エピローグ
「柚葉、お茶おかわり。おいしいの淹れてね~」
「……」
「クッキーの袋が開かない。渡、はさみ」
「……」
新居のリビングを占領する他国の妨害者がいる。
「今日で何日目だと思う?」
「さぁ? 知ってるシウ」
「6日目になる、まだ一週間経ってない」
「…………」
「もう…………」
「んぅ? なに?」
「…………来んな」
「もう来んなよ! 新婚の家に毎日来るって、イヤガラセにもホドがあるだろ!」
「アンタまだ結婚してないじゃない、男16歳じゃできないの私知ってるんだから」
「仲の良い友達の家に行くのは喜ばれることのはず。怒ってる意味が理解不能」
「わかってるよな?絶対に理解してるよな?」
伝説となったバトルの日からレイカとシウはこのありさまだ。
互いのローダーのダメージは思いのほか大きく、リーグ戦は継続できなくなった。
暇となった俺たちは新居でイチャラブしようとしたら、おじゃま虫が押しかけてきた。
しかも毎日。
毎日だ。
はじめは嬉しかった。
強がってはみたが、やはりあの家での思い出は大切なものだったから。
柚葉も当然喜んだ。
バトルで絆が深まったのも確かめあえた。
もう切れることがない友情が培われたと確信さえした。
それなのに。
それなのに、これだ。
ぐぐ。
「言っとくけど、アンタらはうちに8ヶ月もいたのよ? 私たちはあと7ヶ月と24日は
いる権利があるわ。あ、そうよ、24時間いたわけだから15ヶ月はいる権利があるって
計算もなりたつわね」
「お前ら、もう本当に来るなよ!」
俺と柚葉とのラブストーリーはいっこうに進まない。
おわり
以上で、格闘ロボ(略は完結となります。
お付き合い下さった皆様、ありがとうございました。
本作品は私の妄想をほぼもれなく反映させることができ、とても自己満足しております。
次回作の予定は未定ですが、ご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
それでは。