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24・わらし
ああ、子供が羨ましい。
あの無邪気な、毒気のない、まっすぐな存在が羨ましい。
いつからか、心は穢れ、毒に埋もれ、歪んでしまった私は子供が羨ましいとおもう。
それでもあの時には戻れない。
ずっと、素直な笑顔でありたかった。
まっすぐに夢を追いたかった。
誉れでありたかった。
こんな想いに「人生」は応えてくれない。応えられない。
それを知りながらも私はワガママを言う。
ガキのように。
そういえば誰かが死んだ。そういえば誰かが生まれた。
ここで私は消えてしまおうか
知らない子供に挨拶されてなにも言い返してあげられなかった。情けないと思った。
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