夜の月は紅き月を照らす
満月の輝く夜。次第に雨脚は強くなりとうとう満月は顔を隠してしまった。
先の見えない恐怖。自分の勘だけを頼りに丘を下る。
灯りが見えてきた。そこが恐らく終点であろう。彼女の為にも決して一刻を無駄にすることはできない。
私は彼女と二人で一人、居なくてはならない存在である。
私の名前は魔理沙。幻想郷の魔法の森に住んでいる、普通の魔法使いだ。
今日は懐かしい話でもしようかしら。魔法研究の息抜きにはなるかも...ね?
満月の輝く夜。次第に雨脚は強くなりとうとう満月は顔を隠してしまった。
先の見えない恐怖。自分の勘だけを頼りに丘を下る。
灯りが見えてきた。そこが恐らく終点であろう。彼女の為にも決して一刻を無駄にすることはできない。
私は彼女と二人で一人、居なくてはならない存在である。
私の名前は魔理沙。幻想郷の魔法の森に住んでいる、普通の魔法使いだ。
今日は懐かしい話でもしようかしら。魔法研究の息抜きにはなるかも...ね?
プロローグ~魔法人形の朝
その朝、彼女は目覚めた。
「...ここは..?」
いつも聞く優しい声である。
「アリス、目が覚めたか。昨日、丘で倒れていたぜ。雨の中良く寝れてたな」
彼女の名前はアリス・マーガトロイド。魔法の森に住む魔法使い...というよりは人形使いか。多少魔法も使うが。
「私は...昨日丘で...?」
「あぁ、暗くてよくは見えなかったが大木付近で倒れてたぜ。」
魔理沙もある程度事を理解してる。だからこそあえてよく見えないことにした。下手に思い出させてはいけない。
「なんで丘に行ってたんだ?アリスから貰った人形のお陰で場所は分かったんだが...」
「良さげなコアを探してたのよ、人形の」
「ほーん。ならそういうことにしておこう」
「そういうことってどうゆうことよ」
やっといつもの会話を取り戻せた。やっぱりアリスとはこうでなきゃ。
「あ、そうそう一昨日書斎を整理してたらこんな本があってだな」
魔理沙は一冊の本を取り出した。しかしそれは本と言うには余りにも薄かった。たった数枚で構成された冊子。
その薄さは魔導書の比ではない。とにかく薄い。薄いのだ。
「なによこれ。本と言うよりパンフレットじゃない。」
「ところがどっこい。書いてある中身がだなぁ...」
「幻想の七つ道具?」
「らしいぜ。何故私の書斎にあったかは知らんが...ん?」
外が何やら騒がしい。冷たい眠りから覚めた二人にとってはただの邪魔な音でしかなかったが流石に五月蠅過ぎたので外を覗く。
妖精だったらほっとくし妖怪なら退治すればよい。
しかし外に居たのは妖精でも妖怪でもなかった。
「あれは...]
「吸血鬼!?太陽を背にして...」
外に居たのは太陽が弱点であるはずの紅魔館の主にして吸血鬼 レミリア・スカーレットであった。
「あはははは...ついにあの太陽を....克服したぞぉ...!!このまま幻想郷を私のものに...」
太陽を克服した吸血鬼、レミリア・スカーレットは声高く笑っていた。私たちでも克服しきれていない太陽を克服したのだ。
奴にはもう弱点はない。不死身、不老不死!もう奴は倒せない。
「アリス、これからは永い日々になりそうだな、あのレミリアとの決戦。私たちの因縁、奴を倒す」
「でも太陽を克服したのにどうやって...」
「とっておきの策が1つだけあるぜ」
「とっておきの?」
「そう...とっておきの」
おっともうこんな時間だな。
私は魔法の研究に戻るぜ。久しぶりの昔話だったがどうだったかしら。




