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3・雪かきスコップ

 寒い

 寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い

 寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒


 冷たい

 冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい

 冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい



 私はスコップとして生まれた。固有の名前などない。人に使われ終わる存在。分かっている誰もが気にも留めないこと、と。


 私たちは便利な道具として使われる。だが役目を終えると大抵言われる言葉がある。


「置き場所に困る」


 だそうだ。そんなこと私たちの知ったことではない。作られた形としてまれたのに、余りにも勝手な言い分だ。そして私は外に立てかけられた。


 スコップという道具にも色々な種類がある。それを知ったのは役目を終えてから少し経った時だ。鉄製のソレは、私の軽いプラスチックの体よりも丈夫で、遥かに優れているように思う。


 だけど私は雪という白くて冷たいものを運ぶのにちょうどいい、らしい。



 バキッ


 折れた、私の体が。折れた。私を手にして「もう使えない」と言っている。


 私は運ばれていた。周りには何か分からない物たちがあり、透明な膜に覆われていた。


 私は床を動いている。正しく言えば床に動かされているのだろう。


 私は運ばれている。


 私は私とよく似た物たちに囲まれている。どうやら埋められるようだ。あの鉄製のスコップはまだ働いているだろうか。


 ああ、こんな世界




 暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い

ハッピーエンドはいつ書けるのか


ご意見ご感想お待ちしております。

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