表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/186

第109話:3本の矢で団結!

お待たせしました><

 模擬戦の開始当日の朝、私はみんなの前で演説をすることになっちゃった。

 士気を高める為ってクックさんは言ってたけど、すでにオークさん達はブフーブフーと鼻息を荒くして、ウルフさん達はウゥゥ~って唸りながら牙を剥き出しにしてる。

 うん……。戦いが近いことを感じ取った野生の戦士……士気最高潮って感じだね。


 演説必要かな?


「注目~。ここに1本の矢がありま~す」


 この演説のために用意した1本の矢を皆に見せる。

 中学生のときに歴史の授業で習った3本の矢の話を皆に聞かせてあげよう!


「この矢が1人の力だとするとね。こんな矢なんか簡単に……この! えい!」


 はい! 私の力だと簡単に折れません!

 ていうかさ~、矢って意外と硬いね……。


 てことで、その辺に落ちてた細い枝を拾った。

 これなら女の子の力でも折れるよね!


「こんな枝なんかね、簡単に……この! えい!」


 僅かに曲がっただけで折れません!


 地面に枝を突き立てて、上から下に全体重をかけるように!

 意地でも折ってやるんだから!


 ぐにぃぃ~……。


「はい。ということでね、私は解説。クックさんが実演します」

「「「今までのは……?」」」


 疑問の視線が集まってる! だって仕方ないじゃん。枝が折れてくれないんだもん!


「クックック。矢を折ればいいのですね?」

「うん。そうそう。で、1本の矢だと簡単に折れるよね」

「もちろんですね」


 パキっといい音がして、クックさんが私の言葉通り、右手に掴んだ矢を親指を押し込むだけで簡単に折った。

 ここまで力の差を見せ付けなくてもいいんだけど……ま、いいか。


「でね。2本の矢でもちょっと力を込めると」


 バキ! メキョ!


 2本の矢を握り締めて砕け散った。

 これ……流れ的にヤバイよ。


「でもね。1本2本だと簡単に折れちゃう矢でも、3本が1つになったら、簡単に折れなくなる……」


 バキョ!


「折っちゃダメなのぉぉぉ!」


 広げた手の指と指の間に同時に挟んで閉じただけで砕け散ったよ。

 最初にこの話を説明しておくんだった!


「クックック。そうだったのですね。すみません。ですが、サクヤ様が言いたかったことは皆に伝わりましたよ」

「え?」


 今ので? あ、もしかして、この世界にも同じ話があるのかも。

 バラバラだと弱いけど、皆1つになって結束したら凄く強くなるっていう話が。


「クックック! そうですよね、皆さん!」

「「「おおお! みんなの力を合わせて、細い枝も折れないサクヤ様を守るぞぉぉぉ!」」」


 違う! 違わないけど微妙に違うよ!

 みんなの想いが1つになったけど、違うんだな~。


「お姉様! 見てくださいまし! オークさん達の体が光り輝いてますわよ!」


 新しく仲間になった普通のオークさん達の体が光ってる! 

 これって、もしかしてファミリーが発動した?


「「「守る力を! 漲ってきたぁぁぁ!」」」


 光が収まってそこに姿を現したのは、全身を重厚な鎧で身を包み、全身を覆い隠すことが出来る大盾を手にしたオークさん50人。


 オークガーディアン:オークナイトの守備特化型。


 騎馬兵の突撃も簡単に防ぎ、ドラゴンの突進も皆で力を合わせ、根性とやせ我慢で防ぎきる!

 サクヤ様を守るためなら120%の力を発揮する。

 他の奴等? そんなの知らん。自分の身は自分で守りな!




 ・・・。はい! おかしい! 最後の説明は絶対おかしいよ! お願いだから他の人も守ってあげて!

 そしてね、やせ我慢はよくないよ!




 オークさん達が予想外な進化をして、戦力は十分になった。

 丘の多い所を避けて、平地に布陣する。

 今回の作戦は起伏の多いところだとやり辛いんだよね。

 配置した陣形は、最後方に私達の本陣。最前線にはオークさん軍団が横1列。少しだけ後方の両翼にウルフさん達に乗った機動魔導師部隊。

 これで準備は整ったね。


「クックック。そいえば、数日前から相手の偵察兵が何人かウロチョロしてましたね」

「え? だったらこっちの作戦は筒抜けじゃないの?」

「問題ないでしょう。こちらは都市の1つや2つ、軽く一晩で滅ぼせる戦力なんですからね。クックック」

「……」


 え? いつの間にそんな凄い軍勢になってたの? 全然そんな感じしなかったんだけど。


「魔物と人族との戦闘力の違いは大きいのですよ。特にこちらはサクヤ様が進化させたオーク達が主力ですからね」

「私は何もしてないし! 勝手に勘違いして進化しちゃっただけでしょ!」

「クックック。まあ、団結した副産物みたいなものですよ。さてと……布の厚さはこれくらいですかね」


 クックさんが自分の剣に布を何重にも巻きつけて、それを確認するかのように何回か剣を振った。

 模擬戦で刃が剥き出しの剣を使ったら、当てられた人が死んじゃうからね。

 オークさん達も持ってる斧に布を巻きつけて、近くにあった岩で布の厚さを試して……。


 バコォォォン!


 2メートルはあるオークさんと同じくらいの大きさの岩が砕け散ったよ。


「模擬戦っていうのはやったことが無いから良く分からんが、全身の骨が砕けても死ぬことはないだろう」

「「「これくらいでちょうどいいな!」」」


 ちょっと待ってぇぇぇ! 全然よくないよぉぉぉぉ!




 ……てことで、全員、布を巻きつけた木の棒に持ち替えて、模擬戦開始です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ