俺は男だったはずなのですが……?
始めまして。
TS、一人称視点が嫌いな人はブラウザバックしましょう。
…しましたか?
一話目はTSヒロインのコウ視点です。
次話以降は主人公のブリキ視点なので、少し読みにくいかもしれません。
最後まで付き合っていただけると幸いです。
目が覚める。
知らない天井と電球ではないであろうランタンのなかから染み出てくるどこか機械的な光だった。
「ここ……どこ、て言うかなんだよこの声なんだよこの手!?」
俺が見たものは小さい、女児のようなて(漢字ではなくひらがなで言った方がいいほど丸くて可愛らしい)と、聞いたものはとろけるようなロリボイス。
「え?まってどういう事だ?」
気付いたら知らない場所にいて、男子高校生だった俺が(声とてから察するに)女の子になった。
わからん。
夢……かな?
夢だよね!
夢だそう夢に決まってる。
嫌な予感がするがせっかくの夢なので満喫しておこう。
部屋を見てみる。
ビジネスホテルと同じくらいの広さだろうか。長方形で、ドアから見て右端にベッドがある。
ベッドの感触は敷布団は固いし、掛け布団は薄っぺらい。
夢なんだからいいの使えよ……。
ベッドとは反対側に窓と一番端に小さめの机がある。
窓の外は……どうなってんだろ?
自分の夢だからそこまで、詳しく出来てないかも。
以外や以外、外の風景もちゃんと見えた。
中世ヨーロッパ風、とでも言うべきか。外国風の建物がいくつもならび、少し遠くを見ると城のようなものがある。
近くを見ると道の両端に青いラインが建物に沿って並んでおり、街灯と回路のように繋がっている。
あの青いのは地球で言うところの電気と同じかな?
人を見てみると、スマートフォンのようなものでゲームをしているように見える。
この世界にもスマホあんのか。
とまあこんな感じだろうか。
……部屋から出てみるか。危険はなさそうだし。
部屋をでると木の床とと煉瓦で出来た壁が見えた。
くるりと百八十度回転すると、これまた木でできたドア(なぜか鍵だけ頑丈)と、その真ん中に『103』の数字。
部屋番号……ってことはここはどこかの宿泊施設なのかな?
ガヤガヤの多いほうへと歩みを進めると、受付のような場所とご飯を食べている数人の人が見えてきた。
すると、受付嬢のお姉さんが俺に向かって何か言ってくる。
「Could you tell me the name of the 103rd room?」
英語!?
ちょ英語無理なんだけど……。
えっと、
103室の名前を教えてください。
って言ってんのかな?
あ、俺の名前のことか。
「ま、マイネームイズ…コウ!」
名前から、広→こう→コウ
安直かな?まあ、誰も理由なんて考えないだろ。
ところでなんで名前聞いたんだろ。
「ホワイ、ドゥユーリッスントゥーザマイネーム?」
「The name was not written on the table.」
テーブルに私が名前を書いていなかった?
わけわからん…
「お、オーケーオーケー、アイ、ライトマイネームオンザテーボー」
えっとコウ、コウっと…何で書けばいいんだ?
すると受付のお姉さんから受付票が渡された。
あ、テーブルって表のことか。
kou
っと。
外に出た。
部屋と見たのとおんなじ感じで、土が歩かれたことで硬くなり両端に青い跡があった。
家の構造は日本的な屋根はなく、外国風なペチャッとしてる感じだ。
建物を出て左側にはこれまた外国風の城があり道にはいくつかの露店と、たくさんの人。
そして、すべて英語。
まったくもってなんて書いてあるかわからん。
英語じゃない謎言語まであるし……。
しかし、町の面積に比べてあまり人数が多くない。
青年が8人と買い物してる女の子、おばさんが5人、店で働いてる人が6人程度。
少ない割には活気づいてるがどうしても過疎感が否めない。
太陽の傾き的にまだ朝早いからなぁ……。
初めての町がこれでは少し寂しいものがある。
まあ、夢だから別にいいけど。
うーむこれからどうしよう(無計画)。
人に聞いてみるのがいいかな?あ、あの緑髪の人とか人畜無害そうだし。
「ハロー。クッジューテルアスアレコメンティッドプレイス?」
(こんにちは。おすすめの場所を教えていただけませんか?)
男の人は少し驚いた顔をしてから小考して、OKと言って歩き出した。
ついて来いって意味だろうか。
すこし不愛想だが、断らないあたり高評価だな。
少し歩き、不意に青年は足を止めた。
そしてthisと言って、目で催促してきた。
かなり大きい建物だが、騒がしい感じではない。
むしろ落ち着く、何かゆっくりするような場所。
入ると、大量の背表紙と、背の高いたくさんの棚。
そこは図書館だった。
現代の図書館とは程遠い程幻想的かつ効率的な、計算し尽くされてるであろうデザインしかり。
少し汚い紙を使った、厚いカバーの本で棚を埋め尽くす少し臭い匂いしかり。
すべてを慈しむかのように彼は本を恍惚と眺めていた。
次からは作中の青年視点です。
混乱したらごめんなさい。