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アルコール奮闘記  作者: かんね
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疑い

おかしいと感じてきたのは、私が専門学校に通いだした頃だったと思う。

あれだけ仕事に打ち込んでいた母が、仕事を休みがちになっていった。

最初は、「風邪を引いたみたい」その一辺倒だった。3日休んで、仕事に行き、5日休んで仕事に行き。

日がたつごとに母の休む時間が伸びていった。


それに伴って、家の中でも、少しおかしい・・・と思うことが増えた。

明らかにビールや酒の類が減っていた。 まさかその時は母が呑んでいるなんと思ってもいなかった。

最初は「気のせいだろう」、そう思っていた。


しかし、日が経てば経つほど、酒の量が減っていた。

何かがおかしい。 どこに消えてるんだ 冷蔵庫の中に入れていたビールも、父が晩酌で呑む日本酒も、すぐ気づく量で減っていた。

その頃には、母も3週間ずっと仕事を休んでいた。飯も食わず、昼も夜も寝ていた。


家族の中で、疑いの目が母に向いていた。


学校から帰ってくると、母からアルコールの匂いがプンプンしていた。

「これは・・・どうしたらいいんだろう・・・」18歳ながらに、危機を感じていた。


こうなったのは、原因がある。

兄の借金と、更年期障害からの鬱症状だ。

兄は、7つ年上、特にお金のことにルーズだった。クレジットカードを使いすぎ、気づいた時には、自分では返せない額になっていた。そのことがまず1つ


母の家系は、更年期障害が重度にでる家系だ。母方の祖母(母で言うお母さん)も70近くまで更年期障害の薬を飲んでいたほどだった。

夜が眠れず、酒を飲めば眠れるかも  そう思ったが実際は眠れず、酒の量が増えるばかりだった。

そして、なかなか仕事に来ない母を心配して、デイサービスの利用者さんが電話をかけてくれる。

自分で自分のことを追い込んでいった。


飯を食わず、寝続ける。

そして起きた時は家族の目を盗んで、酒を飲む。

ヒドイ悪循環だった。





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