盗賊を大掃除のはずなのですが…?
非常に迷走中。
「髪が赤くなった!」
「なんでだ?」
「し、色素がなんかなったんじゃ無いか!?」
「それ答えになってねえから」
目の前の少女に怖がることもなく、盗賊団は俺らの前に来た。
「そこの赤髪のガキィ……久しぶりだな。ぶっ殺してやるよ」
「赤髪ちゃんよぉ…おっぱいちょっとおっきくなったか?」
「初めましてだなぁ赤髪ちん。ちょっと脇のにおい嗅がせてくれないか?」
一人目は誘拐犯の普通の方。
後半二人のロリコンは前が前回ハクにナニを潰された方で後が例の親分だ。
「生憎だが、この体はこいつのものであって俺のではねぇんだよなぁ。だが、これに傷一つでも付けるなら容赦しねぇよ?」
「赤髪ちゃんがなんか言ってる。声もかわいいとかまぢ天使だな」
「そうっすね親分!俺も不能だったチンコに血が巡ってきてる気がするっす!」
不能になってたのか……可哀想に。そりゃあ踏み潰されてたもんなぁ。流石に不能にもなるわ。
「おいお前らさっきから赤髪ちゃん赤髪ちゃんいってるがよぉ……」
ハクは少し苛立った様に言った。
「俺の髪の色は紅だ!」
それに対して盗賊団は
「ごめんな、紅ちゃん」
「だからわき嗅がせてくれ。紅ちゃん」
「ごめんマジでキモいお前ら」
「ぶっ殺す。おいジント。速く出ろよカス」
『了解いたしました』
彼女の腕周りから光が放たれ、気がつくとそこには大鎌が握られていた。
『久しぶりの感覚ですね。やはり素晴らしい』
「んじゃあ、変態潰すか」
真っ先に親分のところへ向かい、前回のロリコンと同じ刑(不能になる)を処して、不能が直ったロリコンを前回の1.5倍程度の強さで上から下へつま先で抉る。
その後、「~スギィ!」と言った奴のところに向かい頭を大鎌の持ち手側の端っこで思いっきりスイングした。
ロリコン可哀想だな…
「おっけおっけ完璧だ。後変態な奴手を上げろ。ぶちのめす」
しっかりと三人の首を刈り取り口にした。
「お、おいハク。そこまですることないだろう……」
「こいつの害になるならぶち殺すまでよ。それにこいつ前科あるし」
「だからといっていきなりグロ展開にするなよ。読者が驚……」
「ストップ。おまえなにいってんだ」
あ、俺は何を言おうとしていたんだ……?
「おい、ここら辺だよな」
「はい、そのはずですよ?」
若い男の子と女の子の声。
そちら側を向いてみると、声の通り小さな二人がそこにいた。
男の子の方は赤い胴着と上にとんがっている赤い髪の毛。身長にしてはかなりの筋肉がついていることが分かる。
女の子の方は青い胴着を着てふわふわとした短いツインテール。垂れ目でもつり目でも無い、無表情のような視線と少し膨らんでいて可愛らしい(何がとは言わないが)。
「おい、ここら辺にスラリスって名前の奴知らねーか?」
「私たち今探してるんですけど、なかなか見つからないんです」
「スラリス……って昔の魔王だろう?この時代にいるわけがないじゃないか」
「少なくとも俺らはスラリスってのは知らねえよ」
すると、二人はこそこそと話し始めた。
「スラリス様が記憶を失ってるだ何て聞いてねー」
「でもおそらくあの子がスラリス様なのは確定ですよ?」
「そうだな。じゃあ無駄なこと考えずに」
「「お持ち帰りして思い出させるか(ますか)」
「スラリスは封印されてるんじゃねえのか?」
コウが二人に対して当然の疑問をした。
それもそのはずだ。今までの歴史書をすべて書き直さなければいけないレベルのことを彼らは今、話しているのだから。
「いいや、スラリス様はもう封印されてなどいない」
「でも、記憶をなくしてるらしいので、スラリス様を拠点まで運ぶのが私たちの任務です」
「まず何で君たちはスラリスを探しているんだ?拠点?ってことはグループだよな」
それになぜこの子たちはスラリスのことをここまで知っているんだ?
いくら昔の魔王だからと言って、どこにいるかとか封印が解けてるとか解るのはおかしい。
「なあ……君たち何者だ?」
ゴクリとつばを飲み込み、二人に聞いた。そして、その答えは、
「私達はスラリス教です」
邪教ナンバーワンの最悪の宗教が名乗られたのだった。