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彼女は普通だったはずなのですが……?

後半説明です。

未だ主人公の名前が作中にでてこないふしぎ。

書き直し完了!

「なかなかに過激なモンをこれに見せてくれてんじゃねえか」


 そして彼女は少し前の、白目白髪モードではあり得ないような口調で口上文をいい始めた。


「《てめぇらに未来を教えてやる》」

「《てめぇらはこれをレイプしようとした》」

「《めぇらはこれを奴隷として売ろうとした》」


 俺も、勿論誘拐犯も呆然としている。


「《てめぇらはこれにとって悪だ。だから罰を受けてもらう》」

「《てめぇらの腐った考えぶっ壊してやんよ》」


 口上文中、誘拐犯は動かなかった。いや、動けなかったのだろう。

 恐ろしい覇気に当てられ、汗が吹き出て顔が真っ青になっていた。勿論俺も。俺に向けられたものでは無いのに。

 そして、赤い目の少女は動き出した。


 まず一人目、出たまんまだった逸物を潰すように蹴り、その衝撃で後ろに押し下げた。


 超痛そう。正直俺も「うげっ」って声が出た。それほどに容赦なく蹴り潰したのだ。


 そしてその蹴った力を使い、空中で回転しながらもう一人の後頭部を爪先に引っ掻けうつ伏せに倒れさせる。

 一人は痛みで動けず、一人は横隔膜への刺激で呼吸ができなくなっていた。


「ま、こんなもんでいいか。また抵抗するようなら何度でも痛め付けてやるよ」


 そう言って男の頭をゲシゲシと踏みながらそういった。


 真っ黒い外套がふわりとたなびき、こちらをくるりと向いた。

 正直やっている所がエグすぎてコメントしにくいのだが、しないわけにはいかない。明日は我が身かも知れないのだ……。


「……嘘だろ?」

「あ?嘘じゃねえよ本物だ。さっきまでお前に話しかけてたもう一人のこれ。いや、正確にはこれに憑依したなにか、だな。ああ、ちなみにこれの名前はコウだ」


 コウ……紅かな?あいつの髪の毛は真っ白だったが……。


「お前の名前は?」

「俺の名前?んなもんねえよ。ただのこれに憑依している人格だ」


 なるほどな、名前をつけてくれる相手がいなかったのか。


「じゃあ、俺がつけてやる。そうだな……」


 主の方が紅ならこっちの方は白だろうか?


「ハクってのはどうだ?」


 すると、ハク(仮)は少しキョトンとして、笑い始めた。

「ハハハッこれが紅だから俺が白ってか。分かりやすすぎんだろ!!」


 ハク(仮)はひとしきり笑った後、


「てか、憑依とかそういうのには疑問を抱かねえのか?」

「あるにきまってるだろ?でも呼び名が決まらないとコミュニケーションも取れないからな。で、ハクでいいのか?」

「んー。ま、少し単純すぎる気もするがまあいいだろ。んじゃ質問してこいよ」


 質問できるのはありがたい。こちらも聞きたいことはたくさんある。


「取り敢えず、お前は何だ?」

「俺は俺……だな」

「別に哲学的なの求めてない」


 少し顔をむうと膨らませ、


「さっきもいったがこいつに憑依している。元はこの外套の中に封印されてたんだが、この外套を来てる奴がこれの上の部分を被ると俺が体の主導権を握れるって感じだな」


 理解はできた。出来たのだが……。


「一個答えを聞くと二個質問が出てくるな……」


 すると、その独り言をハクは拾って、


「まあ理由なんてこの外套…めんどくなってきた。これパーカーな。で頭被る部分はフードだ。覚えろ。んで、全部このパーカーが理由だから、なんで?なんで?って聞かれてもわからんとしか言えねえよ。んで、次の質問は?」


 そこから俺の、怒濤の質問ラッシュが始まった。


「白かった髪はどうなった?目に色素が移ったのか?」

「この紅は俺の魂みたいなもんだ。何故だかここに来てから俺の場所がパーカーから変わっててな。どっちにしろフード被らねえと憑依できねぇからそんなに意味はなかったけどよ」

「なぜ外套…ぱーかー?の色が変わった?」

「万が一俺がパーカー着てる奴の体に憑依して外に出てきた場合……今みたいな状態の異ことな。俺の覇気やらオーラやらが垂れ流しだと被害が半端ねえから、それらを遮断するために魔術使って黒くなってるんじゃねえか?」


 なるほどな、少しずつわかってきた。しかし、まだまだ理解できていない点は多い。この疑問を解消してくれなければ、何だか働き損みたいだ。別に利益を得るつもりは無かったが。


「まだまだあるからもう少し付き合ってくれよ?」


 するとハクはこちらをしっかりと見てにやりと笑い、


「ああ、いいぜ。その代わり主はちゃんと保護しろよ?ここまで秘密教えて、まだ教えろって言うんだからな」


 爆弾発言を口にした。


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