いっそのこと、鳩と働きたい…話
採用担当の人はどうやって一緒に働く人を選んでいるのだろう?
8月から採用活動を始めて、
自分の部署で働く人の面接をしているけれど…
もう、わけがわからない。
8月末、中途採用で応募のあった20代前半の3名の面接をした。
1人目は20歳で、バイトを3件掛け持ち中。
一度正社員で就職したけど1か月で退職。
正社員で採用されたい意思は感じるけど、
うちの会社の取扱製品や仕事内容に関しては「あ、はい」と関心なし。
製品を手渡そうとしても何も言わず、手も出してくれない。
興味なさすぎじゃん。
そこらを歩いている人をとっ捕まえて面接の場に連れてきたわけじゃなく自分の意志でここにいるんだよね?と疑問に思うほど。
2人目は23歳。
応募書類の送付先を間違え、
面接には「30分遅れます」と連絡があってから実際来たのは1時間後。
しかも「遅れてすみません」もない。
記入書類の希望月収欄には「300万」
いや、年収の間違いだろ…
って、月収300万なら私が欲しいよ。
書類記入日も8月なのに7月って書いているし、
「自分は根性がある」って書いてはいるけど漢字間違いで「恨性」って…
なにをそんなに恨むことがある?ってくらい恨性を乱発している。
ミス連発を面接に同席していた上司は「愛嬌って思えばいいじゃん」だとさ。
いや、今応募かけてるの品質管理。
ミスを見つけるのも仕事ですから!
初手でミス連発って先が思いやられるじゃん。
3人目は24歳。
ずっとぼんやり、ふんわりしている感じ。
素直なんだろうなーと言う印象だけど「じゃあ、一緒に働きたいか?」と聞かれると「いや、別に」というのが正直な感想。
面接の数十分でその人の何がわかるんだ!
偉そうに!
とも思うけど、変に妥協して先々苦しむくらいなら慎重に選びたい。
「今回は3人とも不採用にしたい」
と言った時、上司が
「まあ、みんな20代だし、伸びしろあるよ。ミスも反応が薄いのも愛嬌だと思えばさ。20代なんてそんなもんだよ」
なーんてことを言いだす始末。
世の20代に謝れ。年齢じゃなくって人柄だろうよ。
結局、こいつは採用活動が面倒でさっさと終わらせたいだけなんだろうなってのが露骨にわかる。
採用後は自分には関係ないとでも思っているのだろう。
「だったらお前の直属の部下にしろよ」
という思いをグッと押さえて
「申し訳ないんですけど、今回はお断りさせていただきます」
そう言うと、
「じゃあ、もうキンモクセイさんが新しい社員連れて来てよ!」
だってさ。
はぁ?
このクソ上司が。
そう思っても口に出しちゃダメだろ。
余計な言葉を吐きやがって。
だからどんどん社員が辞めていってるんだろ。
あ、そうか。
50代のお前には伸びしろがないんだっけ?
そう思う私は40代。
伸びしろ皆無の上司曰く、
高望みしすぎ。
パーフェクトな人なんていない。
20代前半なんてこんなもんでしょ。
私はただ、
少しでも仕事内容に興味を持ってくれて、
ありがとう、ごめんなさいが言えて、
一緒に働いてみたいと思える人がいたらいいなって思っているだけなのに。
って、人に何かを期待している時点で高望みか…
自分自身、人に何か言える人間でもないしな。
そもそも私自身、一緒に働きたいと思ってもらえているのだろうか?
グルグルといろんなことを考えながら会社帰りに寄ったスーパー。
屋上駐車場へと続くスロープの脇に設置されたフェンスの上。
夕日をバックにした鳩がいた。
逆光に浮かび上がるその姿。
すらっと長い首。
背筋がピンっと伸びて胸を張る姿。
孤高の鳩。
「あ、コイツと一緒に働きたい」
そう思った。
仕事は出来ないだろうけど、
肩に乗せてりゃ、たまに響きのある低音ボイスで「クルック―」と耳元で鳴いてくれるだろう。
ああ、癒される…
想像だけで得られる癒し効果。
この鳩が「どうも」と首を軽く前後に動かし採用面接にやってきたら、即採用だ。
そんなスタイリッシュ鳩、採用計画を同僚に話したところ、
「やつらの保菌数半端ないっすよ」
と言われた。
た、たしかに。
悩みすぎてうっかり鳩を採用しそうになった私に一緒に働く人を選ぶなんて大仕事ができるのだろうか?




