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2.5・千里眼の灯

 真っ暗な世界。何も見えない。どうやら成功したようだ。思い残すことはなかった。


 思うところがあるなら、あの病気が誰かに移らないか、だ。なくなって分かる価値観。あれは人の持っていいものじゃない。


 ……、今何かが見えたような。ああ、幼なじみの女の子だ。ビルの上に立っている。そうか死ぬのか。


 落ちた。なんでなんて分からない。でも悲しく思う。でも寂しよ。僕も、君も。


 ここで会えたら言ってみようかな。


 好きだったって。


 ▽


 どこを見ても真っ暗な世界。身体の感覚も無い。でも不思議と怖くない。彼はどこにいるのか。彼なら見えるのだろうか。


 遠くに灯が見える。聞いたことがあるなぁ、こんな話。でも全然怖くない。なんでだろう。


「ーーーー」


 声なんて聞こえなかった。頭に直接響いてくる。


「ーーーー」


 きっと彼だ。言うんだ。聞こえなくても。姿が見えなくても。


「「好きです」」


 人の形をしていなくても。本当に魂で繋がる。感情は波をうたないが、凄く嬉しい。


 暗い世界の灯は私を慰めてくれる。

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