入っていたよ!

 イザベラちゃんが言った方角を見ると、集団の後ろに小さい火が見えた。


「赤い火が3つ見えますわ。火矢ですわね」

「それで村が燃えてたんだね!」

「この距離ならギリギリ射程内ですわね……。アイシクル・アロー!」


 右手を前に突き出して唱えると、氷の矢が3つ出現して弓のオークに向かって飛んでいった。

 遠くて周りも暗かったから当ったかは分からないけど、光の粒子が見えて火も見えなくなったから、多分だけど当ったのかな?


「グオォォォ!」


 当ったか見てたら、後ろから唸り声が聞こえて振り向いたら、斧を振り上げてるオークが目の前にいた!

 咄嗟にイザベラちゃんを突き飛ばして、スローを発動させる。

 ゆっくりと進んでいく時間の中で、振り下ろされた斧の動きを見て体を捻って避ける。

 私の体もスローの影響で思考に追いついてなくてうまく動いてくれないけど、腰に差してあった短剣を抜いて、空振りしたオークの右膝に切っ先を突き刺してやったよ!

 でも、私の力が1だから、簡単に硬い毛で弾かれちゃった。

 ぐっと両足に力を込めて、後ろに飛び退いて距離を取る。


「お姉様! 横に転がってくださいまし!」

「うん!」


 バッと右に飛んで前転で転がると、オークの足元から火柱が上がった。

 火だるまになったオークが光になって消えていった。

 幸いにも、私達に襲ってきたオークは1匹だけで、残りのオークは大半がモフモフさんとクックさんに倒されて、生き残ったオークは逃げていった。

 この場はなんとかなったかな?


 私とイザベラちゃんは、周りを警戒しながら村へと入っていった。


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