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M-003

基本的に親の魔力をすべて貰ってしまった子供は変わった所か珍しい力を得ると言う。

生まれるまでにそういう体になるとか?

はたまた、生まれる時に魔力を渡され赤ん坊の身体が耐えれる様に変わるとか?

そう噂されるが確かな情報は無い。

ファム国のコナ姫(この世界では未婚の王族の女性をすべて姫と称する)も最初は珍しくないものと思われたが話せるようになってくると次第に疑問に思うことが出てきた。

いや、今思うともっと前からだったかもしれない。

熟睡していたはずの赤ん坊が起きて泣きもせずに歩き回るとか、赤ん坊らしくない。

部屋の中の移動だけで抱えてもたいした抵抗も無かった。

この時は相手をして欲しくてそう言う事をしたのかと思ったがもしかしたら違ったのかもしれない。


成長していくにつれ、時々そういう場面に出くわした。

3歳だったか、もう4歳になろうとした時であったか、護衛兼侍女にとつけたエルフの血を引く双子アミとアムから報告があった。

夜に知らない言葉をしゃべったと。


「また夜か?」


この時はそう思った。

その後、経過していくと「夜」ではなくコナが「寝ている」のが前提である事に気づく。

コナの中に何かが居る。

そう感じるようになった。



不安を覚えるがファム王家一族としては立派に成長していった。

まだ、ファム王族としてではなく帝国貴族としてから続く〔治癒〕魔法の使い手として習いだしてから程なく使えるようになる。

おおよそ100年前に考えが合わず飛び出した。

なぜか解らぬが着いて来てくれる者たちが居た。

日が昇る側に向かって進む。

難易度の低いと思われるダンジョンを幸運にも見つけた。

しかも調べていると近くに性質の違う別のダンジョンがあった。

2つ目の方が難易度が高い様でそちらに安全の為に砦代わりの防壁で石壁を作り上げていく。

合わせて樹を切り切り開いていこうとしたが上手く切り倒せなかった。

石による防壁が先にできてしまった。

不思議な事にこの間ダンジョンから魔物など出てこなかった。

樹を倒す術ができる頃、着いて来てくれた人たちが住民として部屋も充分に確保できた石の建物ができた。

今はさらに一部を追加され城として成り立ったのがこのファム城だ。


その城の窓辺に立ちコナが外を見ている。

さらに時が経ちこの時7歳である。

早いものですでに母親の血を引いていると思わせる鱗片を思わせる。

金色の髪が月に照らされ、黄色い柔らかな光が彼女の髪を輝かせる。


「・・・・・・・・・・・・・・」


すでに知っている者以外の前で知らない言葉を紡がれた。

3つの月が明るく照らす。

見間違え様の無い出来事だった。


この時を切っ掛けにコナは悪魔憑きと噂される。

もっとも実害が無いのでそこ止まりで済んだのは幸いか?

王家として才能を見せだしていたのもあって怖がられる事があっても避けられるまでは無かった。


また時が経ち、さらなる法則に気づく。

月が重なった時に現れる。

それを知り対処は楽になった。

コナに対する噂は無くなる事は無かったが薄れていった。



11歳の秋、もうすぐ月が重なる時が来る。

しかも今までに無い1つ月。

5つの月が1つに重なる。

どう対処していいか迷う。

コナも何か感づいている様で準備をしている様だ。

吸い込むような夜の闇に反して月だけが明るく照らす。

空を眺める。


そして・・・・・・・・もうすぐ月が1つに重なる。

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