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第39話:やっと出発だよ

 馬車を借りようということで、街にある馬舎にきたんだけど……。


「え? そんなにお金いるんですか?」

「王都までだろ? 1日金貨1枚で往復を考えたら最低でも金貨10枚だね……」


 この金額には護衛の冒険者のセット料金も含まれているそうで、護衛なしだと半額の銀貨50枚。

 それでも、合計で金貨5枚になっちゃう。


「クックック。私がいれば護衛はいらないでしょうけど、金貨5枚とは高いですね~」

「うん。このほかにも食料品とかも買ってかないとだし……」

「お姉様。ちなみに、ご予算のほうは、いかほどおありなんですの?」

「うんとね……」


 財布を開けて手のひらの上で振ると、3枚の銅貨が落ちてきた。


「馬車を借りるという以前の問題ですわね! 生活にも支障が出る金額ですわ!」

「クックック。そういえば、この前の報酬で可愛いコップとか皿などを大量に買っていましたね~。リリーの分も合わせてだから、それなりの出費でしたしね~」

「だって、あの広い家って殺風景じゃない? だから小物だけでもと思って……」

「「無計画な出費ですね」」


 親衛隊の水色ホットパンツを大量購入した人に言われたくないな~! あれこそ無駄な出費だよね!?

 て、叫びたかったけど、生活がかかっている私と違って、イザベラちゃんのお小遣いの範囲内でしたことだから言えないしね……。




 家にみんな集まって、計画の練り直しをしたよ。

 元から無計画だったけど……。


「今からギルドの依頼を受けたんじゃ間に合わないよね?」

「ですわね~。あちらも待っているはずですし。王をあまりお待たせしたくありませんしね」

「う~~~ん。私達だけじゃ決まらないから、ラグルさんに相談しよう!」


 と、いうことでみんなでギルドに向かったよ。

 大人の人の知恵を借りるのもいいかもだしね。


 中に入ると、ラグルさんはテオールさんと何か話してた。

 他の冒険者さん達もみんな忙しそうに旅の準備をしているみたい。

 今までは一斉にクエストに出かけるなんてなかったのに、どうしたんだろ?


「ラグルさん。みんなとどこかに行くの?」

「ああ。ベラジュール王国が魔王軍に侵攻されてるのは教えただろ? そこの前線の都市が大規模な攻撃を受けて、Bランク以上の冒険者全員に救援要請が発令されたんだ」


 その前線都市が陥落したら、ベラジュール王国の王都まで攻められちゃうことになっちゃう、ということらしい。


「俺達はすぐに出発しないとだが、サクヤちゃんは何か用事があって来たのか? クエストだったら普通に受けれるが」

「王都までのお金のことで相談に来たんだけど……」

「う~~~ん。俺じゃちょっと無理だな。これからベラジュールまで行かなきゃだしな」


 自分の費用だけで精一杯か~。

 ベラジュールまでどれだけかかるんだろ? 怖くて聞けないね!

 そんなことを思いながら周りを見回してると、テオールさんが、そうだ! て、手を叩いた。


「サクヤちゃん。国王様に呼ばれたんだから、公費で出したらいいんじゃない?」

「まだ公国が発足したばかりで、そんなものはありませんわ。食料などは私がなんとか工面できますけど……」


 公費って税金とか集めるのかな? 今まで払ったことないけど。

 当然、みんなも公国が出来て間もないこともあって、そんなの払ってないよね。


「だったら馬じゃなくてモフモフさんがいるじゃない」

「従者は1人という指定ですので」

「従者はでしょ? 冒険者として王都まで行けばいいんじゃないの? せっかくみんなで登録したんだし。モフモフさんは王都に入れないかもだけど」

「ありがとう! テオールさん!」


 どうして気付かなかったんだろ! 従者にばっかりこだわりすぎてて私達は冒険者だってこと忘れてたよ!

 荷台だけだったらタダで譲ってもらえるかも!




 うん。もらえたよ。今にも壊れそうな荷台をね。

 でも、車輪は一応、2個付いてるし、いけるかな?


「お姉様……。私、あの村での出来ことが走馬灯のように甦ってきましたわ」

「そ……そうだね」


 あのときと条件が揃いすぎてるね。

 ボロボロな荷台に、モフモフさん……。空を飛んで、川にドボンはお約束な展開なの?


「ふっふっふ。ここはパワーアップしたこの私の出番のようね」


 リリーがそう言って、荷台に向けて両手をかざした。

 荷台に何か魔法をかけるみたいだけど……。


「エンドレンス・アップ!」


 リリーが魔法を唱えると、荷台が青く光出して、ス~と光が消えていった。

 何か変化あったのかな? 見た目は変わらないけど……。

 それ以前の問題として……。


「質問質問! エンドレンスってどういう意味なの?」


 私の質問に、なぜかみんな額に手を当てて首を横に振っている。

 これはあれだね……あの言葉が来るよ。


「クックック。おこちゃまだから意味がわからないですか」

「おこちゃま~」

「お姉様……。そんなお姉様も可愛いですわ!」


 1人だけ予想してなかった反応をした子がいた!


『ボス。エンドレンスとは、耐久という意味です。この場合、耐久をアップさせて、壊れにくくした、ということでしょう』

「優しく教えてくれるのはモフモフさんだけだよ~!」


 モフモフさんに抱きつくと、お日様の匂いがした。

 そして首周りの毛がモフモフで気持ちいいよ。


 ひねくれ者のクックさん。痛い子のイザベルちゃん。元気だけどいまいち掴みどころがわかんないリリー。誠実で優しいモフモフさん。

 そして今回はプニプニさんも連れて行くことにしたよ。

 ほとんどの冒険者さん達が救援で行っちゃったから、プルプルさんのお世話してくれる人が少なくなっちゃったからね。


 魔法がかけられた大きな箱に、イザベラちゃんが用意してくれた食料を詰め込んで、モフモフさんに荷台をロープで引っ張ってもらって、この個性的なパーティーで王都に向かって出発だよ!


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