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物語のお墓 ※供養中

裏ボスの人生

作者: 粘々寝

〇年1月1日

 

超古代文明遺跡に配属された。私はどうやらその最奥部で主人公達を待つ存在のようだ。クックック…インチキ能力で主人公共を地獄に落とす日が楽しみだ。


〇年2月1日


超古代文明遺跡に配属されてから1ヶ月になる。まだまだ主人公がやってくる様子がないので、ダンジョンに配属されている別のモブ達に挨拶周りをすることにした。


〇年3月1日


オーヴァーゲイズという存在と話してみた。彼は特殊能力として見た者を石にしてしまうらしい。彼はその特殊能力を誇っていたが、それよりも6回連続行動の方が凶悪だと思った。勿論即死級の全体攻撃技も完備している。この超古代文明遺跡に生息するレベルの存在になると防御能力は殆ど意味をなさない。つまり最大行動回数が3回の私よりも瞬間火力が高いのだ。モブなのに


〇年4月1日


主人公達はまだ来ない。

 

グレイテストデーモンという存在と話してみた。彼は強大な暗黒魔法を行使するらしい。その破壊力は凄まじく、主人公の到達可能な最大HPの10倍のダメージを与えるらしい。だが、そんな事よりもオーヴァーゲイズを4体召喚するというその特殊能力を使った方がいいのではないだろうか。とツッコもうと思ったけどやめた。


さらに言ってしまえばアニメ―トというスキルを使えば1ターンで主人公のPTを全て洗脳できる。彼らは独自の価値観を持っているようだ。


一方、私の最大の攻撃はメギドフレイム、全体に最大HP-1のダメージを与える。一定ターンまでに私を倒しきれなければ無条件で敵を全滅させる。というものがある。この遺跡の存在は1ターンで倒せなければ全滅させられるようなのがたくさんいる。ちなみに固さと耐久力と耐性だけならヒヒロカネタイマイの方が私の数倍上だ。


私は自分の長所が分からなくなっていた。


〇年5月1日

 

一般的な主人公であればそろそろ本編くらいはクリアしていてもいいころではないだろうか?トロフィーのコンプリート率を確認してみる。最初のボスを攻略すると手に入るトロフィーの取得率5%だった。


嫌な予感がしてきた。


〇年6月1日


主人公達はまだ来ない。

 

外の世界のGoogleというテクノロジーに干渉してみた所。どうやら一番最初のボスはビッグキャタピラーというらしい。120m砲を食らえばその時点の主人公の装備では一撃で倒されてしまうらしい。


無差別に主人公のプレイヤーをフレンドリストに登録してビッグキャタピラーの攻略法をメールしてみた。ネタバレすんな死ねってメールが帰ってきた。


寝よう。


〇年7月1日

 

主人公達はまだ来ない。

 

ググってるとまとめサイトというものがあった。

 

『私の所属する世界のタイトルが大爆死wwwwwww』

 

という見出しがあった。

どうやら私の所属する世界はクソゲーだったらしい。


〇年8月1日


主人公達はまだ来ない。

 

創造神の啓示が張られている場所に行ってみたところこのような書込みが行われていた。


 『〇年1月5日:2章以降に進行不能になるバグ』 


再現性が高く、どうやら回避策はないようだ。しょうがないので短編小説でも書き始める事にした。


〇年9月1日

 

そういえば長い間超古代文明遺跡に戻っていない気がする。オーヴァーゲイズの奴はどうしているだろうか。片思い相手のディグニティアイドルと上手くやっているのだろうか。

 

ちなみに今、私は「https://syosetu.com/」という場所にいる。私は超古代文明遺跡への戻り方が分からなくなっていた。


〇年10月1日


ここ、なろうでは私のような存在を異世界転生者というらしい。だが、それがどうしたというのだ。私に与えられた役目は主人公を地獄に叩き落す事。


一先ず創造神の開いているサイトの問い合わせフォームにメールを送る事にした。バグをフィックスしない限り主人公が2章以降に進めないからだ。


〇年10月10日

 

メールが帰ってこない。


どうやらサイトは開いているけど運営はしていないらしい。

アマゾンとかでもそう書いてある。


創造神は無責任だ。作るだけ作って捨てていきやがる。


×年5月1日


プログラム言語というモノを覚えた。

これでバッチプログラムを作成することができる。 

私の存在していた世界が作られてから3年が経っていた。


×年6月1日


サーバーに入り込み、バッチプログラムを勝手にリリースした。これで2章で進行不能になるバグが無くなったはずだ。

 

さぁこい主人公達よ。地獄に叩き落してやる。


×年8月1日


どうやら創造神の世界では私の世界を読み込むための機器が既に製造停止になっていたらしい。創造神はまだ私に試練を与えるというのか


私の名前は神と呼ばれし者。そう、呼ばれているだけだ。


×年12月1日

 

電子ドラッグを作成してウイルスとしてばら撒き、ネットサーファーを洗脳することにした。洗脳したプレイヤーにSNSやツイッターでクラスターマーケティングを行わさせる。これで製造停止になった機器の再製造が行われるはずだ。


XX年1月1日


どうやら私の事は国際電脳テロ組織、コールオブゴッドと呼ばれているようだ。危険なのでインターネットには近寄らないようにと全世界のテレビジョンで放映されている。小癪な…だが、それなりの数のプレイヤーが現在進行形で私の世界を攻略しているはずだ。

 

主人公達が来る日が近い。私はそう信じている。


XX年2月1日

 

ついに裏ダンジョンに侵入する主人公が現れたようだ。〇chとかで書込みが確認された。wikiにも情報も充実してきた。まぁ編集したのは全て私だがな


ここで困った事になる。私はどうやって超古代文明遺跡に戻ればいいのだろうか。これでは私は主人公達に倒される事ができない。


XX年3月1日

 

裏ボスの討伐報告が上がる。y〇utubeでの動画も確認している。あれは私…では私は一体なんなのだ…


手が震える。頭がズキズキする。喉の奥がチリチリする。


XX年4月1日


 全て理解した。


日記はここで終わっている。


エターナルの海に沈んだ者の末路ってこういうものなのかね

ちなみにモデルはモンスターリストのコールオブゴッドさん


メギドフレイムと言ってるのは超遠距離拡散プロトンビームのことです


こうはならないようにしてあげたいものだ

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まおー様の対勇者戦線

裏ボスではなくてまおー様ものの中編小説もよろしくお願いします。

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