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15・光だった物
これから生まれる者たちは、きっと私のことなど知らないのだろう。
きっと、昔のことになるのだろう。きっと、これからのモノのように教科書にも載らないだろう。
思えば儚いものだった。照らしている間は……、でも、皆はそれを当たり前だと思っていたみたいだ。感謝なんて無かった。
それでも、私は何も残らず消えるのでしょうか?それでも、私は忘れられるのでしょうか?
……どうか我儘が叶うなら、誰かの隅に……。……どうか、願いが叶うなら、私の輝きを忘れずに……。
パチンッ
そして灯りは消えた。
これはとある白熱電球さんのお話です。
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