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第14話:冒険者養成学園に入学することになりました

 暗殺者の襲撃から数時間後、レオドナドさんが門から屋敷を見て固まっている。

 一応、報告しといたほうがいいだろな~と思って呼んできたんだけど。


「こりゃまた、すげーな」

「うん。でっかい岩が突き刺さっちゃってる」

「いや! 違うよサクヤちゃん! その先を見ようね! どうして屋敷が半分ほとんど崩れるように壊れちゃってるのかな!」


 やっぱりそこか~……。修理代は私が出さないといけないのかな……。一生かかっても払える気がしない……。

 レオドナドさんが壊れたところを指差しながら腕をブンブン振っている。どうしよう?


 1、嘘泣きする。

 2、ウソ泣きする。

 3、うそ泣きしてみる?


「うわぁぁぁん! 怖かったよ~」


 レオドナドさんの胸に顔を押し付けて(実際はお腹だけど)泣いてみた。


「うん! 今まで泣いてなかったよね! 怖がってなかったよね! 岩が刺さってるって無邪気に言ってたよね!」

「……魔族がね、襲ってきたの……」


 顔を押し付けたまま少し上を向いて、目を見つめる。世に言う上目使いっていうの?


「――っ! ま、まぁ、なら仕方ないな」

「修理代……」

「心配するな! 俺が……ギルド資金で全部出してやる!」

「おい。これは何の茶番だ。子供達が口を開けて固まってるぞ」

「わわ!」


 ラグルさんの声を聞いて慌てて離れる。

 眠ったままのモフモフさん達を介抱してたラグルさんと子供達が、いつの間にか隣にいた。


「ば! お前悲しんでるサクヤちゃんを放っておけないだろ!」

「……お前に2つ名を授けてやろう。デレ堕ちた男レオドナドとな!」

「お前なんて勇者のパパ少女キラーラグルじゃねーか! 何1度に2個も付いてんだ! ば~かば~か!」

「俺はデレてないし! 嘘泣きに騙されてデレやがって! ば~か!」

「2人仲いいな~」

「「ちょ! サクヤちゃんが原因だろ!?」」

「え~~~」


 息ぴったり。やっぱり仲いいよね?




「ま~、冗談はそれくらいにしてだ。ラグル、魔族の襲撃なんて対処できるか?」


 割と本気で言い合ってた? レオドナドさんが、地面に深く刺さったままの岩に触れながら言う。


「いや……さすがに俺1人じゃ無理だな」


 崩れた屋敷を見ながら。


「3階が完全に崩れてきてるな。こんなの生身の人間なら掠っただけで消し飛ぶぞ」


 ラグルさんが状況みて言うけど、本当はね、レオドナドさんを呼ぶ前に、修理できないかな~っと思って、1階の壊れた窓枠を倉庫にあった金槌で『カンカン』したら、3階部分が崩れてきた。なんて言えないよね……。


 レオドナドさんが屋敷を見ながら溜息をついて、考え込む。


「しかし……屋敷の修理もそうだが、また魔族の襲撃があると考えていいな。ラグル、なんかいい考えはないか?」

「う~む。護衛の兵をつけてもらっても、狼たちを簡単に眠らすほどの能力だしな……」


 それから2人とも考え込んじゃった。

 そんな2人を見ていたら、隣にいた子供が私の服の裾を引っ張った。


「お姉ちゃん魔族を追い払ったの?」

「ううん。勝手に攻撃して、勝手に帰っちゃった」

「ははは。弱いお姉ちゃんが勝てるわけないだろ。学園も卒業してないって聞いたし」

「だったら今から学園に入ってみたら? それか僕達を護衛に雇ってよ。そうしたらモフモフさんと毎日遊べるし」


 それを聞いてた2人がバッと振り向いてきた。


「それだ!」

「え? どれ?」


 子供達を護衛に雇うの?


「学園だよ学園! 寮もあるし、なにより指導教官もBランク冒険者並みの奴らだしな! 護衛にはうってつけだ!」

「レオドナド! 早速手続きだ!」

「任せろ!」


 走り去っていくレオドナドさん。


 普通は12歳で冒険者養成学園に入学して、15歳になったら卒業して、それから冒険者登録をするらしいけど、私の場合は、いきなり冒険者登録だったからな~。




「へ~。そんなことがあったのね」

「うん。でも、強かったけど怖いって感じはしなかったな~」


 ギルドのテーブル席で、テオールさんと家であったことを話してた。

 あの魔族は、最初のインパクトが強すぎたのか分からないけど、恐怖っていうのはあまりなかった。

 

 最初の攻撃は、私の頭を正確に狙ってきてた。でもその後の攻撃は、わざと外してたと思う。

 冷静に壊された家を見てみると、1階の窓枠の真ん中から上、特に2階と3階にかけてが壊れてた。

 そう、2回目の攻撃は、背の低い私だと立っているだけでも『当たらなかった』と思う。

 そしてあの岩。そこに跳ぶのを先読みしてって言ってたけど、横に倒れた私の頭のさらに1メートル先に落下した。はっきり言って、真横に2~3メートルも咄嗟に跳ぶなんて、私の身体能力だと無理なんだよね。

 これは全部、冷静になってから思ったことだから、真相は分からないけど。


「で、修理の間は学園の寮に住むことになったの?」

「うん。そこで学生として勉強とか訓練しながらだけど」

「でも、大丈夫かな?」

 

 テオールさんが頬杖をして、心配そうに覗き込んでくる。

 何を心配してるのかな?


「サクヤちゃん武器装備できないでしょ? クラスはどこになるのかな? 戦士科? 魔導科?」

「忘れてた!」

「ま、なんとかなるかな。すでに冒険者なんだし」


 だよね! 武器なんか装備できなくても、私はもう立派な冒険者。しかも見習いじゃなくてランクE!

 15歳の最年長クラスに入ったって、なんとかしてみせる!


 テオールさんと楽しみだね~って言ってたら、レオドナドさんが駆け込んできた。


「サクヤちゃん、君のクラスが決まったぞ! 12歳の最年少初級クラスだ!」


 どうして12歳なの~~~~~~!

 うん、分かってる。背の高さで決めたって……。

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