表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/186

第19話:痛い子が2人になっちゃったみたいだよ!

 奇跡的にも? 召喚が成功して、まったく予想してなかった魔族を呼び出しちゃったんだけど……。

 どうしようかな? と、思ってたとき、イザベラちゃんが服の裾を引っ張ってきた。


「お姉様……あの方は……」

「魔族だよ」

「それは見ただけで分かりますけど、お姉様のお知り合いなんですの?」

「う~ん。知ってるといえば知ってるのかな? 私を暗殺しようとして襲ってきた魔族なんだけど……。今回は護衛の教官さんもいるから、大丈夫だよ」

「その教官ですけど……」


 イザベラちゃんが視線を移す。

 私もそっちを見てみたら、そこには、空を見上げて、見えない何かと会話する教官さんが居た。


「現実逃避していらっしゃいますけど……」


 ダメだよ! 終わったよ私! いや、待って! ここには私よりも強い子が30人も……て、なに考えてるの私~~~~!

 私も現実逃避寸前だよ!





 うどんを食べ終えた魔族が、椅子からゆっくり立ち上がる。

 それを見て、イザベラちゃん以外の子達は、校舎へ逃げて行っちゃった。

 残ったのは、イザベラちゃんと……うん。教官さんはまだ、見えない何かと会話してる。


 魔族がゆっくりと歩いてくる。


「クックック。空間を丸ごと召喚なんて、どんな術式を使ったんでしょうね。後でこのテーブルと椅子を返してこないといけないじゃないですか」


 ごめんなさい。召喚の術式じゃなくて、テオールさんの攻撃魔法をイメージしたら呼び出しちゃいました。


「あの……お姉様。あの方、あまり怖いって感じじゃありませんわね」

「うん。そうなんだよね……」

「クックック。さて……」


 正面まで歩いてきた魔族が、腕組みして立ち止まる。


「……」

「……」


 ……。5分経過。


「お二人とも見詰め合ってないで何かしゃべっていただけますこと!」

「え? またあの決め台詞を言うんじゃないかなって、待ってたんだけど……」

「いやいや。私は召喚された身であり、命令を待っていたのですが……クックック」


 だったら、えっと……。

 腕組みして頭を捻り、何かないかと考えてみる。


「今日のところは帰ってもらってもいいかな~?」

「な! なんですと……」


 よろよろと後ろによろけて、左腕で両膝を抱えて座り込んで、地面に右手で、のの字を書き始めちゃった。


「……クックック……うどんを味わうこともなく急いで食べたのに……帰れって……」


 拗ねちゃったよ! 面倒くさいことになっちゃった! でも、そのまま帰ってもらうのも可哀相だよね……。


「お姉様。間違って呼んじゃいましたって、丁寧に説明してあげたらよろしくなくて?」


 イザベラちゃんが、耳打ちで提案してくれた。

 うん。それでいこうかな。


「あのね、違うの……」


 間違って呼んじゃったんだよって説明しようとしたら、私の体が輝きだした。

 どうして輝きだしたか分かんないけど、スキルのファミリーだよね?

 このスキルの効果って、仲間になるってこと? この魔族さんが?

 でも、間違って召喚しちゃっただけだし、1回、何かやってもらったらこの魔族さん帰っちゃうのかな?


「魔族さんの名前は? 私はサクヤっていうの」


 試してみることにした。


「クックック。私は作られし者。名などありませんよ」

「じゃ~クックさん! クックックって笑うから、クックさん!」

「――! ……。」


 バ! っと、勢いよく立ち上がったと思ったら、そのまま固まっちゃった。


「クックさん? どうしちゃったの?」


 変な名前だと思って、怒っちゃったのかな……。


「すばらしい!」


 叫ぶと同時に、クックさんの体も輝きだした。


「クックック。すばらしい名前ですよ!」


 クックさんが、天を仰ぐように両手を広げて叫ぶと、足元から光の柱が天に向かって立ち昇った。

 そして赤く鈍く光ってた体が、足元から上に向かって、白銀へと変わっていった。

 全身が白銀に変わると、立ち昇っていた光がクックさんに集まっていって弾けた。


 そこに居たのは、今まで赤く鈍い光を放っていたクックさんとはまるで違う、白銀に輝く鎧を身に纏い、左腕に白銀の盾を身に着けて、優しい光を放っているクックさんだった。

 そして、クックさんが片膝を着いて、頭を下げてくる。


「クックック。このクック……クックさん? すみませんが、どこまでが名前なのでしょう?」

「クック……さん?」


 うわ! 言われて自分でも分かんなくなっちゃったよ!


「このクックさん。今このときより、我が身命を捧げ、サクヤ様にお仕えいたしましょう!」

「ちょ! まってまって!」


 両手をバタバタさせて言う。

 仕えるとかって、家来になったってこと? 極端に言うとそうだよね? え? 私が主?


「私では力不足と……」

「そうじゃなくて! 力は知ってるよ。私の家を壊しちゃったし」


 トドメをさしたのは私だけど……。


「私のスキルはファミリーって言うの。意味は家族ってこと。だから、仕えるとか、家来になるってことじゃないと思うの」

「その言葉を待ってましたよ! クックック」

「待ってたの!?」

「クックック。何をそんなに驚いているのですか、お母様」

「……え? お母様?」

「家族とはそういうものでしょう?」

「私まだ15歳だよ!」

「それを言うなら、このクックさんは作られてから3ヶ月も経ってませんが? それにお母様の力で生まれ変わったのです! お母様をお母様と言わず、何と言いましょう!」

「ちょっと待って~~~」

「お姉様! 私に弟が出来ましたわ!」


 クックさんは仲間を呼んだ!

 イザベラちゃんが仲間に加わった!


「お~! 姉上、これからよろしくお願いしますよ。クックック」

「よろしくお願いしますわ! これから2人でお姉様を助けていきましょう! クックさん!」


 2人は固い握手を交わした。


 意気投合しないで~~~~!


「サクヤ様でいいから! お母様はやめて~~~!」

「クックック。そんなに慌てふためいて。冗談ですよ、サクヤ様」

「冗談だったの!?」

「慌てるお姉様も可愛いですわ!」


 2人は固い握手を交わした。

 もう好きにして……。




 クックさんはどこまでが本気か分かんないけど、痛い子が2人になっちゃったみたいだよ!

 これからどうなっちゃうの? 2人相手にしてたら大変だよ!

今回は会話多目だったかな?

評価、感想貰えると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ