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何も変わらない生活だったはずなのですが……?

これよりちゃんと主人公視点。

書き直し完了!

 図書館。それは冒険者にとっての、未知のジャングルや発掘家にとっての探索されていない洞窟のような物だ。

 人一人では絶対に買えないような蔵書数を誇り、今はもう売られていないであろう珍しい本まで大量にあるのだ。

 いくら読んでも読み切れないだろう。

 結構読書について俺は雑食だ。ミステリーなんかも読むし、恋愛物だって読む。群像劇やファンタジーなんかも意外と好きだ。


 そんな俺が今日も今日とて、ほとんど毎日同じ朝の時間に通っている道を歩いていると、


「すいません。おすすめの場所を教えて頂きませんか?」


 朝の、とさっき書いたが、朝にも結構な時間差があるので説明しておこう。

 現在時刻は午前五時。大体の人は眠っているのでは無いだろうか。

 魔力、という、恐らく枯れることが無いであろうエネルギーが基本的に全てを動かしている。その中には勿論、目覚まし時計だってある。目覚まし時計により、日が昇ると同時に起きる、と言う人間の生活は無くなったと言って良いだろう。


 何故日が昇ると同時に起きるのか、と言うと全員がその時間に起きるから。つまりはその時間から社会活動が始まるからだ。

 だが何時に、と具体的な時間指定は無いため全員と同じくらいの時間に起き無ければ遅れてしまったり等、支障が出るのだ。

 例えば、会社の始まる時間がいつだかわからないので誰よりも早く行くことで遅刻しないようにする、みたいな。


 それはひとまず置いといて、今は早朝の五時。

 起きてる人もそう多くはないし店だってそこまで開いていない。ぽちぽちと、いくつか出てはいるがごく少数だ。

 そんな時間に道を歩いている人、と言うのは毎日基本的に変わらない。


 そんな、いつもとほぼ変わらない道を白目銀髪の超絶美少女がいたらどうなるか。

 恐ろしいほどの違和感を醸し出すのだ。

 そんな、違和感の源流に話し掛けられている現状。


 彼女の話し方はかなりたどたどしい。

 別に滑舌が悪いとか、そういうのでは無いのだろう。ただ単に発音が下手なのだ。では他の言語の場所から来たのか?

 恐らくそれは無いと言って良いだろう。俺が知っている四つの国の共通語が今彼女の話している言葉だ。


 にしたって何で俺なのだろうか。道を歩いてる暗めな男だ。普通だったらこんな男より、そこに居る優しそうなおばさんやあっちの人畜無害そうな、男に聞くのでは無いだろうか。


 人のチョイスまでも、謎なこの少女、さっきも言ったとおり、外見はとても可愛い。

 十四歳くらいだろうか。うるうると水分が多く輝く瞳の白色は、まるでシミが一つも無いシルクのようだ。それに比例するぐらいの白い肌も、まるでプリンのように触ったら返ってきそうなほどよい弾力を感じられる。

 肉体の凹凸は余り大きくないが、少女特有の触れたら折れてしまいそうな可憐さがある。

 俺が見た中でもダントツの美少女と言って良いだろう。


 そんなダントツの美少女である彼女の頼みを断れるはずも無く、俺は俺が大好きな、ある場所へ連れて行った。


 ↓↓↓↓↓

「いや、すっげぇな!あんな綺麗な図書館初めてだわ!」


 この白目白髪の彼女は興奮したように、図書館から出た直後に話し掛けてきた。

 そりゃそうだ。俺がオーナーな訳では無いが、自慢の図書館である。

 ここで働いている物として、少し鼻が高い。


「綺麗だろ……ってあれ?」


 彼女がいなくなっている。あの一瞬で?


『おい、何すっとぼけた声出してんだ。速くしねぇとあれがヤられるぞ!』


 そして、頭の中に謎の声が響いてきた。


 正直なにがどうなっているのか、キャパオーバーで理解できていない。

 この謎の声、話し方は全然違うがよく聞くと彼女の声と言うことがわかる。


『良いから走れ!俺が指示する!』


 俺の街の全力疾走が始まった。

 だって、彼女、ヤられちゃうらしいじゃん?せめてもう少しは、純潔であって欲しい。


 もう必死だ。今まで、こんなスピードで街を走ったことが未だかつてあっただろうか。


 裏路地に入り、謎の声に従って走る。すると、見えた。

 彼女が二人の男に囲まれているのが。


『急げ、あれのパーカーを頭に被せろ!』


 パーカーとはなんぞ!?知らない単語だ!今のキャパオーバーの俺にわからない単語を教えるな!


『ああもう、めんどくせぇな!外套の頭の部分だ!』


 最初からそう言えよ!

 俺は勢いよく、それを掴み少々乱暴に頭に被せた。


 もう、減速なんて考えていなかったのでその反動で俺はヘッドスライディングする羽目になった。

 そして、白目白髪は綺麗な紅色に染まり、


「なかなか過激なモン、こいつに見せてくれてるじゃねぇか」

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